幕間 灰色のまま
「ふーー、今日はえらい目にあったなぁ」
自室に戻り、ベッドに横たわり盛大なため息を吐いた。
本当に疲れた一日だった。
なんせ、朝から衛兵たちの話(愚痴)を長時間聞いた後大食堂でシュヴィと、その…プチハプニングがあって何故かヒイロが謎の言葉とともに気を失って、寮まで送り届けたら寮母さんに男だとバレて……
うっ、頭が痛くなってきた。
僕は一体何をやらされたんだ…………
こんな感じで本当疲れた。
明日からは普通になんのハプニングも無く普通に学生生活をしたい…
でも……
「少しだけ楽しかったな……」
今まではこんなに友達と話をしたり同級生の女の子と出掛けたりした事なかった。
まあ、会議室に行くまでの道のりだったしヒイロもいたけど。
あんなに楽しかったのは今までなかった。
皆んなでワイワイはしゃいで表を歩くなんてした事なかった。
すごく、楽しかった。
まるで、僕が普通の何の罪も無い人みたいだった。
楽しかった。
楽しかったからこそ
「僕は…こんな薄汚れた僕は、いるべきでは無い」
僕はこんな暖かい世界にいるべきでは無いのだから。
今までの罪に塗れた薄暗い灰色の世界に、
居るべきなんだから……。