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第3章 第34話 【付与をする】

 付与魔法が難しいのは、その素材の特性と魔法を解け合わせないといけないからだ。前の即席防具は魔力反応型で、魔力量があれば、ある程度自分の融通を利かせれる仕様になっていた。しかし今回は魔力親和性が僕のも、オリビアの防具もいいタイプ。是非とも素材そのものの魔力で常時発動型の付与を施したい。そのためには素材の特性、馴染み方をわからなければならない。

 手蓋はもともと父様からもらった龍のグローブがあるから何もしない。こう思うと龍の素材は異常だ。龍そのものの素材は常に何かしらの魔法が常時働いている。それは硬化であったり、身体強化であったりなどだ。恐らく、龍自体がその状態なのだろう。そしてその状態が素材としてもずっと継続しているのだ。このグローブを加工した職人がすごいのかもしれないが、素材もそれからするとえぐい品物だ。なぜならこれは素材の特性そのものと言えるので、別にそこに自分の魔法を組み立てようが組み立てまいが、その素材の元の特性には影響はしないからだ。だから付与なんかいらずとも付与後みたいな効果を物自体が発揮している。そういうわけで、このグローブは防具としてではなく、魔力補助の媒体として使用できる、というわけになるわけだ。故に、僕はこのおかげで媒体として使用でき、ひとつの魔法で魔法が2重に発動したような、効果の恩恵を受けることができている。

 なので今回の手蓋も付与の魔法はいらない。どうせ接近戦なら、そもそも”硬化”と”切れ味増強”などの付与を施すので、龍のグローブで相乗、そして手蓋の親和性で過剰を乗せられると想定できて余計な防具としての付与はいらないことになる。ま、手蓋も魔法発現相乗の媒体として使うってわけだね。用途が違うために手蓋に付与はいらない。

 しかしローブは違う。こいつは防具としての役割だ。ふひひ、どんな魔改造をしてやろうか。


 まずはこのローブの特性を見ていこうか。とりあえず、ふむ、まあなんというか、黒一色であり尚且つ、光加減で捕食にところどころ反射する感じは本当にかっこいい。現場ではもしかしたら目立つかもしれないけど、これはそんな有用性の話ではなく、ロマンの話だ。これを作った職人はロマンを知っているッ。と、違う違う。見た目に惚れ直すのはオリビアだけにしておこう。特性だったよね、どれどれ。


 ••••これは、なっるほどなあ。


 ネームドのバジリスクって言ってたな。まず、魔力親和性は見事に高い。普通に売ってる高級な素材よりも遥かにレベルが高い。それだけに普通の素材からは想像もつかないくらい、魔力も帯びている。龍ほどではないが、一級品として明らかに一線を画している。これ売ったらなんぼくらいになるんだろうか。いや、邪な心はよそう。素直な心、素直な心。それで、強力な毒をもつというバジリスク、どうやら毒を通さないような作りにもなっている。しかもこれ、その関連性なのか他の粉塵を通さない防塵仕様にもなっているな•••。すご、口元が隠せれるようになってるから、予想してなのかわからないが、これだけでマスクの役目も担っている。

 

 うんうん、やばい品物だ!

 おいおいテンションあがっちゃうよ〜。これ〜。だってこのローブ単品で空気汚染地域に全然いけちゃうってことだよね。革命だよ〜。


 ハスハスしながら魔力を通してみる。魔力を通してみると、もちろん魔力親和性が高いので抵抗なく通るのだが、もともとの素材の魔力と少し別の抵抗みたいなのが加わる時がある。それを利用して、僕は素材の魔力特性をなんとなしに読み解いている。まあこれは完全に独学だけどね。なんかもっと効率いい方法ないかなと、考えているが、なんとなくできているのでこのまま続行している次第だ。

 ふむふむ。魔力のムラを探索していく。

 どこが1番魔力が多いのか、そこを見つけて、その部分に付与の魔法陣を内部転写することによって、素材そのものもの魔力を利用した常時発現型の付与魔法ができあがるのだ。ただ魔法陣の転写は僕の魔力、そして供給は素材自体の魔力なのでもちろん比率や導率を正しく設定しなければ反発して付与魔法は発現しない。それが、素材の特性と魔法を解け合わせ、というやつだ。

 常時発現型になるとすぐに素材の魔力がなくなって効果が発現しなくなるのではないか、と思ったこともあるが、素材が良ければそうはならないことがほとんどだ。どう言うことか、素材の魔力も回復するからなのだ。もちろんその回復の比率は100%ではないからいつかは素材としての寿命が来る。でもその寿命は、常時発現型にしても、だいたい普通の防具くらいは持つ感覚だ。まあそれも、加工してくれる人の腕によるところもあるけど。


 よし、まずは僕の魔力とこの素材の魔力の反発の落とし所からだな。これが長いんだよなー。まあだからこそ、完成した時の達成感も半端ないってやつだ!やるぞおおおおお。



「で、できなかった」


 寝ずに試してみたが、落とし所が全然わからなかった。この素材、比率が難しすぎる。繊細にしても、少しの差で魔法陣の転写が安定しないのだ。それだけ、この素材の魔力の純度が高いと言うこと•••。確かに、僕今までこんな高純度の素材を扱ったことがない。言わば、僕が今まで付与してきた素材は、主張の激しい魔力ではなかったということだったのだろうか。

 僕の装備だけでこの有様。しかも、オリビアの装備はローブだけではない。ふへ、ふへへ•••、こりゃ腕がなりますぜ。


 僕は素材によっても左右される付与魔法の奥深さを感じつつ、軽く付与魔法ハイになりながら、果てのない道のりを想像する。あー、頭がパンクして脳から汁が出てるような感覚だよ。これが生きてるってことなのかな。


 学校に行くと、オリビアとアディに目がキマッてるけど大丈夫?とちょっと距離を取られて心配された。

 

 ふっふっふ。まだまだ、これからさ。

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