EP5 森の守護者 パート2
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「ここだ」
ライラに案内されて俺たちは獣人の里に到着した。
「ツリーハウスか」
「つり…?なんだそれ?」
「いや、悪いこっちの話だ。俺の元の世界ではこういうのツリーハウスって言うんだ」
文字通りツリーハウスだった。森の大木を柱としてそこから突き出しているようだ。
「おい!ライラ!そこの人間はなんだ!」
スレンダー高身長で断崖絶壁なので男かと思ったが、
「ね、ねぇちゃん…!こいつらはそういうのじゃないって!」
「何を言うか!こんなぼろきれを着ているエルフを連れている奴が奴隷商人じゃないわけないだろ!」
お前ら本当、ぼろきれ、ぼろきれって…。
「ああもう分かったよ!ぼろきれじゃなきゃいいんだろ!」
もうやけくそになったのでその場でフード付きローブを新調した。デザインやら装飾やらを変えてどこからどう見てもぼろきれなんかに見えないようにした。
「な…!」
流石に急にローブが出てきたようにしか見えないので、ライラの姉もこの表情である。
「ほら。これでいいだろ」
俺は、リザに前のローブを脱がせて新しいのを着せた。
「高貴なエルフが肌を許して…!」
と、突然ライラの姉が絶句した。これは後でリザに聞いたのだが、エルフとは本来魔族の中の貴族的立場で高貴な種族だという。それゆえ、家族や親友またよほど尊敬に値する、つまりそのエルフが認めたものでない限り触れることを許さないらしい。「俺が最初抱っこした時ってどうだった?」と聞くと、「驚いたしあり得ないって思った。でもあんな持っていかれ方されたことないからちょっと楽しかった」とのことだ。
「この人は私の旦那。何か文句でも?」
威圧感たっぷりにリザが言っている。
「何ならここで私からこの人にキスしようか?」
追い打ちというよりただキスしたいだけに見えるのは多分俺だけじゃないはずだ。
「わ、分かりました。ごめんなさい。勘違いをしてしまって」
「分かればいいのよ」
こうして、ライラの姉ヒイラの誤解を解いて改めて俺たちはライラたちの家に招かれた。
「改めまして、ヒイラ グリムです。先ほどは無礼を働いてしまい申し訳ございませんでした。こっちは弟のライラです」
急におしとやかな話し方になった。どうやらこっちが素らしい。
「で、何でここに来た?」
ライラが聞いてきた。こいつは、別に紳士化するわけじゃないらしい。俺はアーハル海岸都市を目指していることと最終的には魔大陸に行きたいことを話した。
「そう。故郷に…。あの、リザさんはいつ出てきたんですか?」
「…10年前くらいかしら?」
「私たちと2年しか違うんですね!」
「じゃあ、ヒイラさんたちは8年前に?」
俺が聞いた。
「はい。10年前って言ったら…私の父が大陸を出たのもそのくらいです」
「お父様は今…?」
リザが恐る恐る聞いた。そして、彼女が危惧したであろう予想が的中した。
「死にました。過労です。過度な肉体労働のせいで」
「ごめんなさい…」
「リザさんが誤ることないですよ。それに、高貴なエルフにお心遣いいただけて、父もうれしいと思いますよ」
ヒイラが少し寂しそうな表情をして言った。それもそうだと思った。家族を失った苦しみなんて俺には見当もつかなかった。
「これから少しの間滞在しますよね?部屋がちょうど空いてるのでそちらをお使いください」
「ありがとうございます」
「ライラ。案内して差し上げなさい」
ライラはめんどくさそうに立ち上がり案内してくれた。ということで、俺たちの里での生活が始まった。




