EP9 森よ安らかに
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帝国への襲撃から二週間が経った。帝都は復興が進み、かつてのような活気が取り戻されつつあった。しかし、少し変わったことがある。
「最近見なくなったよな奴隷商人」
「だな~」
「その代わり、魔香の出ない獣人を見かけるのが増えたよな」
「確かに、いや~でもよく見たら、ほら特に耳とかモフモフしてて気持ちよさそうだな~」
そう。あの後俺たちは帝国の全奴隷を解放し、全員にある液体を飲ませた。その名も``魔香が消える薬``である。俺がスキルで作った。これもおかげで、今では差別もそこまで頻繁には見かけなくなった。二週間でこれほどの効果が出るとは正直思っていなかった。
また、今の政治は皇帝の義弟がしている。前の皇帝よりはましで、奴隷があまり好きではないらしい。理由は、小汚いし、素直に愛せないからだそうだ。やはりこいつも皇帝家の一員なのかと改めて思った。彼の政策により、奴隷商人は実質帝国への入国不可ということになった。帝国市民には襲撃のことは一切伝えられず、不慮の事故ということになった。皇帝直々の発表なので皆信じ込んでいる。
「ついたわよ」
俺達はとある墓に来ていた。俺のスキルで作った墓である。
「二週間、か」
ヒイラの墓だ。
「そうね」
「満足そうに眠っていたわね」
「だな」
花を手向けて、墓を洗ってから、俺たちは手を合わせた。
お元気ですか?
まぁな
そうですか。弟はどうですか?迷惑をかけていませんか?
大丈夫だよ
じゃあ後は頼みますね
分かった。いつかそっちに行った時の土産話を楽しみにしていてくれ
そうさせてもらいます。でも、あんまり早く来ちゃだめですよ。あと、リザさんを大切にしてくださいよ
「分かってるよ」
「え?何が?」
ふとリザに声をかけられ、俺は我に返った。
「いや、何でもないよ」
「もしかして、ヒイラ、何か言ってた?」
「ああ、うん。あんまり早く死ぬなよ、だってさ」
ふふふと微笑んだリザを見て改めてこの子を大切にしようと心に決めた。
「おーい、兄貴ー!」
ライラが読んでいる。
「行くか」
「うん」
こうして、帝国との一件は終わりを告げたのだった。
16年前
「おぎゃあ!おぎゃあ!」
「元気な赤ちゃんですよ」
その日、ノーテル大陸のハイリシア家にアリアが生まれた。
今回で第二章完結です!応援していただきありがとうございました。
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