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母を探しに異世界へ  作者: 鈴月桜
第1章 羽鳥勇太
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第4話 異世界

そこで今の状況を考える


大きな枯れ木に腰を掛けて辺りを見廻す

大きな木の枝から風に揺れた葉の隙間から日光が差し込む

殆ど人が立ち入らないのだろう、地面は水分を含んだ落ち葉が埋め尽くす。


これだけ人が入らない場所ってことだよな?


山道から外れた場所?


「本当にここは何処なんだ?」


誕生日の日から予想外の事が起こりすぎて訳が分からない。


現実を受け止められない


夢?


何とか納得しようとするが、森林の匂い、少し肌寒い空気、動物の鳴き声、これは夢では無く現実としか考えられない。


テレポート?

もしかして樹海にでも飛んだのかな?

それともよその国のジャングル?


ありえない話だが、とにかく何処かにテレポートしたことだけは事実だ。


何か物音がしないか耳を澄ます


あれ?


かすかに水の音がするような・・・


とにかく何かしらのヒントになるかもしれない


僕は水の音がする方角に歩き始めた。


木が密集している所は光を遮るので薄暗い。少し木々の間隔が広い場所は陽が差しているので、昼間だと認識出来た。


木の密集地帯は落ち葉に水分を含んでおり、足を踏み入れる度にズブブブッと踝まで沈んでしまう。

最初は靴に水が入らない様に気を付けていたが、途中から諦めてしまい、100mも進む間には靴の中は水浸しになり、靴下はビショビショである。


「あ~気持ち悪い」


気温も高く、まるで夏の様な暑さである。厚手の学生服を着ている僕の額から汗が流れ落ちていった。


水の音が近くなってくる。


水の音がする方向は、明るくなっている。


やっとの思いで水の音がする場所まで辿り着く


「川だ!」


幅は2,3mぐらいで大きな岩と岩の間を水が上から流れている。

いかにも川の始まりらしき上流だ。


そして、川を少し下った方角から激しい水しぶきの音が鳴り響いている。


滝?


案の定、川を少し下ると目の前の小さな川は流れ落ちている。どうやら滝上だったらしい。


少し横から見ると滝の全容が見えた。


高さが20mぐらいある崖で、3か所から水が流れ落ちている。

その1か所の水が僕の見つけた上流部分であった。


滝の下を覗くと滝つぼがあり、そこから下流へと続く川が見える。


とにかく滝の下まで行こう


滝から少し離れた場所を通り滝下に辿り着く


体力的には疲れないのだが、何が出てくるか分からない緊張感から神経的に疲れていた。


滝の下には水が溜まっており、僕は近づいて溜まっている水を眺める。


「綺麗な水だな」


森の中は枝が太陽を遮っていたので薄暗かったが、ここでは太陽の光が眩しく体も暖かくなってくる。


「それにしても暑いな」


こんなに汗をかくのは、何時ぶりだろう?


ゴクン


この川の水が美味そうに見える


「飲んでみようかな?」


辺りに人影は見当たらないので、飲める水なのか確認できない


水辺まで足を運ぶ


両手を差し出して水を掬う


「冷たい」


水に口をつけようとした瞬間


(飲むな!)


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