第3章 第39話
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「あ、ここら辺で降ります」
「なんやもうついたんか。ほんまにあそこから近かったな」
父様との待ち合わせ場所の近くに来た。
「マニ君ありがとう。助かったよ」
「マニ君ありがとうー」
「何言うてんねん。お互い様や。ほなまた学校でなー」
マニ君はそのままヴァルヴィデア方面へと行ってしまった。
マニ君、面白かったなー。違う分野で戦う人たちを見るのは、新鮮だ。全てが真新しい事ばかりで楽しかったな。
僕とオリビアは手を振りながら、マニ君の馬車を見送る。ヴァルヴィデア方面に向かうマニ君の馬車を見て、恐らくマニ君はヴァルヴィデア王国そのものと取引をしているのだと思う。じゃなきゃあんな、戦が起きるという大それたことを言わないだろう。もし、運送しているものが武器なら、他の武器商人と取引するだけじゃ、あそこまで大きな戦が起きる、と言い切らないはずだ。
「ねえ、ウィル。大きな戦ってなに?」
当然の疑問だ。もちろん、みんなが知る権利がある。ただ、まだ確定ではないし、余計の混乱を招くだけだから国もみんなには知らせてないのだろう。今は有事に備えて、まずは準備段階なのかもしれない。でも、オリビアにはちゃんと説明しておこう。何かあった時にオリビアと僕は、冒険者としてかりだされるに違いないから。
僕は父様との目的地へ向かいながら説明する。
「今、マドワキアでは帝国と魔王国に侵略されるんじゃないかって説が言われてるんだ」
「ほんとに!?」
オリビアはもともと人形みたいに大きな目を、もっと見開き驚く。
「それは、なんで、どうしてなの?」
「帝国がどうやら魔王国の資源を欲しいみたいなんだ。魔王国はそれに条件付きで同意したらしくて、その条件というのが、マドワキアの消滅ってことらしい」
嫌な話だよね。
「なんでマドワキアなの?2つで勝手に取引すればいいのに!」
「帝国と魔王国の位置関係は、間にマドワキアが来る感じ。だから帝国が魔王国に行く時、マドワキアを絶対に迂回しないといけないんだ。帝国はそれを邪魔に思っているっていうのと、魔王国は魔族以外が嫌いって言うのが噛み合った感じかな」
本当にとばっちりもいいところだ。
「え、じゃあ邪魔だからって言うのと魔族の選民思想でその間のマドワキアを潰しちゃおうってこと?帝国からしたら踏み絵みたいなもんじゃん!みんな同じ人類でしょ!?」
あぁ、おかしい。おかいしよ。僕もオリビアの意見に激しく同意だ。みんなで手を取り合って、仲良くって、なんで出来ないんだって僕も思う。
「おかしいよ。僕だって信じたくない。でも、昔ヴァルヴィデアは何かに襲われたし、1ヶ月前には魔王国側でスタンピードが起きた」
「それは、こっちの戦力を、キャパシティを探ってるってこと•••?」
「最近はその説が濃厚だね」
だんだんと帝国と魔王国の侵略のピースが揃いつつあるんだよね。信じたくないけど。
「でも、だからこそ、僕たちは強くならなきゃいけない。間違ったことを強さで正すのは、抑圧だ。得策じゃないし、よくないことだ。ただ、話し合いの段階ではないんだよね。話し合いで解決できなるならとっくに解決してるはずだから。なら、まずは負けないことだ」
ぐっ、とオリビアは拳を自分の眼前で握る。
「そこから、話し合いに持っていくってことだね。うちの王様たちは」
そういうこと。争いは、普通の人なら誰も好まない。お互いが幸せにならないからだ。奪って奪い合って、最後に残るのは憎しみだけだ。そして憎しみが成長すれば、また争いが生まれる。そんなことはもう嫌なはずだ。じゃあ、人が互いに手を取り合って、お互いに幸せを見つけれる方が何倍も良いに決まってる。争いっていうのは、1部の私利私欲を正当化させて行われる大きなわがままだ。そんなことで、その幸せが消えるのは愚かすぎる。
「うん!よし、わかった!とりあえずはどこまでも強くなること!でもそれは手段であって目的じゃないってこと。ウィルは王子様を支えて、わたしは国を支える1人になろうかな!まだ、漠然とだけど、わたしはみんなの悲しみをみたくない」
オリビア•••。
「じゃあとりあえず、父様に強くなったところをみせようか!父様と戦えればたぶん他の人にサシで負けることはないと思うし!」
「目標は師匠をボコボコだね!」
僕たちは笑いながら、稽古に向かう。さあ、父様のところまでもう少しだ。
いつの間にか総合評価が100いってました!
ありがとうございます╰(*´︶`*)╯




