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母を探しに異世界へ  作者: 鈴月桜
第2章 愛川 誠
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第7話 「愛川 誠」

俺は親と同じ医師を目指して、名門のK大学付属学校に小学校から通っている。

もちろん成績が良くなければK大学の医学部に入れないのだが、中等部(中学)では1年から常に成績トップを維持している。

K大学の医学部を目指すのもいいが、やはり日本最高峰の大学であるT大学の医学部を目指している。

本当は医師免許だけあれば充分なのだが、これからの人生、誰にも引けを取らない為にもT大学の卒業を目指すのだ。


父親も親(祖父)から引き継いだ総合病院の理事長の座に就き、殆ど臨床経験もなく医師免許だけで人生を楽しんでいる。


寝る間も惜しんで働く医師

患者の命を第一に考える医師

経営を中心に考える医師


そのどれにも父は当てはまらない


ただ理事長と言う名を引き継ぎ、医師免許を持っているだけの医師

そして、どの医師よりも給与が高く、どの医師よりも自分の娯楽を楽しむ時間がある。


それが、僕の父「愛川 忍」だ。


そして金だけでは無く最高の女も妻にする。

それが俺の母「愛川 ルナシー」である。


金髪で肌は透き通る様に白い

スタイルも良く、黒い瞳がアンバランスな魅力を醸し出す。

とても一児の母とは思えない美貌で、我が母ながら恋心を抱いてしまう女である。


何で親父だけ・・・


息子の俺でさえ抱く感情なのだから他人は更に強い感情を抱くのは言うまでもない。


とにかく俺も親父の様な人生を歩み、親父以上の人生を切り開いていきたい。その第1歩が親父も成し遂げていないT大医学部への入学なのである。


俺は学生時代に成すべき目標を掲げている。

第1に一生飽きない娯楽探し

第2に最高の女探し

そして第3にT大医学部卒業


第1の目標である娯楽探しだが、中学で最高に楽しい遊びを見つけてしまった。

しかし、この遊びは一生遊べる内容では無いので、学生の間だけ楽しむ事にする。

その遊びとは金や物で人を動かして遊ぶ事だ。


小学5年生のときである。

街はハロウィンイベントが終わりクリスマスの装飾に忙しくなる時期


この時期はクリスマスイベントに向けて、おもちゃ会社も商品を売り出す絶好の季節となる。そして注目を集めたおもちゃが一気に品薄となり、その商品を親達がクリスマス前に争奪戦が繰り広げる。これが例年起こるクリスマスプレゼント争奪戦だ。

今年は人気アニメ「凸凹マン」のゲームが流行し、早くも品切れが続出していた。しかし、その商品は父と昨年亡くなった祖父からも貰っていたので、手元に2個あるのだが「凸凹マン」に興味がない。


それを同じクラスの男子生徒に話すと予想以上に噂が広がる


そして帰り道

いつもの様に同じ時間、同じ場所を帰っていると、同じ小学校の6年生がいつも通る公道に面した公園から近づいてくる


「おい、愛川!」


振り向くと4人の上級生が俺を睨む様に見ていた


最初は何で呼び止められたのか分からなかったが、話を聞くと「凸凹マン」のゲームを譲って欲しいとの事であった。

さすがは優等生が通う小学生だけあって、あからさまな暴力で強制的に奪おうとはしてこない。ちょっと威圧的な言い方だったが、安値で売って欲しいと言っている。

近くの公園に何人も大人がいるせいか、小さな声だったので聞こえているが何度も聞こえないフリをしていた。


さすがに腹が立ったみたいだった

「ちょっと、こっちに来い」


少し大きめな声を出し、大人がいる公園から遠ざけようとしている。


「公園で話を聞きますよ」


「いいから、こっちに来い!」


無理やり4人で両手を引っ張ってきた


「助けて~誘拐される」

公園に向かって大声で叫ぶ


大人達の視線がこっちに向けられる


すると4人組は、我先に走りだす。


一人取り残されて4人組は走り去って行った


公園で子供と遊んでいた主婦達が近づいてきた


「大丈夫?」


弱々しく少し震えるように

「だ、だいじょうぶ・・です」


「さっきの子達は誰?」


「僕の小学校の上級生です。」


「あら、ちゃんと先生と親に言うのよ」


「でも・・・・」


「どうしたの?」


「親は僕の事に興味が無いので、相談しても解決しようとしてくれません。それに先生に相談しても本当の解決までしてくれるかわかりません。」


声を掛けてきた女性は困ってしまう


そこにたまたま歩いていた女性が、こちらを見て近づいてきた

母親と同じくらいの歳だろうか、背格好も似ていて顔まで似ている。よく見れば違う所は何か所かあるが、全体的な雰囲気、色気はそっくりである。


「それなら大丈夫よ」


その女性は微笑みながら去って行った。


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