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第二章 十話

勢いよく出てホグン村の中心地をかけて行くが、僕はあまりこちらにはこないので物珍しさがあり余所見をして行くうちに普通の歩幅となる。


「どうしたのウィル?早く行こうよっ」

 

 オリビアがその場で走るような動きをして急かしてくる。一見運動をしなさそうなお淑やかに見えるオリビアがかけっこをしながら急かしてくるのはギャップがありちょっとドキッとする。そんなオリビアを横目に中心地を見る。

 中心地と言っても村というだけあって納屋みたいな家がざっくばらんに並んでいる。店などはなくここは基本的にみんな同じく自給自足で暮らしている。父様が言った通りに村の人たちで色んなものを分け合って助け合いながら過ごしている。他には不定期に商人が馬車で荷物車を引いて来て街の物を売ることもある。


「あ、オリビア。あれって不定期にくる商人?何が売ってるんだろ?」


 商人はいろいろなものを叩き売り宣伝していた。食べ物や食器などの生活品からトランプやその他遊び道具といったなどの娯楽品、あとは家具とか火をつけたりする簡単な魔道具とかいろいろ面白そうな物を取り扱っていた。それの叩き売りに村の人が物珍しそうにだったり、普通に足りない物を買い足しに来たりと、その場は小さな賑わいを見せていた。


あの中だったら魔道具とか面白そうかなあ。他の魔法道具はなにがあるんだろう?火をつけるやつは魔法陣をもともと描いておいて魔力を持った魔法石と呼ばれるものを原動力にして火を起こしているのだろうけど、僕もいつかは何か作ってみたいな。


「ウィル、そんなもの将来街に行けばいつでも見れるよ!それよりも早く稽古しに行こうよ!」


 オリビアはぷくっと顔を膨らませる。うーん、可愛すぎ?


「ごめんごめん。ちょっと物珍しくてさ。父様が来る前にコソ練しなきゃだよね!行こ!」


 そう言って僕らはホグン村を駆け抜けた。



「ねえ、ウィル。わたしは師匠に剣術が形になって来ているからそろそろ次は打ち合いの稽古って言われてるんだけど、試しに相手になってもらってもいい?」


 オリビアの言う師匠というのは僕の父様である。

 僕たちは稽古場の更地に来て足を伸ばしたり前屈したりと準備運動をしていた。確かにここ最近、稽古のときのオリビアを見ているがヴァルヴィデア流剣術の基礎の型が目に見えてしっかりし始めていた。父様の稽古は実践向きの稽古だ。型がしっかりし始めると実際に打ち合い、柔軟に型を使い分けできるよう早いうちから実践形式を混ぜる。曰く、型の練習だけすると型と型を混ぜて使うことができず型から別の型と言った至極区切られた戦い方になり相手にも動きが読まれやすくなると言う。やはり型というのはその剣術の土台でしかないのだ。縛られすぎるのも良くない、ということである。

 そういう訳でオリビアのプチ実践だ。


「いいよ。このヴァルヴィデア流剣術免許皆伝がお相手してあげよう」


 僕は準備運動を終え、立ち上がり胸を張り腰に手をつきえっへんとする。


「ウィル嫌な顔してるよー!わたしもすぐに追いつくからね!」


 え?そんな顔してたの?


「よーーーし、わたしも準備終わり!」


 オリビアも立ち上がり僕たちは自然と木剣を持って向かい合う。

 オリビアは基本通りに諸手で構える。僕も諸手で構える。父様の稽古と同じく、そこに始めの合図はない。オリビアを俯瞰で捉えるが、オリビアの構えはとても様になっている。明らかな隙も見当たらない。正しく優等生の構えだ。

 じりじりとオリビアは間合いを詰めてくる。


「どうしたオリビア、一気にかかってこい」


 さあ、オリビアはどうでる?

 

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