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第12話 散歩だけどいいじゃない!!

気づいたら一か月近く空いてしまいましたね。リアルが忙しすぎます。若干、自分で自分の首を絞めている気がしますが……

休日。

あー、今日はいい天気だ。ネロも窓際でぐでーと大の字になって寝ている。そういや、子猫って寝てばっかだって聞いたことがあるな。……そういや、こいつって子猫なのか? 大きさは子猫だけど。


「おーおー、幸せそうに眠ってんなぁ」


腹を撫でる。やっぱ手触りいいなこいつ。


「みゃぁ……うみゃ?」


「あ、わりぃ。起こしちまったか」


「みゃ~みゃ~」


気にするなといったように前足を振るネロ。そして、テテテ…と扉に向かう。


「みゃあ」


「なんだ外に出たいのか?」


「うにゃ」


優希に戻ればいいんじゃね? とは思うものの開けてやる。


「にゃー」


まだ何か言いたげにこちらを見る。なんだ?


「あたしにも着いてきてほしいのか?」


「うにゃ」


あたし外出るの大変なんだけどなぁ。帽子にサングラスと日焼け止め。めんどい。


「にゃ~」


まぁ……たまにはネロと一緒に散歩ってのもいいか。


 - ☆ - ☆ - ☆ -


ゆったりと歩いていたら公園についた。ここは芝生があるから寝転んだら気持ちいいだろうな。


「なんでここに来たんだ?」


「にゃ」


「あ、おい」


ネロが草むらに入っていく。ついて行ってみると、そこには猫がたくさんいた。血統書がついてんのかと聞きたくなるような飼い猫やら身体中に傷痕のあるワイルドな野良猫やらバリエーション豊かだ。


思うに、ここで猫たちが集会でもやっているのだろう。よくもまぁこんだけ集まったな。


「にゃー」


大きな石の上に三毛猫が登り、全ての猫が注目する。……おい待てコラ。あの三毛猫、やたら見覚えがあるぞ。


「まさかとは思うが……」


「ピュー、ピュー」


「器用だな!! そんなんしたら逆に誤魔化せねぇよ!!」


やっぱ母さんか。今日は仕事に行ったと思ったらここにいたのか。


「……猫がたくさん」


「うおっ!?」


いきなり声がしたと思ったら後ろに愛理沙がいた。相変わらず神出鬼没なやつだな。


「驚かせんなよ。なんでここにいるんだ?」


「……グレイを……ストーキング」


そういや、猫飼ってるって言ってたっけ。……ていうかなにやってんだよ。


 - ☆ - ☆ - ☆ -


集会が終わり、猫たちは思い思いに解散していった。母さんもどこかに消えた。それにしても、集会っていったいなにを話していたんだ?


「……グレイ……おいで」


テテテ…と灰色の猫がやってくる。なんだっけか。ロシアンブルーだったか? そいつを抱き上げる。


「ネロも来いよ」


「にゃー」


ネロはピョンとあたしの肩に飛び乗り、さらにジャンプして頭に乗っかる。気に入ってんのかそこ。


「……その仔……かわいい」


「まぁな。ネロって言うんだ。かわいいだろ」


「……うん……あれ?」


なぜかキョロキョロと周りを見渡す愛理沙。


「……優希が……いない?」


頭の上にいるぞ。


なんて言えるわけもなく、「いつも一緒ってわけじゃない」と誤魔化す。


「……ふーん……珍しい」


そんなに珍しいもんか?


「……あ」


「どうした?」


「おっ。よおっ、二人とも奇遇だな」


「ん? あ、カズ」


愛理紗の視線と声のした方向にはカズがいた。こいつも猫を飼っていたのか?


「なにしてんだ? おまえも猫をストーキング?」


「いやぶらぶらしてただけだけど……おまえらそんなことしたのか?」


なんだその『何やってんだこいつら』とでも言いたげな視線は。


「そういや……優希が見当たんないな。(これはチャンスか……?)」


「前も言ったと思うが、あたし達はいつも一緒ってわけじゃねぇぞ」


「そうか……ならさ、これからどっか遊びに行かね? いろいろと楽しもうぜ」


「みぎゃー!!」


バリッ


「いってぇーーー!!」


ネロが飛んだと思ったら、そのままカズのことを引っ掻いた。


「何すんだよ!!」


「ふかーーー!!」


めっちゃ威嚇してる。あれか、猫のときにもヤンデレモードになったりすんのか。


「くっ……ガードが堅い……」


子猫に怖気づくなよ。


「……あ」


「今度はなんだ?」


「あれ、皆さんなんでいるです?」


「こんにちは。奇遇ですね」


今度は紗彩と……誰だ? 眼鏡で巨乳の美人系。……あたしのほうがデカいな、うん。何がとは言わないが。

その2人が犬を連れている。紗彩が大型犬で美人系が小型犬だ。


「紗彩と……神代さん!? 美少女達が集まってきた!! オレ今ハーレム状態!!」


黙れバカ。ていうか神代? どっかで聞いたような……


「……この間の……中間テストで……1位」


ああ、あの全教科満点の。しかも運動もできて文部両道って噂のやつか。さらに親がどっかの大企業の社長でいいとこのお嬢様だとか。


「で、なんで紗彩は完璧すぎるお嬢様と一緒なんだ?」


「流星号の散歩してるとよく会うです。そのうち仲良くなったです」


「へー」


そうなのか。にしても流星号って犬の名前か? どうゆうネーミングセンスだ。


「……この子も……かわいい……名前は?」


(ヒナ)と言います。雛、おすわり」


ペタンと座る雛。賢い犬だな。


「流星号もおすわりです。おーすーわーりーでーすー」


しょうがねぇなこいつは……といった様子で座る流星号。紗彩が散歩しているっつーより散歩させられている感じがするな。というか、なんであたしは動物の表情を見分けられるようになってんだ。


「貴女は……天道さんですね」


「知ってんのか?」


「ええ、有名ですから」


あー、やっぱ見た目の問題かなぁ。


「栗栖さんたちはどうしてここに?」


「ちょっと猫達の集会があってな」


「はい?」


疑問符を浮かべる紗彩。その横で流星号とネロがわんわんにゃーにゃーと会話(?)をしている。犬と猫で仲良くなれんのか?


「あ、そうです。今日はいいもの持ってきたです」


そう言って紗彩が取り出したのはフリスビー。


「ふふん。見ててくださいです。流星号、取ってくるです!!」


シュッと紗彩がフリスビーを投げるが流星号は走らない。背中にネロを乗せて伏せている。仲良くなったのかおまえら。


そしてポトッと落ちたとき、ようやく流星号が歩き出した。急に立ち上がったせいか、ネロが落ちないようにしがみつく。爪は立てないようにしてやれよ? 痛そうだから。


で、落ちたフリスビーを咥えて戻ってくる。


「な、なんで走らないですー!? お父さん達のときは走るのにですー!!」


飼い主としての威厳がないんじゃないか?


「次はわたくしに貸してください。さぁ雛、取って来なさい!!」


「わんっ!!」


神代がフリスビーを投げると同時に雛が走り出す。そして空中でキャッチして元気よく戻ってきた。


「すげー」


「言うこと聞いて羨ましいです」


「……グレイも同じこと……できたらいいのに」


「さすがに猫はなぁ……」


「にゃあ」


「ん? どうしたネロ?」


「みゃー」


もしかして……やるって言ってんのか?


「物は試しだ。紗彩、それ貸してくれ」


「はいです……ネロがやるです?」


受け取ったフリスビーを軽く投げてみる。


「にゃー」


ネロは俊敏な動きで跳びかかり、見事空中でキャッチしてみせた。


「おぉー」


「すごいです!!」


「賢い仔ですね」


「……いいなぁ」


「そのまま元気に戻って___来ない!?」


フリスビーが重いのか、咥えたまま戻ってこれない。いや、ずりずりと引きずって戻ろうと頑張っている。


「くぅ~、かわいい!! 必死な姿がめっちゃかわいい!!」


「悶えてないでつれてきてやれよ」


ネロ、回収。


「にしても面白そうだな。オレにもやらしてくれよ」


「ほれ」


「サンキュ。よし皆、競争だ!! 取ってこい!!」


シャッ←フリスビー投げる


雛←行儀よくおすわり


流星号←あくび


グレイ←愛理沙の腕の中


ネロ←尻尾の白い部分を噛んでる


ポトッ←フリスビー落ちる


「……ちゃんと取ってこいよ」


「ちくしょーーー!!」


カズは泣きながら走っていった。




次に投稿できるのは何時になるのでしょうね……

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