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第3章 第23話

 そこからは残った魔物たちを倒し、難なく終わりに向かうことができた。オリビアが駆け巡りほとんどの魔物に有効打を入れたんじゃないかな?オリビア無双状態だったね。

 

 ふう、終わればただの苦労の思い出になるけど、でも、ハンゾウがいなければどれだけ被害がでるかわからなかった。


「他のアンオブタナイトランクのやつも暇じゃないし、一筋縄でいかないやつもいる。それぞれ重要な依頼を背負っているか、そもそも何も聞き入れない自由気ままにしてるやつもいる。今回はお前がいてよかったよ。俺1人じゃどうなるかわからなかった」


 ハンゾウも同じことを思っているようだ。


「それはこちらのセリフだ。俺の魔法でこの一帯をぶっ飛ばしてもよかったが、魔物は倒せたが生存者もいませんでしたじゃ示しがつかないからな」


「ハッ、やっぱりお前面白いな。1つ聞きたいんだが、お前は俺たちの味方なんだよな?」


 ハンゾウから圧は無い。けど、信用は半分半分、警戒しているといった感じだ。


「俺は誰の味方でも無い。ただ、目の前でもう誰も失いたくないだけだ」


 僕は、みんなのために頑張りたいだけだ。特定の誰かじゃ無い。


「喰えねえやつだな。だが気をつけろよ。こんな誰も見たことのねえ大規模の魔法を使ったら変に勘繰られてもおかしく無い。俺はお前のことを気に入ったし、()()ではないと思っているが、ここはレガテリアが近い。レガテリアが何と戦っているか考えたらめんどくさいことになりかねん。まあ、冒険者は素性を問われないからな。敵意さえなければ大丈夫だとは思うが、一応アドバイスだ。また機会があればまた一緒に働こうぜ」


 じゃあ俺はこれから他のところに行かねえといけねえから、と去っていってしまった。

 ハンゾウの忠告•••20重魔法陣の同時発現は流石にやりすぎだっただろうか?でも正直あんくらいしないと対応は無理だったぞ?えー、マークされるのかなあ•••まあマークされてもちゃんとマドワキアのために動けば大丈夫だろう。信頼関係は築き上げるのは常に時間がかかるというやつだ。壊れるのも一瞬なんだけどね。


 あ!あのハンゾウが宙に浮くやつ知りたかったのに聞くの忘れてた!たぶんあの親指と人差し指が分かれてる不思議な靴が魔道具だと思うんだけど。また今度会った時聞いてみようかな。


 何はともあれ、事態は落ち着いたしオリビアの元へ、だ。


 歩いていくと剣についた汚れを1薙振って落とすオリビアを見つけた。


「お疲れオリビエ。無双状態だったね」


「そっちこそ!すごい魔法だったよ!」


 オリビアはそれほど息を切らしている様子もなく、ほとんど疲れていない。あの量を捌ききって尚且つ体力もちゃんと温存できているのは、僕たちはちゃんと強くなってる証拠なのかな。


「さあ、帰ろうか」


 今が夕方だから都市マドワキアに着くのは冒険者ギルド専用の道を通っても夜がかなり深くなった時になるだろう。明日の学校、間に合うね。



 都市マドワキアに着いたのは結局日を超えた時だった。

 その間馬車の中は凄かったな。キャビンの中はぎゅうぎゅう詰めだったのにお祭り騒ぎだった。誰かがお酒を持ってきててもうそれはどんぱっち騒ぎだった。

 僕たちもみんなから絶賛されたけど仮面は外せないし、お酒も飲めないしなんだかぶっきらぼうな対応になっちゃったけど向こうはミステリアスな冒険者としていいように解釈してくれたみたいだ。お酒の力ってすごい。

 でも、なんだかわかるな。都市が壊滅しかけていたかもしれない、家族が危なかったかもしれない、みんなが死んでたかもしれない状況からの帰還、それは確かにタガも外れるってもんだ。こうやって馬鹿騒ぎできるのは生き延びてるからなんだ。

 そうやってお祭り状態がずっと続いたために帰るまではそんなに時間がかかったという感覚はなかった。


「「「皆さんお疲れ様でした」」」


 冒険者ギルドの前には日を越えたというのに職員が出迎えていた。


「本当にありがとう。よく守ってくれた。今日はもう遅い、お礼はまた明日するので参加した冒険者は依頼の参加証をもって来てくれ。参加証は今配るから持って帰るように。改めて、本当にありがとう」


 冒険者ギルド長らしき人が前に出てきて感謝と労いの言葉をくれた。


「お礼をくれるって!何くれるんだろう?」


「なんだろうな。お金だといいな」


 もう、がめついぞ、とオリビアに注意される。


 僕はオリビアの言葉でハッ!となる。


 ギルド長が出てきた時、僕は心の中でギルド長の讃辞の言葉なんていらないからお金をくれと呟いていた。いかんいかん!金銭で貧しくなっても心が貧しくなってはダメだ!

  

 壮絶な依頼でどうやら疲れていたのかもしれない。反省反省。


 それから、僕たちは帰る際に参加証をもらい、検問を通り、秘密の稽古場まで一旦行き着替えてから寮へと戻った。


 寮は別に門限はないけど遅くなるなら一言ないといけないために、伝え忘れていたことを寮の管理人さんに注意されてしまった。なんだか寮を抜けて悪いことをしている非行少年みたいでなんだかわくわくしてしまった。


 でも、スタンピードは凄かったな。正直絶望一歩手前だった。ハンゾウが来なければ被害は免れなかっただろう。魔法にはどうしてもラグがある。しかも大規模魔法陣をするなら尚更そのラグはでかい。あれだけの量を捌こうとすると30分以上はかかる。その間に大半は移動して魔法を発現しても抑えれる数は限られてくる。ならそこからはジリ貧でレガテリア王国付近の領域に入るのも時間の問題だっただろう。

 

 そしてそういう時こそ、暗躍が行われる。

 

 だからハンゾウ以外のアンオブタナイトランクはこれなかったし、それ以外の実力者も間に合わなかったのだろう。たぶん。アーサー殿下のお家も大変だろうな。


 まあ何はともあれ、生きてるってことが重要だ。みんなが笑顔で戻れたことが素直に嬉しい。後は明日にギルドから報酬を受け取ってオリビアと打ち上げだな。ふっふっふっ。

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