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第3章 第65話

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「•••」


「かっかっか!まさか、これ程とはな!アーサー、最高の騎士を見つけたな!!ランスロウも絶句しておるわ!!」


 いや、父様•••私も想定外ですよ。まさか、本当にこれ程とは!ドラゴンの強さは未知数だが、だが!!これほどの強さはもはやレベルがわからない!そして、まだ()()()()()()()()ように思う。


 ウィルの強さに、私の側頭に汗が一筋垂れる。


「ランスロウ、再度聞こう。()()()()()()()?」


「あれは•••化け物ですな。魔法の速度、質は言うまでもないのに関わらず、接近戦の方が得手と見えます。化け物と、1言で表すのも憚られる鍛錬を積んできたのは確かでしょう。しかし、化け物と言わざるをえませんな」


「かっかっか、ランスロウがそこまで褒めるか。しかし、そう言う気持ちもわかる。私も気が昂っておるわ。して、ランスロウよ、変なことを聞く。()()()()()()()()()()()()?」


 父様は見定めるようにランスロウに聞く。ランスロウは中央騎士団の1隊長だ。その武の力は中央騎士団の中でも上位に君臨する。


「そうですね•••。総合的なところは私と言っておきますが、単純に力同士のぶつかり合いなら、試してみたいものですね」


 ランスロウから滲み出る圧力。ランスロウのその戦闘姿勢に反射的に防衛体制になり、身動きが取りづらく、空気が重くなる。


「無礼を重ねるな、ランスロウ。王もお戯れが過ぎます」


「ッ、申し訳ございません•••総隊長」


 総隊長と呼ばれた男は静かにランスロウを目だけで御する。


「かっかっか。まあそう怒るなガラハト。私も少し揶揄いすぎた」


「いいえ、王よ、失礼ながら意見を申し上げます。我らはマドワキアの盾となり剣となる役目。他に優劣は無く、常にマドワキアのトップでなければならない。それが騎士団の存在意義だ。ランスロウよ、問われれば自分の方が強いと、考える暇もなく言え」


 そこに戦闘的圧力はないが、実力に裏付けられた迫力が広がる。空気の重さは無く、そこには総隊長ガラハトの実力がわかる力強さが場を包む。


「ふむ、中央騎士団の総隊長であり私の騎士であるお前がその気なら、騎士団の気が緩むことはないな」


 父はいいな。下のものが意見を言いやすいように場を整えている。自分が賢者の如き人物ならいいが、人にはどうしても限界がある。ならば周りの意見を聞くことも重要になる。その意見の中に重大なことが隠れている可能性があるからだ。父はだからしっかりと意見を聞く。しかし、信念は曲げない。君主としてすばら意思のあり方だ。

 暴君なら今の意見申し立てで気分を害せば即打首だろう。まあ暴君など、志を持たぬ快楽の傀儡に過ぎないが。


 しかし、ウィル。君はしっかりとやってくれたね。実力まで存分に出し切り、そして、わかる人にはまだ余力があると思わせている•••後者は意図してしたものではなく、オリビア女史が実力としてさらに拮抗してきた場合に余力として無意識下で残していたと言ったところだろうけど。


 そこに更にウィルの底知れなさを感じる。


 オリビア女史の強さも圧倒的にずば抜けていた。オリビア女史が王立学校の生徒を相手に決勝まで難なく上がってきたのも確かであるにも関わらず、さらにウィルとの勝負で本気を出した時は更にその上をいく実力であり、決勝ではその動きすらも見えないほどだった。なのに、ウィルはそのオリビアを下したのだ。

 

 今回で、誰でもウィルの強さはわかるだろう。そして、わかる人にはウィルの強さの不気味さに更なる警戒をするだろう。


 タイミングだ。


 ウィル、僕は君を騎士にしていることを公表するよ。

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