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【攻撃は最大の防御】
精一杯
拳振り上げて
めった打ち
ココロ折れてるの
知られぬように
【皆死ね】
例えば今
「皆死んでしまえ」
と願ったとして
今後医学や科学が
よっぽど発達でもしない限り
その願いは
120年後頃には
確実に叶っているわけだ
つまり
たいした願いじゃないってことだ
皆死んじゃえー
【この世の不幸】
問、この世の不幸とは何か?
解、「名を呼べど届かず」
名を呼べど
なお名を呼べど
届かず
【大丈夫】
ああ うん
またできなかったんだ
あ 大丈夫だよ
怒ったりしないよ
笑ってるでしょう?
怒ってないよ
怒ったり
叱ったり
ケンカしたり
してあげるほど
私はあなたを
友達だと思ってないから
うん 全然怒ってないよ
大丈夫だよ
大丈夫
【鏡地獄】
街の中
学校の中
会社の中
家庭の中
腹立たしく
思う奴の顔立ちは
俺と同じ顔
腹が立つのは
自分とよく似ているから
似ているのに俺が
できないことをするから
ほらテレビの向こうの犯罪者
なんて奴だと思うけど
俺がしたいのはアレじゃないか?
それは嫉妬じゃないのか?
奴の顔は
俺の顔じゃないのか?
なんだこれは
俺の顔ばかり
ここはミラーハウスか?
なんて鏡地獄
【ふたり】
大暴れして
すべて壊したい私と
それを必死で引き止める
私がいる
こいつ殺せば
暴れられるかな
【人でなし】
「この 人でなし!」
うん よくわかったね
僕は人なんかでなく
神なんだってこと
【仮面道化】
幾つもの仮面を
巧みに付け替える
道化がやってきたよ
見事な技さ
あちらにはあちらの顔
こちらにはこちらの顔
しかし道化は
仮面を替えるのに
忙しくって
本当の顔
置き忘れて
行ってしまった
いや
捨てていったのかな?
本当の顔は
ひどく醜いんだ
【どうしろと】
知っているよ
言われなくたって
私の頭が
おかしいってことは
知ってても
どうしようもないものは
どうしようもないし
そんなふうに
蔑まれたって
笑われたって
説教されたって
どうすりゃいいっていうのさ
【狂気孕ませ】
ふざけないで
いたって真面目なんだが
そんな言い分通じると想っているの
それはお互い様
おまえだって自分の言い分が通じると想っているから意見を言うのだろう
あなたはおかしい
精神鑑定なんて頼んじゃいないぜ
気分が悪いわ
そりゃきっと孕んだんだ
おまえの脳を犯したからな
何 すぐに気持ち良くなる
その頭で蠢いてるのは
俺の子だからな
【同じだよ 同じなんだよ】
そんなふうに
影からでしか
攻撃できないのなら
君も私と同じで
陰欝で
脆弱で
卑俗で
矮小な
生き物なのだろう
理解はする
同情はしない
【どうしていつも堕ちろと願うの】
この世界から
こぼれ落ちそうで
それでもまだ
ここにいたいと
しがみつく手を
引き剥がそうとするのは
いつもあなたでした
どうして
どうしてなの
どうしてなんですか
ねぇ
ママ
【残酷な空】
分厚いカーテンの向こう
開かない窓の外
鉄格子の隙間の遥か遠く
今日も空は
残酷に美しい
私がそこに
出られぬと知っていて
だから
あんなに
美しい
【咳をしても(尾崎放哉に和して)】
ここにいてもひとり
どこにいてもひとり
【雨雲一つ】
雨雲が一つ欲しいんだ
何 小さくてかまわない
俺一人濡らせればそれでいい
頭冷やしたい時
そっと降り注いでくれ
ぐしゃぐしゃに泣きたい時
ずぶ濡れにさせてくれ
何もかも嫌になった時
すべての水を叩きつけて
俺を溺れ死なせてくれ
雨雲が一つ欲しいんだ
【痛み/憧れ】
あの人は
この痛みと同じものを
私の
何千、何万倍も
味わった
たくさんたくさん
言葉で切り付けられて
なのにあの人は
あんな美しい世界を描いた
私にあの人みたいに
なれるだろうか
切り付けられた傷を
自分のせいだと広げて
未だ血に塗れている私に
あの人みたいに
あんなふうに
笑えるだろうか
私らしい世界を
描けるだろうか
【磔〜ハリツケ〜】
見せしめに
はりつけの刑の
その蝶の
せなに背負いし
罪やいかほど
【弱虫侍】
目の前に居る奴ぁ
みな斬り付けろ
邪魔だ邪魔だと
斬り掛かれ
弱ぇから
お前は
弱ぇから
そうでもしなきゃ
居場所がねぇ
俺に触れるな
ぶち殺すと
刀振り回せ
斬り殺せ
弱ぇから
お前は
弱ぇから
そうでもしなきゃ
立っていられねぇ
弱ぇから!
どうしようもなく
弱ぇから!
【生きるぞ】
居なくなったら
どんなにいいかと
思っているのでしょう
死んでしまえばいいと
生きてるだけで迷惑と
そう思っているのでしょう
生きてやる
生き残ってやる
生きるのは苦しいけれど
お前をもっと苦しめるため
生きてやる
【ずぶ濡れの愛】
暗い空から
降り注ぐ
無数の口付け
愛して
あたしを
愛して
肌を伝う
その舌先
神様の愛撫は
とても冷たい
知っていたけど
知らなかった
愛して
あたしを
愛して
そうしてあたしの
熱をうばって
最後には
殺してくれるの?
神様
愛して
あたしを
その愛に
あたしは
濡れて
濡れて
濡れて