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母を探しに異世界へ  作者: 鈴月桜
第1章 羽鳥勇太
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第5話 異世界人

声は耳から聞こえるのでは無く、脳に直接響き渡る


不思議な感覚になりながら、後ろを振り向くと


さっきまで誰もいなかった筈なのに、いつの間にか後ろに人が立っていた。

髪の毛は薄い金色、背丈は大きい。肌の色は白く眼の色は青い。

身長も190cmぐらいはあるのだろうか?僕が170cmなので、僕よりかなり大きい男性だ。


外人?


「すいません」

僕は声を出して謝りながら両手で掬った水を川に戻す。


また脳に話し掛けてくる

(それは、何語だ?)


「日本語です」

声に出して答えたが、日本語が分からないらしい


やった事は無いが、頭の中で念じるように話し掛けてみる

(ごめんなさい。僕は日本から来て、この山に迷い込んでしまったみたいなのです)


(日本?新しい村か?)


この人は日本を知らないのか?


子供なら知らない人もいるだろうが、いかにも成人だろう人が日本を知らない訳が無い

外国では地理を勉強しないのか?

とにかく日本を説明しよう

(島です)


(島なのか?)


(はい)


(だから独特な言語なのだな)


「はあ?」


日本が分からない人にこれ以上話しても無駄だろう


(そうですね)



(お前は魔法を使えるのか?)


何を真剣な顔をして言っているのだろう?


(魔法?)


(そうだ、魔法だ)


冗談なのか?

とても冗談を言っている様には見えない。


大きな男が右腕を前に真っすぐ伸ばして、数メートル先の岩に手のひらを向ける


「ふん!」


すると手のひらを向けた岩の周りに転がっていた小石が飛んで行った


「えっ?手品?」


魔法って、手品の事?


大きな男に話しかける

(それは、どんな仕掛けなのですか?)


(これは仕掛けなんてない。風の魔法だ)


魔法?


僕は恐る恐る聞いてみる


(すいません。ここは何処ですか?)


(ここはゾルド山だ)


(いえ、この星は何星ですか?)


(ここはセルーニョ星だ)


えっ?

何?

もう僕の考えられる許容範囲は超えていた


戸惑っている僕を見ながら、100mぐらい先にある岩を指差す


(あそこまで瞬間移動するようにイメージしてみろ)

本気で言っているのか?

魔法なんてふざけた事を真剣に言ってくる。


頭は混乱する


今はただ言われた様に念じてみるしかない。


テレポートする様に念じてみるが微動だにしない。


(出来ないみたいだな。なら歩いて村まで行くしかない。俺の後についてこい)


この男の言う通りついていくしかない。


それにしても魔法って?

ここは本当に地球ではなくて「セルーニョ星」と言うのか?

この男は必要最低限の言葉しか発しない。質問しても答えてくれそうも無い。


脳に伝わる言語は明らかに地球の言語では無い。それなのに理解できる。


本当に何なのだ?


それから、何の会話も無く川沿いを川下に向かって歩き始めた。


川に沿って道の無い場所を歩き始めて1時間程歩くと徐々に斜面が緩やかになって行く。


この山の麓に近づいているのだと感じる


緩やかな斜面になってから少し歩くと道が現れる。

道と言っても舗装されている訳では無く、土を固めている道路だ。

自転車のタイヤぐらいの車輪跡が何重にもついている


まだ下っている途中だが、道を歩き始めてから徐々に木が少なくなってきており、1時間ぐらい歩くと木も無くなった。

やっと森を抜けられた


森を抜けると目の前には大きな草原が広がる。少し高台なので草原の全体が見渡せる

草原と言っても本当に広く、先が見えない程である。

両脇に大きな山があるが、山と山の真ん中を川が流れている。

目を凝らして見てみると遠くに家らしき物が密集している場所を見つける

普通に見れば米粒程の大きさに見えるので、まだまだ相当遠い場所に村らしき物が見えた


(あれはどこかの集落ですか?)


(ゾルド村だ)


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