EP5 森の守護者 パート1
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洞窟を出た。久々の日光が暖かくも眩しい。
「あーようやくでられたな」
「意外と長くかかったわね」
俺の隣にいる嫁も、眩しいのか目を細めている。俺としたことが、その愛らしい表情にがっつり見とれていた。
洞窟の出口はグラハム帝国領の端の森林都市``トートリア``につながっていた。ここは森林浴で人気な名所である。この話をランファから聞いたときは、「この世界にも森林浴ってあるんだ」とシンプルに驚いたものである。しかし、奥地にまでは開拓が行き届いていない。理由は強いモンスターが出るんだという。何度か討伐隊が組まれたが、全滅し、帰ってきた人はいないらしい。帝国側はこれを受け、立ち入り禁止区域として処理した。それ以来警戒のため帝国兵が見張りをしているだけである。
そこで、その見張りをだまして、森の奥地から帝国の帝都に侵入し、通行証無しでアーハル海岸都市に行こうということだ。
「居た」
リザが発見したらしい。見張りは二人、柵があるだけで普通に飛び越えられそうだ。
「行くぞ」
「うん」
見張がこちらに気づき眉間にしわを寄せた。警戒しているのだろう。
「ここから先は立ち入り禁止だ引き返せ」
見張りの一人が言ってきた。予想通りの状況である。
「聞いていませんか?帝王からの命令で秘密裏に森のモンスターの盗伐を任された者なんですが?」
「確認する少し待っていろ」
見張りがこちらに背を向けた瞬間、
「グラン」
容赦なく魔法で地面に叩きつけた。
「なっ…!」
驚いたようだがもう遅い。見張りたちは不可避の重力により意識を失った。
「行くか」
「うん」
俺たちは柵を飛び越え森の奥地へと入っていった。
「それにしても、さっきとは打って変わって薄暗いな」
森の奥地は思った以上に大木が生い茂り、日光を遮るので薄暗かった。
「そうね。湿気もすごいし、流石未開拓地ね」
「例の強いモンスターとやらはどこにいるんだろうな」
「さぁ?遭遇したら逃げるのよね?」
「もちろん」
「じゃあ、グランに乗って一瞬じゃない」
「たしかにな」
そんな会話をしながら進んでいると、
「おらぁぁぁぁ!」
「おっと⁉」
いきなり攻撃された。
「リザ!グラン準備!」
とっさにそう叫ぶも、
「待って!」
「どうした?」
「こいつ、同朋よ」
「え⁉」
俺は目の前のモンスターに向き直った。たしかにこいつはどこからどう見てもモンスターではなく魔族である。獣人…狼か?
「そこの人間!そのねぇちゃんを開放してとっとと出ていけ」
しゃべった!と叫びそうになったが「確かに魔族なのでしゃべるだろう」と当たり前のことを考えてしまった。
「待ってくれ誤解だ。俺は奴隷商じゃない!」
「嘘をつくな!そのなりを見たら一目りょう然だろうが」
確かに、今のリザは洞窟で少し汚れたフード付きローブで全身をかこっているが、その下はちゃんと俺がスキルで作った半そで短パンの服装をしている。ブーツもしっかりしたものにしたつもりだ。
「この人は嘘はついていないわ」
フードを外したリザが冷静な眼差しで答えた。
「あんた、洗脳されちまってんのか…」
「違う」
リザが即答した。
「なら証拠を見せやがれ」
「「証拠?」」
ハモった。
「そうだなじゃあ…そこでねぇちゃんの方からキスしろ。それができたら…」
言葉が終わる前にリザが少し背伸びして俺の頬を引き寄せキスをしてきた。普通のキスでいいのだろうが、なぜか舌まで入れてきたのでびっくりしたが、いつもしているので優しく対応した。終わってふと獣人の方を見ると、顔を真っ赤にして唖然としていた。
「あら、あなたには刺激が強すぎたかしら」
わざとらしくドヤ顔であおっている。かわいい…!
「わ、悪かった。嘘はついてねえみたいだな」
俺はさっきからそう言ってんだろ!と心の中で怒鳴りつけやった。
「せっかくだ俺たちの里で休んで行けよ」
「里…?」
「ああ。今俺たちが住んでるところだ。すぐそこにあるからさ。俺はライラ グリムだよろしくな」
こうして、俺たちは森にある獣人の里で休むことになった。




