第二章 二十二話
「そうね、まずエルフは絶世の美男美女と言われるわ。派手っていうのはそういうことね。質素っていうのは静観的で内向的って最初に言った通りで、どういうことかっていうとエルフは自然を愛するが故に人工物をあまり好まないの。私たちの文化とは正反対な感じでしょ?だからこっちとはちょっと合わないことがあるから自分のところが1番なの。自分の村からでないし国からでないエルフがほとんど。それは自分のところが1番自然的で調和に満ち溢れているようにしてるからね。鎖国してるようなもので外にいるエルフは外交的な仕事とか、または変わり者ってところかしら。ちなみにエルフの国はそう言う意味でも誰もまだ突き止めれてないって言われてるわ」
確かに、ヴァルヴィデアのエルフも外交できてた気がする。
「絶世の美男美女というのはそうやって自分たちだけで子孫を増やしていき美形だけが残ったのでしょうかね?」
僕はただの疑問を投げつけてみる。
「あらウィル、面白いこと言うわね。そう言う説も唱えてる人がいたから案外そうかもしれないわね」
「へえー、エルフはイケメンイケジョ大国なんだね。なんかドワーフの話はごつごつ男手!って感じだったけど、エルフは爽やかな感じだね」
「ふふ、オリビアの感じていることもだいたい正しいわよ。本当に感性豊かな2人ね。オリビアがいう通り、自然を愛するエルフと鉱山で開発するドワーフは反発しあってるわ。それもとんでもなくね。もちろんみんながみんなってわけじゃないし、昔みたいに戦争の手前みたいな感じでもないけど、やっぱりどちらの種族もお互いを許さない派閥はまだあるって感じかしら」
「そうなの!?」
ヴァルヴィデアでもこの種族は仲が悪かったなあ。いっつも喧嘩してたし、ドワーフはエルフのことを引きこもりの傲慢チキ野郎って言ってたけ。エルフはそれに対してじめじめ大好きナメクジ野郎っていってたしなんか本当は気が合うんじゃないかって思う。喧嘩するほど仲が良いというやつだ。でも昔は戦争みたいになっての?仲悪すぎのレベル超えてない?
「まあ、亜人種についてそんな感じかしら。他にももちろんいろんな種族がいるけど街でみたりする主な種族はそんなところね。その他の種族に対しては2人が外の世界をみる様になってから実際に目にして感じなさい。それが1番偏見もなく自分の気持ちに素直になれるはずよ」
にこっと笑う母様。眩しい!
「で、ここからが本題で魔術とも関わってくるところなんだけど、私たち人間種、今まで説明してた亜人種は魔法が見つかる前からいたわ。じゃあ魔族とか魔物って何?って疑問に思うよね」
「思う!今までウィルのお母さんが話してくれてた人たちは生まれてきた理由っていうか、こここまで発展してきた歴史があるけど、魔族とか魔物ってどうやって生まれてきたの?魔法が発見されてから現れた人たちなの?」
そうなのだ。オリビアがいうように魔族とか魔物というものは魔力ありきの生物だ。じゃあ魔法や魔力が見つかった後に生まれてきた魔物や魔族のルーツはいったいなんなのだろうか。
「そう!オリビアの疑問がまさにそれ!魔族や魔物の初まりっていったい?ってことね。まあ結論言ってしまえば、魔族や魔物は魔力暴走してしまった人や動物たちの適応した結果なの」
「魔力暴走?」
「魔力暴走っていうのはね、まず魔力も成長期みたいなものがあって、すごい魔力量がぐんぐん膨大に増える時期があるのね。人それぞれなんだけど、だいたい9歳から14歳くらいのどこかで来るって言われてるわ。これは平均的で、まあ中には20歳超えてからぐんってくる人もいるっていうからそこら辺が基準みたいなのもね。この魔力量が増える成長期を普通に魔力成長期と言ったり開花期と言ったりするわ。私は開花って言葉が好きだから魔力開花期って呼ぶのが好きかしら」
母様はロマンティックで希望がある方をいつも見ている。僕はそんな母様も大好きだ。僕もそんな前向きな人になりたいといつも心に刻んでいる。あの落ち込んでいたときに上を向いて1歩踏み出すことができたのは母様のおかげでもある。だからあの時踏み込めた1歩を忘れずに母様のように前向きで生きて、そんな大人になりたい。
あれ?自分で大人って言っておきながらふと思ったけど、魔力開花期が9歳から14歳ってことは成人の17歳はそれに合わせてるのかな?
「母様、話は横道にそれますが成人になる17歳はその魔力開花期にもなんか関連があるんですか?」
「おお、ウィル!やっぱりあなたよく気付くわねえ。そうよ、この国の成人の年齢は魔力開花期を基準に考えられてるの。だから開花期が終わってからの17歳に設定されてるわ。ウィルはやっぱりいろんなことに気づくわねえ、将来は一体どんな人になっちゃうのかしら、楽しみだわ」
「あ、ウィルずるい!ウィルのお母さんに褒められて!わたしも褒めてー!」
「ふふふ、オリビアは今でこんな可愛いんだから将来はきっとものすごい美人になるわよ。そして文武両道なんだからとんでもないどんな人間にでもなれると思うの。だからもちろん、オリビアの将来もすごい楽しみよ?」
「えー、ウィルのお母さんそれは言い過ぎだよー!へへへ」
オリビア大満足である。母様は褒めるのが上手だなあ。ちなみに僕も大満足です。ふぅ。
「ちょっと横道逸れちゃったけど、普通ぐんぐん魔力が爆発的に成長しても身体もその成長に見合う様に適応していくから身体的にはそこまで影響はないの。でも時として魔力だけが暴発的に膨れ上がることがある。そのとき人は収まりきらない魔力に身体も精神も耐えきれずに崩壊するわ。それが魔力暴走。魔力酔いっていうのがあるでしょ?魔力場の振れ幅が極端に上下して身体がついていけずに立ちくらみ見たいな症状が起きることがあるんだけど、それが体内でそのまま起こるって感じかしら」
「むむむ•••ちょっと難しいよお」
オリビアは”魔法・魔力”という実態のないものを言葉で説明されてパンク気味である。大丈夫、オリビア。魔法はそこを抜けたら沼に入れるから。魔法の沼はいいぞお〜。
「ごめんごめん。ちょっと急に詰め込みすぎたわね。簡単にいうとそうね、魔力酔いは爆風が来て身動きが取れないって感じだけど、魔力暴走は身体の中から爆発するって感じかしら?」
母様、言い得て妙である!




