EP4 創造者(クラフター) パート1
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私、リザは今走っている。故郷の野原ではなく、薄暗い洞窟の中を。涙をこらえて。私をもらってくれた``あの人``を助けることもできずに本能的な恐怖に駆られて惨めに逃げている。「戻らなきゃ…!」と何度も思うが体が言うことを聞かない。怖いのだ。自分が死ぬのはもちろん、何より``あの人``の亡骸を見るのが。
ふと、``あの人``のことが思い出された。笑った顔、照れた顔、優しい眼差し…。
「嫌だ…」
失いたくない。もしもう手遅れだったとしても、敵ぐらいは取らないと気が済まない。そうしなければ私も彼も報われない。結婚してまだ一度も一緒に寝てもないというのに…。そう思ったら、自然と足は止まり、呟いていた。
「グラン、ダブル…!」
刀。海外ではサムライソードなどと言われ多くに人に親しまれている日本の伝統的な刃物である。その切れ味は凄まじく、タイミングと当たり所がよければ銃弾でさえ切れるという。そんな刀を俺は欲した。元の世界で俺が一番あこがれた、最強の武器だからだ。
刀をよこせ。
その時、奇跡的にスキルが発言した。
``創造者``
その名を知るのは全てが終わった後だった。
手がひかり、柄から刀身へと刀が生成された。
「サムライソード…?」
手に現れた刀の名前らしい。ランファに教えてもらった、この世界の文字で刀身に刻まれていた。
柄は西洋風の持ちやすい形で、刀身は刀という何とも斬新なデザインである。しかし、何より驚いたのは、
「軽い…!」
羽のように軽い。思いっきり振れる。
「…これなら」
俺は目の前の敵に向かって反撃を開始した。
「セイッ…!」
短く気合を込めて振り下ろした。と言っても技も何も知らないので、ただ昔見た時代劇の見よう見まねで刀を振った。それでも、切れ味が良すぎるせいか、あの固かった表皮がまるで豆腐のようである。
「ハァ…!」
俺は目いっぱい跳躍し、大熊を左肩から右腰へ斜めに切り裂いた。大熊はよろめき、鈍い断末魔を上げて消滅した。
「終わったのか…?」
洞窟には静けさが戻っていた。どうやら、終わったらしい。俺は緊張が解けてその場に座り込んでしまった。折れた左腕の鈍い痛みに苦笑しながらも、俺はただただ、達成感にしばし浸っていた。
背後からソニックブームのような爆発音が聞こえた。どうやらリザが自分の魔法に乗ってきたらしい。
「アマネー!」
その声に少し安心感を覚えながらも、どう受け止めるかということに頭を悩ませるのであった。




