第二章 第十一話
「はッ!!」
オリビアは一気に間合いを詰めて攻撃を仕掛けてくる。
オリビアが剣を振る。
ふむ。
オリビアが剣を振る。
ふむ?
オリビアが剣を振る。
ふむ??
まず、オリビアの攻撃は基礎が徹底されておりとても美しい。真っ向切り、横一文字、袈裟斬りと次に次に次の手を出してくる。僕はそれを受け止めていく。ちなみにまだお互い身体強化の魔法はかけていない。なのに、だ。
オリビアの攻撃は速く感じる。
というか速く見える。
父様の攻撃も速いが、父様の速さとは違った速さだ。父様のは手数が多く、相手に休む暇を与えず次の一手も考えられないほどの速度も手数も常人離れした獰猛的で野生的な速さだ。オリビアはなんというか、無駄がない。基礎が徹底されていて勤勉だからこそ、予備動作に無駄がなく、そして確実に相手の嫌なところをつく繊細な速さだ。それ故に手数はまだそれほど多くないが速く感じる。最小限の動きで最大限の結果を得ている、ヴァルヴィデア流剣術の理念そのもの動きだ。すごく、良い。
でもまだまだ優等生のような攻撃だ。真っ直ぐに突っ込んできてひたすら打ってくるだけで、駆け引きも何もない。ただそれは実践経験が足りないだけだ。これは父様、めちゃくちゃ驚くんじゃないか?剣の才能の塊だ。
そして緊張が取れてきたのかオリビアの攻撃はどんどん数と質を増してくる。
「やッ!!!」
何度目かのオリビアの攻撃を僕は受け止める。うん、とてもよい。
次は僕の番。
「!?」
オリビアの木剣を弾き、そのまま上段から振り下ろす。オリビアは木剣を受けず、半身ずらして躱す。でも、オリビア、それは考えてじゃなくて反射だよね。
僕はそのまま体の流れに任せて体を捻り、横一文字でオリビアを追撃。
「ぐッ」
オリビアは受け止めるも半身ずらしたことで重心を取り戻せれてなく、僕の一撃でぐらつき、後ろに膝をつく。そのままオリビアの木剣を父様にやられたように絡め取り無力化。木剣をオリビアの首に向ける。
「くぅ、、。参りました」
「オリビア!すごいよ!まだ数ヶ月しか経ってないのにめちゃくちゃ型になってたよ!無駄がなくてすごい綺麗だった!!オリビアがひたむきに練習してたことが現れてたよ」
オリビアはポカンとした顔する。オリビアはわたし負けたのに何がすごいんじゃいとガン見してくる。
「でも、わたし負けた。ウィル全然本気じゃなかったじゃん。すごく、悔しい、、、」
「オリビア、誰もが最初は初心者だ。オリビアは才能の塊だよ。このまま実践を積んでいけばオリビアはすぐに皆伝になる。大丈夫!父様は戦いのプロだから!僕はオリビアに会えてよかったよ。オリビアとならどこまでも強くなれそうだ。だからオリビア、これからもっと一緒に強くなろう!」
「ウィル、、、絶対に負けないからね!」
そう、僕も”真”に至らなければならない。最近そう思いすぎなのか、自分の動きに違和感がずっと出ている。なんというか、あと半歩動きが出ない感じなのだ。恐らくいろんなことを考えすぎてることが原因だと思うけど。だから一緒に切磋琢磨できるオリビアがいてよかった。相手の弱点をつきそれを学び昇華することができる。
「オリビア、そろそろ父様がくる。驚かせてあげようよ」




