EP2最初の村 パート2
さて、ここに来て早くも3か月が経った。村の皆はよくしてくれるし、日本と違って空気はきれいだし、とても充実した生活をしている。特に、ザハバさんとその姪のランファちゃんには特にお世話になっている。ちなみにザハバさん宅で起きた時ベット脇にいたのがランファちゃんだ。
「お兄ちゃ~ん、ちゃっときてー」
ランファちゃんに呼ばれた。
「どうしたの?」
「ここ、取れちゃったから直して欲しいの」
と言って肩掛けが一本とれたエプロンを手渡してきた。
「分かった。ちょっとまってね」
高校の家庭科で裁縫は散々やったし、家でも中3の妹のなんやかんやでやらされたのでこんなのは朝飯前だ。早速奥から裁縫道具を出してきてささっと直した。
「はい。どうぞ」
「流石お兄ちゃん!ありがとう!」
「おーい、天音、ちょっといいか?」
ザハバさんに呼ばれた。
「はい!すぐ行きます」
こんな感じでのどかな生活をしているうちにいつしか嫌なことは忘れてしまっていた。
「今日は町に行くぞ」
ある朝、ザハバさんが僕らに言った。「やったー!」と一人はしゃいでいるランファちゃんをよそに聞いてみた。
「街ですか、何かあるんですか?その僕のこととか」
「いや、買い物だ。ランファが大きくなったからな服を買いに行くんだ。天音にも街を見せてやりたいしな」
ということで、ザハバさんとランファちゃんと街に行くことになった。
「暗いところ。ここは…うっ、足枷…なんで…人間なんてみんな死んでしまえばいいのに…」
暗い牢屋の中、少女はただ嘆くことしかできないのだった。