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第二章 第十五話

「方向量とはですね、ある本に方向に対してどれだけ力が掛かっているか、と言うことを表すことと書かれていました。風の基本は物を動かすこと。これを細分化すると風はある物体に対して持続的または瞬発的にある方向に対して力をかけていることがわかりました」


「つまり、あの熊が身動きがとれなかったのは常に熊に対して全方位から力がかかっていたと言うことか?」


「父様、その通りでございます」


「自分で言うのもなんだがそんなの可能なのか?熊は生物だからもちろん不規則に動く。そんな繊細に魔法は発現されるのか?」


 さすが父様第二弾。そう、対称性の方向量として考えるなら対象の物体の動く方向の逆側に常に魔法をかけなければならい。でもそれは動きに合わせて打ち消すなら、だ。


「父様、それは簡単です。対象が動けないくらいの方向量で押さえつければいいのです」


「なるほど。ウィルだからできる荒技だな、、、。ウィルの魔力量ならではだ。大量の魔力を使うわけではなく、持続的に魔力をかけていたから周囲が魔力酔いを起こすとかでなく、そんなに魔力量が必要なさそうに見えたのか。しかし実際は常に圧倒的な魔力を供給し続けていた、と。ただ、匙加減が難しそうだな」


 そう、結局これは力技。相手の力が僕が想定するよりも強ければ拘束力は働かない。そして父様の言うようにこれは行動制限の範囲が限られる。じゃあ最大の魔力でぶっ放せば全部止めれるじゃんと考えたが魔法陣の発現する領域、大きさがどうしてもそんなに大きくすることが出来ずにいた。そしてある一定の魔力量を注ぎ込むと魔法陣自体の容量を超えて発現しなくなる。だから今回の熊の狩りでどの程度までなら拘束できるのかということを試したかったのだ。これくらいの熊でびくともしないなら充分だ。

 あの”龍”の事件以来、”固定”を軸に置いた魔法を考えてきた。あの時はめいいっぱいの土魔法を用いた鎖による拘束魔法だったが、それよりも圧倒的で利便性の良い魔法を考えた結果、とりあえず行き着いたのは風魔法による体を完全拘束する魔法だった。


「父様ありがとうございます。なんとか使い物になりそうです。集団戦や対魔物戦とかには使い勝手が良さそうです」


「そうだな。支援魔法のくくりとして考えたらそっちの面ではとくに欠点は無さそうだしな。後は接近戦で使えるように改良できれば、さらに脅威になるのは間違い無いな。どうせウィルのことだから考えているんだろ?」


 考えてはいるけど、もっとお手軽で質も落とさないようにってなると魔法陣自体の魔力量の容量に対する魔力変換効率や魔法陣の文字列に対しての干渉点上まだまだなんだよなあ。

 そんな悩みが顔に出たのか父様は、まだまだ若いんだ、楽しみにしているぞと励ましてくれた。そうだな、急がば回れとも言うしゆっくり着実にやっていこう。とりあえずは今の魔法のできを喜ぼう。


「ところで父様!熊って何気に初めてじゃないですか?」


「たしかにここでは初めてだな。熊手が珍味であると聞く!早速帰って食べるか!」


 今日は御馳走の予感!

ブックマークがあって嬉しいです。

出来るだけ1週間更新を心がけているのでこれからも頑張りますm(__)m

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