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詩イ殺ス。  作者: 八田硝子
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25/28

★★

【傷だらけ】





痛くてしかたないのに

私はまた傷を増やしてる

私はまた傷だらけになる



もはや私は

ここにいる

それだけで

傷だらけになれる



弱くて弱くて



その弱さに

また傷ついてる








【許可をください】





死ねと言ってください

許可さえいただければ

私はいつだって



死ねと言い放ってください

すべてはあなたの指示だと

押し付けられるから



死ねと命令してください

それは何よりの

最高にうれしい言葉



死ねと命令してください



了解しました

では

ごきげんよう








【終の住処】





ここは

死を待つ所



明るく

健やかに

生きるように

言われるけれど



ここは

死を待つ所



誤魔化すよう

忘れるよう

生きるけれど


老いは病は

無情に背中に触れる





ここは死を待つ所

静かに

寂しい所







【泣きたくなるほど君は優しくて】





きっと

生きていくより

痛くはないから








殺してあげる

ね







【深い水底からため息一つ】





あたし

深海魚



吐き気がするほど

醜いでしょう



暗闇が

よく似合うでしょう



あたし

は

深海魚



陸に生きるのに

向いてない








【ぷつり】





ああまた

糸を切られてしまった


強い糸にできなかった

私が悪い


魅力のない人間


いつもいつも

切られてばかりで


なら端から期待しなきゃいいのに




愚かだね

どうにも

だから

いつまでたっても


独り







【私終了】





もうやめたい





なにを?





ぜんぶ







【狂々(クルクル)】





どんどん頭がおかしくなる

耐えきれない苦痛

頭の中に響く「死ね」

止まらない震えと吐き気

目眩で世界は揺れ続ける




それでも

「生きろ」だなんて

きっとあなたも

頭がおかしいんだね








【僕は病】





病みたいに

君を冒したい


初めは気付きは

しないのさ


ゆっくりと

内部に入り込む


おかしいと

感じた時には

もう手遅れ


すでに

手の施しようも

ないほどに


君の中は

僕でいっぱい


酷い熱と痛みで

眠ることも

できないくらい


君を冒す

病になりたい







【易弊性の体が喚く】





疲れた

疲れた

疲れた

よ



生きてるだけで

疲れるよ



休みをください

終わりない

永遠の

休みを







【アトラス】





冷たくなった

爪先が

限界を叫んで

震えだす



あたしはあたしの

大事な世界を

背負い込んだまま


立っていることすら辛くて

このまま

気を失えたら

どんなに楽かと

鈍る頭で

考え続けている


いつかあたしは

この世界もろとも

崩れていくのだろう


大切なものすら

守ることができずに




崩壊が始まる

音が聞こえた








【キタキタキタキタ】





マンセー

マンセー

マンセー

マンセー

マンセー

マンセー

慢性

睡眠不足

マンセー!



眠れなくって

今日も

おかしなテンション


将軍様も

狂った笑いで

お喜び

マンセー!







【エイリアンは憂鬱】





小さなころから

どうにも

おかしいような

気がしていたけど


やはりどうやら

私は

異星人らしく



どうりで人に

言葉が通じない


この星の生活に

馴染めない



だけど

帰り方が

わからないから


帰るべき星が

わからないから



夜空見上げて

ただただ

ため息をつくしかない








【だから何】





生きたくても

生きれない人が

いるんだよ



はあ



ここには

死にたくても

死ねない私がいますが

それがどうしました?



どちらの気持ちも

知らないくせに

わかったような

口をきかないで








【真っ直ぐなもの】





狂気というと

歪んだものととられがちだが

そうではない




本当の

深い深い狂気ほど

純粋で

真っ直ぐなものはない




真っ直ぐに

愛しています







【僕らの上に、雨は降る】





やあ

こんなどしゃ降りの中

ずぶ濡れ同士で

会うとはね


傷を舐めあうのは

不本意だから止めようか


お互い

ずぶ濡れなのを

笑おうか


こんな雨の中なら

どんな泣き笑いだって

気付かれやしないから


運が悪いねって笑おうか


なんで僕らばかりって笑おうか



泣きながら

笑おうか







【ストレスの食卓】





食卓には

盛り沢山の

ストレスの山


皿一杯のそれを

噛まずに飲み込む


飲み込めないよ

なんて言える口は

持ってなくて


はち切れそうなお腹に

まだまだストレスを

詰め込んでる



はち切れて

全部ぶちまけられたら

どんなに楽かと思うけど



そんなこと

できるはずもなく

またストレス飲み込んでる



ストレスは

のどにひっかかって

いつだって

吐きそうだ







【私の場所】





居場所がないのなら

自分で作ってしまおう


この真っ暗な砂漠に

「私の地」と

大きく書いて



居心地が悪いなら

自分で変えてしまおう


独りぼっちの何もない部屋に

きらきら輝く嘆きの歌を飾って



寂しさで満たされて

息もできなくても

誰にも邪魔されない

ここが私の場所

私だけの場所







【堂々巡りはやめにしよう】





君たち生きたい人間に

死にたい気持ちが

わからないように


僕たち死にたい人間に

生きたい気持ちはわからない


話し合っても無駄さ

もうよそう

理解されない悲しさが

ただただつのるだけ








【堂々巡りをまだ続けるのか】





死にたい人間に

生きろと言うのは


生きたい人間に

死ねというのと

大差無い



では死にたい人間には

死ねといえばいいのか



死にたい気持ちを

理解もしない者が

そう言うのは


例えばけして治らぬ病の淵で

それでも生きたいと言う人に

何も知らない人間が

生きろというようなもので


「私だって

できるならそうしたい

それができないから

苦しんでいるんじゃないか」


そう思われるだけの

実に愚かな発言




そんなこともわからない

馬鹿が多すぎて困る



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