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閻魔が無職になりまして、  作者: 左 阿千
渚音と閻魔
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はじまりはじまる

ことわざって聞いたことありますか?

言葉の(わざ)で、言葉の(わざ)で、言葉の(わざ)

そう、諺です。


例えば


"嘘をついたら閻魔様に舌を抜かれるよ"

"嘘つきは泥棒の始まり"


この辺りは私が子供の頃、耳にたこができるくらい よく言われたことわざです。


自分で言うのもアレですが私はよく嘘をつきます。

けれど未だに舌を抜かれていませんし、泥棒にもなっていません。ことわざ自体が嘘なんじゃないか?そう思い 小学校の頃先生に聞いてみた事があります。


「嘘をついても閻魔様に舌を抜かれないのはどうしてですか?」


「七音さん、嘘も方便よ」


と、逃げれらたのを覚えています。今更ですがアレは回答としてどうなのでしょう?


「じゃあ閻魔様は嘘つかないのですか?」


確かこんな事を聞いたのですが先生が何と言ったのかもう覚えていません。


全く…何が真実で何が嘘なのか分からなくなってきます。多分、嘘と真実がぐるぐると回っているのだろうな、ぐるぐるぐるぐる、嘘と真実が混じりあった曖昧な世界で私達は生きているのだろうと思います。

真実の中に嘘があって、嘘の中に真実がある。


とすればこの世界は白黒ハッキリした二元論の世界でないのでしょう。

言うなれば、無"げん"論。

選択肢に"限り"は無いのかもしれませんし、そもそも選択肢する余地なんて"元"から無いかもしれませんけれど…



きっと大人でも子供でもない私は、


未来でも過去でも無い今に生きて


そのうち今に置いていかれて過去の人になる。


そうやって命も回って行くのでしょうか?

止まることなく ぐるぐると、色々なものが回りすぎで目が回りそうです。


難しい事を考えていたら眠たくなってきました。

何か大切な物を忘れているような気がしますが大切ならそのうち思い出せる気がするので、温かい光に包まれ、眠気に身を任せて私は眠ることにします。


深い微睡(まどろ)みの中で聞こえるのは誰かの声と私の名前。


どうしてここにいるのだろう…

そもそもここはどこなのだろう…

どこか帰らなければならない場所があったような…


"渚音!お願いだ、目を覚ましてくれ"


その声は何故か懐かしく、私の心を揺さぶります。


けれど、もう色々と疲れちゃいました。

私だって頑張ったのだから休んだって良いはずです。

お願いなんで聞き飽きました。

効きまくりました。


だからもうお願いだから放っておいてください…



その声から逃げるように私は耳を塞ぎ目を瞑るのでした。

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