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オジサンはお家に帰りたい ~ 粉砕!! 異世界迷子オジサン  作者: 一 二三


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状況変化 ㉕

 あんなもんの直撃を食らったら臭くて眠れねえ不眠症へ一直線だ!

 地雷を避けて隙間を踏み、飛び跳ねるように最奥部から脱出する!

 火元の発生と煙にニオイに気付いたのか、背後ではコウモリどもがキーキーギーギーを騒ぎ始めている!

 ツルハシが付けた傷痕が刻まれた岩壁が視界の両脇を流れ、曲がりくねったトンネルを駆け抜ける!


 最奥部を出てもう100メートルは走っているはずだが、コウモリどもの声が遠ざからねえ!

 キツいニオイの危険エリアは抜けたはずなのに危険物センサーも警告を発したままだ!

 てことは、何が起こっているかは何となく想像は付く!

 俺に抱きかかえられている体勢から身を捩り、首を伸ばしたケイナが予想を裏付ける警告を発する!


「テツさん! 後ろ!!」

「分かってる!」

 だと思ったよ!

 俺たちを追ってコウモリどもが飛んできてるってんだろ!


 とはいえ、俺の全力疾走と坑道の幅ギリギリを使うしか飛べないコウモリどもの、どっちが速いかってタイムトライアルだ!

 ケイナの光の球で視界は良好、ハンディキャップは俺たちに有利なんだから負けるかよ!

 坑道の出口まで残り100メートル! このまま坑道を飛び出しちまったら獲物を逃がしちまう!


「ケイナ! 下ろすぞ!」

「はいっ!」

 両足を滑らせて急ブレーキを掛けると同時にケイナを手放す!


「出口で待ち構えて、討ち漏らしたヤツを燃やしてくれ!」

「テツさんは!?」

「俺は、この場で迎え撃つ!!」

 着地の速度差でつんのめり掛けたケイナは上手く体勢を立て直して坑道の出口へと駆けていく!

  

「うおらああああああああああっ!!」

「ギィッ!?」

 パキャッ! っと軽い破砕音を残して、振り向きざまに放った左の裏拳が大きく顎を開いていたコウモリの横っ面を捉えて岩壁へ叩きつける!


 続いて繰り出した右ストレートが2匹目の鼻っ柱を砕き、後続を巻き込んで墜落させる!

 この坑道の空間は縦横3メートルの四角いトンネル状だ!

 サイズ感から、そうじゃねえかと予想していたが、ドンピシャだったな!


 翼長で2メートル以上も有るコウモリどもは飛ぼうとする限り、縦にも横にもほとんど逃げ場がねえ!

 タイミングを合わせて拳を振り抜くだけでコウモリにクリーンヒットする!

 バッティングセンターで鍛えたサラリーマンの打撃センスを舐めんなよ!


「葬らん!!」

 左ストレートをまともに食らったコウモリが軽い破砕音を残して後続を巻き込む!

 ザマァ見さらせ!


 重力という公平平等な自然の摂理に囚われて墜落したコウモリどもは、自力では飛び上がれないようだ!

 だったら、フックで単体撃破を狙うよりもストレートで複数体撃墜を狙った方が効率が良いだろ!

 地べたで這いずっている死に損ないは後で踏み潰して回れば良い!


「ドンドン来いやあ!!」

 空中を突進してくるコウモリの顔面を、タイミングを合わせてブッ叩く!

 死体と死に損ないで坑道が埋まってしまわねえように数メートル下がっては、ひたすらブッ叩く!


 こうなったらゲームセンターのリズムゲームと変わらねえ!

 コウモリどもの血液と唾液で拳が濡れて不快だが、不思議なことに血液や唾液は臭くねえんだな!

 臭えんじゃねえかと覚悟していたんだが、こいつはラッキーパンチだ!


「いやあ。意外とギリギリだったか?」

 叩いて叩いて叩き続けて、どのぐらい経ったのか、コウモリどもの後続が来なくなったときには坑道の出口から10メートルほどの位置まで下がっていた。

 両手の拳を振って、へばり付いた血やら何やらを振り払う。

 坑道の入口で身構えていたケイナの元へ無事を確かめに行く。


「怪我はねえか?」

「テツさん! 私の仕事がなかったです!」

「お、おう。済まねえ」

 手持ち無沙汰だったらしいケイナによる膨れっ面の抗議を受けて反射的に謝っちまったが、俺、戦わなくて良いって言ったよな? 


「まだ生きてる奴が居るはずだから始末して回るぞ」

「仕方ないですね」

 仕事が残っていると伝えれば、ケイナは直ぐに機嫌を直した。

 これは責任感か?

 他人任せにして楽をしようとするよりは人として正しいとは思うんだが、ワーカホリックになってくれるなよ?


「ギッ・・・!」

 卵の殻を踏み潰すような軽くて脆い感触を靴裏に感じつつ、トドメを刺す。

 最奥部から天井を這ってくる燻煙は、排泄物を焼いているせいか、それなりに臭え。

 とはいえ、頭を低く身を屈めれば呼吸できないほどじゃねえな。


 地べたを這って最奥部へ逃げ帰ろうとするコウモリどもは、地面とは相性が悪いみてえだ。

 胴体を潰すと中に詰まってる排泄物が漏れ出しかねねえから、頭部を踏み潰して回る。

 地べたで大の字になっている死体に目を向ければ、頭部は大玉のスイカぐらい有ってデケエんだが、胴体は50セントメートルほどしか無くて短えな。


「何だ? この体型」

 胴体を中心軸にWの形をした両翼は、片翼1.5メートルもある細い腕の最上部に骨格が有って、5本指と脇の下に皮の膜が張ってるような格好だな。


 コウモリの“翼”と言われてるものが実は前脚で、羽根の役割を果たす“皮膜”と呼ばれているものが、“指”の間に張っている皮みたいなもんだってことは俺でも知っている。

 形状と役目はカエルの“水かき”と同じなんだっけな。

 レイバンの話では、コイツらの素材で換金性が有るのはこの皮膜だけなんだったか。



状況変化㉕です。


働き者!?

次回、後片付け!?

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