第3章 第7話
「冒険者?」
「そう、冒険者。魔物とか、まだ見ぬ未開拓地へ調査のために足を踏み込んだりする職業だよ!」
冒険者はその内容故に実力が伴われる。僕とオリビアはヴァルヴィデア流剣術の免許皆伝以上、さらに言えば王国騎士団と互角に渡り合えてたし、普通より強いはずだ。並大抵のことでは遅れはとるまい。それでお金も稼げるならこれほどいい職業はないだろう。
「冒険者は実力のみの世界だ。自分の力が試せるし、何よりも自分の力でみんなの役に立てるってのがいい。地位も名誉もない今の僕たちにとってぴったり•••」
あれ、ちょっと待って。自分の力でみんなの役に立てる?
「どうしたの、ウィル?」
「いや、ちょっとなんかひっかかって•••」
なにかこう、点と点が繋がりそうな感覚というか•••
「んー?まあ、確かにウィルの言うようにその冒険者っていうのは今のわたしたちにぴったりだと思うね。わたしはそれでお金を稼げて尚且つ自分の力もレベルアップにつながるならそれでいいと思うよ。後はウィルの気持ち次第だね」
僕の気持ち•••。そうだ、そうだよ僕。僕は何のために力をつけたんだ?それはみんなの役に立つためだ。自分の力はみんなの役に立つためにつけたんだろ。じゃあアーサー殿下の騎士の件は?このままではこの国は悪い方に行くかもしれない。それを良くしたい。その気持ちは願いは、みんなのためじゃないのか?じゃあ僕はそのために自分の力を、使うべきじゃないのか?
僕よ、騎士になる話は問答無用でイエスだろ。
「ウィル?」
「いや、オリビアありがとう。本当にありがとう!そうだね、オリビアがそう言ってくれるなら冒険者をしてお金を稼いでみよう。あと、アーサー殿下に話をするよ。騎士の話。僕、受けることにしたんだ」
「え?うん、なんか解決してよかった?よ。冒険者についてまた段取り決めよー」
「もちろん!本当にありがとう!」
オリビアは突如として感謝する僕に不審な目をしつつも、ありのままを受け入れてくれる。はぁ、オリビアといるとすごい落ち着くなあ。
それから、僕とオリビアは少し学校のことについて世間話をして帰る準備をした。帰る時にはまた街並みを楽しみながら寮に帰宅した。
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寮に帰ってきた僕。さて、時刻は夕暮れ時、夕飯までに少し時間がある。まずは父様と母様にお手紙でも書こうかな。
入学初日から色々あったなー。最初に一緒になったアディは無駄をこよなく愛する変なやつだし、サムエルとかってやつには粛清されそうになるし、アーサー殿下からは騎士のお願いが来るし。濃い一日だった。でも1番は、シャーリー姉様に会えたことだ。元気そうでなによりだった。ただ、ちょっと色々我慢なされているのかな。あの利発なお顔に少し疲れというか、曇りが視えた。ストレスは溜め込まないで欲しいな。うん、本当に濃い1日だった。ありのまま起こったこととその時のありのままの気持ちを手紙に乗せよう。あとは相談しようと思ってた騎士の件については、承諾しますと報告しよう。僕の決意表明みたいなものだ。
僕は手紙を書いた。なんだか色んなことが起きて色んな気持ちを書き起こしていたらまあまあな長文になってしまった。筆が乗ってしまったというやつだ。よーし、そろそろ寮のご飯の時間だしついでに管理人に手紙を渡そう。ここの寮は管理人に贈り物を出すと届けてくれるのだ。素晴らしい福利厚生だ。
さあご飯ご飯。アディとご飯を食べようと思ったけどアディはいないらしく、1人で寮の食堂でご飯を食べた。
なんだか周りの目がやばいやつを見るような目をしてたけど、僕、犯罪者じゃないよ?もしかして魔力酔いで決闘を無理やり放棄したのが噂になってるのかな?いや、あれ正当防衛なんだけど•••。なんとも居た堪れない気持ちでご飯を食べ、自室のシャワーを浴び、1人悲しく就寝するのであった。
アディ、次はご飯一緒に食べてくれ。




