危機的状況
「あー、よく寝た」
なんということでしょう。昨日は眠れませんでした。はい。よく寝たって言っただけです。だって寝れるかよ！可愛い女の娘と二人きりになるんだぜ。緊張するわ！
今寝れるやつはあれだ。......うん、あれだ。あれなんだよぉぉぉお。取り敢えず顔洗いに行こう。
ガチャ。おお、なんということでしょう。雪も同じタイミングでドアを開けたようだ。パジャマだ！雪のパジャマ姿だ！
....いつもより身体のラインがハッキリとしてるな。....ダメだダメだ、そんなこと考えたら。雪に失礼だ。そうだ、俺は紳士だ。紳士らしく振る舞わねば。
「おはよう雪。」
「お、おはよう」
「どこ行くの？」
「俺は顔を洗いに。雪は？」
「私も。....一緒にいく？」
「うん。」
「............」
「............」
あれだ、とても気まずい。危機的状況だ。誰か、援軍を。誰かー
「晴斗、昨日寝れた？酷い顔してるよ？」
「ううん、あんまり寝れなかった。」
「........なんで？」
「えーと、緊張して？」
「なんで緊張したの?」
「えーと、今日から二人きりだから？」
「そ、そうなんだ」
「雪は昨日寝れた？」
「うん。寝れたよ」
「................」
「................」
話が止まってしまった！ここは俺が話しかけなければ！てかマジで身体のラインがハッキリしてるな。パジャマ、万歳。........じゃなくて、取り敢えずなんか言おう。
「ねえねえ、雪のスリーサイズ教えて」
「ふぇ？」
しまった！つい本音が！これじゃヤバイ奴じゃねえか！完全に変態じゃねえか！あと「ふぇ？」ってなんだよ！可愛いなあ！
「教えてほしい？」
顔真っ赤にしながら言うんじゃねえ！可愛いなおい。
「えーと、そうじゃなくて」
「.......そうだよね。私のスリーサイズなんて興味ないよね。」
なんで悲しげなの？興味津々って言った方がいいのか？
「いや、あの、興味はあるけど、なんか雪に失礼かなーって」
「ううん、全然いいよ。何でも聞いて！」
なん.......だと！？何でも聞いていいだと！？素直に嬉しい。うん。
「あ、でも、あんまりえっちなのはダメだからね」
「うん。わかった。」
全然わかってねえよ！どれぐらいならいいんだ？どれぐらいまでならいいんだぁぁぁぁ。誰か教えてくれぇぇぇ！
「取り敢えず顔洗おう？」
「うん、そうしよう」
