第二章 九話
「ねえオリビア」
「なに?」
「僕たち以外に僕たちくらいの人っていないの?」
今日は狩も終え、畑仕事もやることは終え早々に日課の仕事が終わっていた。僕は暇だったのでオリビアのところに行きオリビアと談笑することにした。引き篭もりといえど暇なときは誰かと話したいこともあるのだ。
オリビアの家は、というより、僕の家はホグン村の中心地からちょっと外れに位置している。オリビアの家はホグン村の中心地にあり、いつも稽古する更地の場所は大体僕とオリビアの真ん中らへんになる。なのでオリビアの家に行くときは更地を通り、4-5mの林を抜けると比較的に整備された道に出てからそれをホグン村側に進みホグン村の中心地に出る必要がある。
「うーん。前はいたんだけどみんな小等学校とかに行っちゃった。ここらへんって田舎だけど街の色んなところの小等学校が補助とか出してくれて結構どの家庭でも行けるらしいの!って、お父さんとお母さんが言ってた」
「へー。オリビアはいかないの?」
オリビアは偶然にも僕と同い年だった。だからオリビアだって小等教育を受けれる権利があるはずだ。
「わたしも悩んだけど、小等学校よりもお父さんとお母さんの側にいたくて行くことを伸ばしてたの。でも最近は何かお父さんとお母さんの力になるためにはしっかり学んだ方がいいと思って小等学校に行こうとしてたけど、ウィルたちを見て残っててよかったって思ったよ」
「どうして?」
「だってこんなすごい人たちに教えてもらえるなんてなかなかないよ!小等学校じゃ無理だったかもしれないもんっ」
オリビアは大きな目をさらにかっぴらいてキラキラさせながら力説する。オリビアはよく力を込めて説明する時に目をすごい開く。それがまた可愛いからこのオリビアを見るとついついにやにやしてしまう。
ごめんねオリビア、でも可愛いは罪なのだ。そして共に正義でもあるのだ。今日もオリビアの可愛さにありがたやありがたや。
「確かに小等学校でもいい先生たちに色々学べるかもしれないけど、ウィルたちの稽古に出会っちゃったからにはしょうがないよ。だからめいいっぱい吸収するからね」
にこっとオリビアは笑う。
カッ!!!!!
可愛い!!オリビアの笑顔が輝く。人の笑顔はここまで眩しいことがあるのだろうか。脳が可愛さを受け入れるとそのあまりにも可愛さの容量で受け止めきれなく弾けてしまいまともな思考ができなくなってしまうのか、その行き過ぎた可愛さの笑顔は眩しさとなって変換されるのだろうか。本能がつげる、オリビアの笑顔しか勝たんっ!と。えーと、なんだろ、その笑顔もっと見せてもらっていいすか?
「ウィ、ウィル。今すごい顔してるよ?ちょっとキマってて怖いよ?」
おっといかんいかん。女の子耐性が母様しかないからついつい前のめりな感じが顔に全て出てしまったらしい。
「ごめんごめん。ちょっと学校とかいろいろ考えてたらキマっちゃった見たい」
どういうこと?とオリビアが不思議な顔をする。これはよくわかんないことを言えばとりあえずは相手がわけわかめになって話の本題を誤魔化せると言うやつだ。
学校かあ。そういえば学校には制服なるものがあると聞く。家柄の差を指定の服装で統一することによって、その差を無くすことが目的らしい。でもだからこそ制服というものに学生感が付け加わり、制服を身につけたものは学生という尊い付加価値がつくと聞く。それは普段の可愛さのプラス以上の価値がつくと聞く。うん、オリビアの制服姿を見てたい。まぁ、これは見えればいいとして。
「オリビア、僕はいつか学校に行ってみたいよ」
僕には会いたい人がいる。ロード兄様とシャーリー姉様だ。僕は単に兄様、姉様が幸せに暮らしているかどうかを知りたい。シャーリー姉様はマドワキアの公爵の養子になったと父様は言っていた。マドワキアの公爵といえばだいぶ位が上だ。普通なら会えることもできないだろう。でも、貴族は社会勉強という名目で絶対に学校に通う。だからこそ学校にいけばシャーリー姉様に会える、はずだ。そして騎士団にいるロード兄様の情報もわかるはずだ。兄様、姉様を一目見れれば、それでいい。
「そうなんだ。ウィルってあんまりそう言うのに興味ないと思ってた。ふふ、わたしもいつかは行きたいかな。お父さんとお母さんをいつでも守れるようになったら今度は世の中のことを知ってお父さんとお母さんの助けになりたいな」
自分のために、みんなのために学びを始めるのが勉強の一歩なのかもしれない。未来について話をしているとなんだか体に力がみなぎってきた!
「じゃあオリビア!父様より先に稽古場にいって稽古しよ!」
「いいね!じゃあ稽古場まで競争ね!」




