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第3章 第43話 【同級生】

 ふむ?とりあえずパンを食べる。


「僕らは内部進学組の一般枠なんだ。別に成績が特撰まで必要とか、期末トーナメントに出場したいとか、そういうのじゃないんだ」


 僕が突然の申し入れに言葉を詰まらせていると、その理由を各々で説明してくれる。


「夏の試験はみんなにとって1大イベントだ。なぜなら今後の自分のクラスに左右されるから」

「特に貴族なんかは特撰に入ってもおかしくない能力の人材がウヨウヨいる」

「今、周りは殺気立っている。それはなぜだかわかる?」


 みんながいい成績を取りたいからじゃないの?


「いい成績をとりたいから?」


「それは大前提」

「君たちの存在が大きいんだよ、ウィル」


 僕ら?


「中等部に進学するとき、自分は特撰だって信じてやまない人たちはごまんといた。なのに、蓋を開けてみれば中途からの一般枠が3人も入ってきた」

「ここは実力主義の学校。もちろんメンツもあるから表には出さない。でも彼らのその内は敵対心でぐっつぐつさ」

「それがね、この試験でだんだん顕在化してきてるんだ」

「まあ、俺ら一般枠に対しての当たりが強くなってるってこと」


 •••うーん。そんなことを言われても、僕もオリビアも必死に掴んだ王立学校の切符だ。


「別にウィルたちのせいってことを言いたいんじゃないんだ」「俺たちだってここに入学したのは自分の意思だ」「小等学校の方がひどかったしね」「今までだったら良かったんだけどね」


「そう、僕らもやられっぱなしは嫌なんだ。これが悪魔の取引って言うのはわかってる」


 誰が悪魔ですって?


「でも、ここは実力主義の学校、いい成績をとって、家柄じゃなく、実力で見返してやりたいんだ」


 ウィルたちみたいにね、と最後はちょっと気恥ずかしそうに言う。

 僕は、そういうことは•••嫌いじゃ、ない!むしろ好きだ!みんなの熱い気持ち、しかと受け取った!!

 ところどころ気になる点はあるけど、僕を求めてくれるなら全力で力になりたい!


「僕でよければ、全然いいよ!」


「ほんと!?」「よっしゃあ」「なんだよ、良いやつじゃん」「高等学校のやつのしょんべん漏れさしたって噂も誇張なのか?」「よし、頑張るぞ!」

 

 オリビアと一緒に受験してわかったけど、勉強は一緒に誰かとやる方がアウトプットできて自分のためにもなる。どれだけ力になれるかわからないけど、やれることをやろう。というか、本当に僕の評判どうなってるの?それも彼らと一緒に勉強していく中で聞いてみよう。ちょっとどんな評判になってるのか知るのは怖いけど。

 とりあえず、思い立ったが吉日だ。ぱっとご飯を食べて、テスト期間も限られているわけだし、今後についてもう話していこう。



「と言うことで、早速試験について話し合っていこう」


「行動が早い」「さすが特撰」「やっぱりこういうところから学ばなきゃね」「でも何について話し合うんだ?」


 何をやるにしても、1番重要なのは目標を設定することだ。


「まずはどこを目指して勉強をしていくかってことかな。より具体的な目標がいいかも」


「目標って言ってもなあ」「いい成績を取ること?」「いい成績ってなんだよ」「具体的ってウィル先生は言ってるだろ」「じゃなんだよ、お前はあるのかよ」


 各々話し合い始める。目標って言ったら、それを口にすることは恥ずかしさもある。なぜならそれが叶わない自分の未来も考えてしまうから。不安にかられるし、どうせなら大層な目標は周りにも変な目で見られるからと小さな目標を掲げるようになるかもしれない。でも、そんなのは関係ない。


「別に目標は大きくて構わない。達成できるかできないかじゃなくて、それに全力で取り組めることだ。全力で取り組むっていうのは、その目標に対して何をして何を補って行くようにすればいいかしっかりと段階を踏んで、筋道を立てることができること。そうやって全力で取り込むことによって、自分の足りないこと、次回への修正点がはっきりもしてくる。なんでもいいんだ。ただ、どうせなら大きい目標を口にした方がいい。ちなみに僕は、」


 今からいう僕の目標は、前の僕なら、プレッシャーがあったかな?それとも自分に言い聞かせるために暗示の意味合いで言っていただろうか?

 ふっふ、でも今は楽しみでしかない。


「今回の試験で1番になることだ」


 その自信しかないからだ。


「これは、なるほど」「ちょっと迫力にちびったかも」「やっぱり高等生を漏れさしたのはあってたのか?」「ウィルは、俺らが思うより相当な道のりを歩んできたんだね」


「ウィル、君のおかげでなんだかやる気が出てきたよ。最初はトーナメントなんてって言ったけど、僕は、トーナメントに出てみたい」


 まじか、と周りの同級生が響めく。しかし、決して無理とか言うわけではなく、よく言った!と好感的にみんなは捉えている。

 内部進学組って言ってたよね。きっとみんなで貴族の荒波に呑まれながらお互い支え合って学校生活を送ってたに違いない。しかも今さっきの小等学校ではもっとやばかったみたいなやつから、その過酷さがよりうかがえる。まあ小等学校の年齢って悪意のない悪意が蔓延ってるし、それこそ理由もないいじめもあるだろうし、大変だったのだろう。だからこそ、みんなの心の絆みたいなものがひしひしと伝わってくる。


「いい目標だね。ふっふ、負けないよ!でも、もちろん敵同士ということではない。一緒に頑張っていこ」

 

 俺も俺もと、他の人たちも目標を設定して、それに対して何が足りないかなどを、まずはざっと洗い出した。さあ、後はやるだけだ。

 テスト期間、楽しくなってきたぞい。


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