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母を探しに異世界へ  作者: 鈴月桜
第2章 愛川 誠
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第9話 北川 龍

店を出て近くの公園に入る


「ありがとうございました。これはお礼です」


10万円入った袋を一人ずつ渡した。


そのリーダー格の高校生とは中学に進学してからも俺のゲームに付き合ってもらっている。

彼の名は「北川 龍」(キタガワ リュウ)

北川は中学の時から近隣の中学校から恐れられる程の人物で、中学校に進学してからは、1回呼ぶ事に10万円を渡して、願い事を聞いてもらっている。


召喚獣みたいな物だ


でも、そのおかげで中学校では普通に授業を受け、放課後は彼をリーダーにして出来た「コブラ」と言う不良グループを立ち上げ、東京だけでは無く関東に名が届く程のチームに成長させた。

俺が中学に入ってからは北川の事を「リュウ」と呼ぶようになり、初めて人間として尊敬できる存在であった。


「コブラ」は瞬く間に勢力を伸ばしていく

リュウにはバイクや車を買い与え、他のグループとの抗争に発展する場合は、金で格闘家等を覆面で参加させていた。


たまに彼のバイクの後ろに乗せてもらい、遠征にも参加したが、今まで味わった事が無い程の興奮を覚え、この世界に依存していく。


俺が中学を卒業すると同時に彼は引退し「コブラ」も解散させたが、本当は全国制覇を目指したかったのが本音だ。

もしかしたら、本当はリュウと一緒にいたかったのかも知れない。


リュウは格闘家の道を選び、海外で格闘家の道を突き進むらしい。


俺には出来ない生き様である。


ノンフィクションの映画を観ている様で興奮したが、高校ではどんな物語を作り、何を目指すか考える。

リュウがいてくれたら本当はもっと高校生活も楽しくなる筈だったのだが・・・・


目標である女選びも母以上に魅力的な女は何処にもいない。

小学生の時に母とそっくりな女性を探させたが、結局見つける事は出来なかった。


取りあえず第3の目標であるT大学の医学部入学を目指して高校では勉強だけに専念するか


「はあ~」


大きな溜息を吐きながら高校の入学式に向かっている


入学式と言っても一部の高校から入学してくる一部の生徒以外は、中学からの進学組が大半をしているので、進学式みたいなもので新鮮さも無い


親も興味は無いらしく式にも参加していない


親としてはどうなのだろう?


まあ親が家に居なくても、入学式に出席しなくても全然関係ない。


入学式が始まり、お決まりのクラス揃っての入場が始まる


そして新入生の挨拶で俺の名前が呼ばれた


「愛川 誠」

「はい」


適当に親や教師、上級生を称えながら新入生の言葉を終える。


クラスの指定されたパイプ椅子に座る


すると後ろから肩をポンポンと叩かれる


面倒くさそうに振り向くと、叩いた相手は前髪が目を隠すかのように伸びきった女生徒であった。

前髪も伸びきっているが、後ろ髪も腰まで伸びている。

座っている椅子から地面に髪がつきそうな位に伸びきっている

まるで幽霊の様に


ちょっと薄気味悪い


特に話しかけても来ないので、僕は無視して正面に向き直した


「私の名前は、 あい


だから何なんだ?


後ろで自己紹介している薄気味悪い女の声を無視する


入学式が終わり教室に戻る


教室に戻ると机に新入生の名札が置かれていて、五十音順では常に出席番号1番である愛川の名札を探す。


席に着くと隣のが空いているのに気づく


入学式から欠席かよ


机の名札には「阿 愛」と書かれている名札が置かれていた。


あいつか


そういえばアイツの姿を見掛けない


すると、別の女子生徒が俺の横の席に座る。


俺が不思議そうに見ていたせいで、横の女子生徒は俺が自己紹介すると思ったらしく、女子生徒から自己紹介される

「私は 秋元 直子です。よろしくね」



確か名札は「阿 愛」と書かれていた筈だが・・・・


「俺は「愛川 誠」よろしく」


それだけ答えて、あとは適当に話を合わせた


簡単な校則の説明や授業について先生が説明して授業が終わる。


終わると同時に人を交わしながら下駄箱に向かう。


多分クラスで一番早く下駄箱に来ている筈だったが下駄箱にあの「阿 愛」が立っていた。


僕を見るとクスッと笑う


「ゴキブリみたいですね」


僕が人を避けて教室を出た事を言っているのだと直ぐに分かった。


頭に血が登りそうになり感情が高ぶる


ダメだダメだ。

こんな奴の言葉に腹を立ててどうする


とにかく無視して靴を履き替えて校門を出るが、2,3mぐらい後ろをずっとアイツがついてくる


立ち止まるとアイツも立ち止まる


「何でついてくるんだ」


しかし返事は無い


こいつは変質者?


このままだと自宅の場所も見つかってしまう


う~ん


考えながら自宅とは別の場所に足が向かう


そうだ!


以前「コブラ」が本拠地として使用していた隠し部屋に行こう

確かリュウの部下が1年間貸してくれと言われたので貸している

その代わり何か困ったら、そこに行くようにリュウからも言われていた。


俺は「コブラ」の本拠地に向かって早足で歩き始めた


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