EP2 虚空城パート2
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俺―――アマネ フジヤは別に元の世界でさほど本が好きだったわけではない。多少ラノベを読む程度である。そんな俺は学校の図書室以外の図書館にはあまり行ったことがない。
「人生初かもしれない公共図書館がこれって……マジかよ……」
俺たちはギルドからの依頼にあった虚空城を調べるため‘‘アストラ国立大図書館‘‘に来ていた。
入った途端、見渡す限り本、本、本!状態で圧倒されてしまった。ちなみに世界で4位の蔵書数があるらしい。(一位はどんなモンスター図書館だよ!)
「さてと」
俺は静かにはしゃいでいるリザたちをよそに、一人で虚空城について調べることにした。
蔵書は細かく分類されており、意外とあっさり探している本が見つかりそうである。
「えーと?でもどこから探せば……」
‘‘教えてやろうか?‘‘
「ああ。ベルか。助かるよ」
‘‘代償はきっちりな‘‘
「代償?」
‘‘ふっふっふ嘘じゃよ‘‘
「何だよ……」
‘‘歴史、4000年前、伝説、まぁこの辺りかのぉ?‘‘
俺はベルの言うとおりに図書館内を進んでいく。すると、
「‘‘堕賢者伝記‘‘?」
そう書かれた本を俺は手に取った。
‘‘目を借りるぞ‘‘
「え?は⁈それってどういう……」
‘‘安心せい。痛みはない‘‘
俺はとりあえず読んでみることにした。
・・・
『堕賢者とは堕ちた賢者のことを指す。彼女は悪魔大戦時、勇者に正義の剣、通称アストレアンソードを託し世界平和に大きく貢献した。しかしながら、なぜか勇者の母国を滅ぼした。その後は自分で建てた城に引きこもっているらしい。引きこもり先で有力な候補は‘‘虚空城‘‘や……』
俺はそこで本を閉じた。虚空城の正体それは一国を滅ぼしたやばい奴の住処だった。
‘‘おぬしに一つ、わらわが忠告してやろう‘‘
「なんだよ」
‘‘その賢者、死んどらんぞ?‘‘
「は?賢者とは言え人間なんだろ?」
‘‘いかにも。確かに奴は人間じゃ。しかしそのスキル故、人間ではなくなってしまったようじゃな‘‘
「スキル?」
‘‘まぁスキルというか、先天的な能力と言った方がいいがな‘‘
「何なんだその力?」
‘‘簡単な話じゃよ‘‘
そこでベルは言葉を切り、こう続けた。
‘‘人の寿命を奪うんじゃよ‘‘
ウバウ?
‘‘人間の寿命を超越した時間生きるには、生きる力、つまり生命力がいる。ならばそれを他人からとってこればいい。ということだ‘‘
いまいちピンとこないが、これだけは分かった。
「人を殺して生きている。ってことか……」
‘‘うむ‘‘
虚空城で起こっていたのは、行方不明になる怪事件なんかではなくただの虐殺だった。その事実が分かった俺はしばらく呆然と立ち尽くすしかできなかった。
そして、一つの考えが浮かんだ。
「行かなくちゃ……」
俺は人間を信じないと決めたが、殺される人を見捨てることはできないらしい。
‘‘そう言うと思ったわい‘‘
ベルが少し微笑む。その笑顔がどこか寂しげなことを俺は知る由もなかった。
続く
次回
EP3 順備
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