第11話 ゲーセンだけどいいじゃない!!
かなり間が空いていましたね。
それもこれもパソコンがクラッシュしたせいです。直ってよかったです。
別に忙しすぎるとか続きが思いつかないとかそんなんじゃないです。……嘘です。それもあります。がんばります。
「は~い、今日はこれで~お終いです~皆さんさよなら~」
なんやかんやで中間テストが終わった。手ごたえとしてはけっこう出来たと思う。
そういえば、お姉ちゃんはちゃんと勉強したのかな? 中学と違って高校は留年があるんだけど……
「優希、テストどうだった?」
「ん~、ちゃんと出来たと思うよ。マサくんは?」
「まぁ、補習には引っかからないだろうな」
「おーい2人とも、今日どっか寄ってかね?」
「あ、カズくん。テストちゃんと出来た?」
「おいおい見くびらないでくれよ」
あ、もしかしてカズくんって勉強できるのかな? いつものイメージから全然できなくて補習になると思ってたけど認識を改めるべきかな。
「あんなもん10問に1問は解ける」
イメージ通りだった。
「まったくこいつは……」
マサくんも呆れ顔だ。
「そんなことよりどっか遊びに行こうぜ。せっかく半日なんだからよ」
「俺はいいぞ」
「ん~、ボクも行こうかな」
「……わたしも行く」
「わっ!!」
愛理沙さんがいきなり入ってきたからびっくりしちゃった。
「いきなり現れるなよ……」
「……ごめん」
「まぁいっか。まずは腹ごしらえに行こうぜ」
「その前にお姉ちゃん達も誘おうね」
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お姉ちゃんと合流してお昼ご飯のためにハンバーガーショップに来た。美奈さんと紗彩さんは部活があるから来れないって。残念。ちなみに、美奈さんは陸上部で紗彩さんは手芸部だ。
「じゃあ俺達は注文してくるから3人は席とっといてくれ」
「おまえら何にする?」
「じゃ、あたしは照り焼きソースのついたやつのセット。ドリンクは茶色い炭酸水」
「……チーズ挟んであるやつ……中国特産の……半発酵茶で」
「ボクは肉抜きの魚のフライ入りで。柑橘類の果物を絞ったやつがいいな」
「普通に言えよ……」
2人が注文に行ったのを見届け、席を確保しておく。それにしても、こういうファストフード店ってめったに入らないから不思議な感じだなぁ。
「あ。おーい2人ともこっちだこっちー」
「お、そこか」
「待たせたな」
マサくんとカズくんが両手にトレイを持ってやってきた。
「ほい、栗栖はテリヤキバーガーセットでコーラだな」
「おうサンキュ」
「愛理沙はチーズバーガーセットで烏龍茶だな」
「……ありがとう」
「優希はラッキーセットでオレンジジュース。おまけは猫のキーホルダーでいいよな」
「なんでボクだけおまけつき!?」
「いや似合うかなと……まぁ、ちゃんとフィッシュバーガーにしたしいいだろ」
「もう、しょうがないなぁ……」
ガサガサと包みを開けてかぶりつく。こういうのって、たまに食べるとおいしいよね。
「……そういえば昔……ハンバーガーって……ミミズの肉を……使ってる噂があった」
どうしてここでその話題をチョイスするの!?
「へー、そりゃまたどうして」
お姉ちゃんも話題に乗らないで!!
「んな話すんなよ……」
- ☆ - ☆ - ☆ -
ようやくゲーセンに到着。中は色々なゲームの音楽や熱気で溢れている。
「さて、何やる?」
「エアホッケーやろうぜ!!」
「じゃ、俺が相手するな」
お姉ちゃんとマサくんが筐体で向かい合う。ボクは体使うゲームは苦手なんだよね……
「いくぜぇ!!」
カァン!! と軽快な音をたててパックを弾く。
「よっと」
カァン!! と弾き返すマサくん。
「なんの!!」
再びカァン!! と弾き返す。
「ほっ」
また弾き返すマサくん。二人の躍動感あふれる動きでラリーが続いていく。そう、躍動感が……!!
「……栗栖……すごい……羨ましい」
「マーベラス……!!」
……はっ!!
「カズくん!!」
「なんだよ優(ぶすり)ぎゃあぁぁぁ!! 目が!! 目がぁぁぁぁ!!」
のたうちまわるカズくんは放っておいて、お姉ちゃん達を見る。
カァン!! カァン!! カァン!! カァン!! カァン!! カァン!! カァン!! カァン!!
二人の実力は拮抗している。終わるまで時間かかるかな。
カン!! カン!! カン!! カン!! カン!! カン!!カン!! カン!! カン!! カン!! カン!! カン!!
あれ、速くなってきた。
カッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッ
ちょっ、速っ!! 速すぎてパックの残像が見えるよ!!
「……別のところ……行こう?」
「そうだね……邪魔しちゃ悪いかもしれないし。愛理沙さんは何かしたいものある?」
「……ん……こっち」
白熱したラリーを続ける2人は放っておいて、別のところへ移動する。もちろんカズくんも引きずってきた。
で、やってきたところは
「格ゲー?」
「……新しい……ゲームがでた……優希……やる?」
「ボクはこういうの苦手だから……」
「いてて……やっと見えるようになった。あ、じゃあオレと勝負しようぜ」
「……ん」
席に着く2人。ボクは愛理沙さんの筐体の画面を覗いてみる。
『Fight!!』
キャラを選び終わり戦いが始まる。
「へへへ、女だからって手加減は―――」
「……(クワッ)」
ダダダダダッ
『K・O』
「しない―――って終わってるぅ!? なにが起こった!?」
……ありのまま起こったことを言うと、愛理沙さんがクワッと目を見開いたと思ったらすごい勢いでボタンを叩いて画面が暗転。気がついたらカズくんのHPがゼロになっていた。
「愛理沙さん何したの?」
「……一撃必殺(ニヤリ)」
『Fight!!』
二回戦が始まった。今度は一撃必殺を使わずに戦うようだ。
「まぁ、がんばってね」
「……ん」
『Perfect!!』
「くそー!! もう一回だ!!」
格ゲーに熱中している二人を置いてボクはクレーンゲームのある場所に移動する。ボクはゲームでお姉ちゃんに中々勝てないからゲームセンターに来たら大抵クレーンゲームをやっている。
「んーと、あっ」
色々と物色してぬいぐるみのある筐体を見つける。別にフィギュアとかでもいいんだけど欲しくはないからやらない。
チャリンとお金を入れて挑戦する。
えーと、右に動かして奥に動かしてと……よし、引っかかった。そのままそのまま……はいゲットー。よーし、どんどんやっちゃおうっと。
しばらくして、お姉ちゃんがやって来た。
「お、いたいた。やっぱクレーンゲームに―――ってめっちゃファンシー!! うわ、筐体空っぽじゃねぇか!!」
あー、調子にのっちゃって空にしちゃったんだ。店員さんに紙袋貰わないと。
「マサくんとはどうだったの?」
「制限時間になって引き分けちまった」
……エアホッケーって制限時間あるんだ。知らなかった。
「ね、お姉ちゃん。せっかくだから一緒に何かしようよ」
「お、いいな。シューティングにするか? それともカーレースとか」
「むー、そうじゃなくて、相性診断ゲームとかプリクラとかしようよ」
「(あたしより発想が乙女だ!!)あー、そうか。ならプリクラでも撮るか」
なぜかショックを受けた様子のお姉ちゃんと一緒にプリクラの筐体の中に入る。
お金を入れて写真のフレームを選んで写真を撮る。電子音でのカウントが始まる。
さん。にー。いち。パシャリ
軽く腕を組み、はにかんでいる2人の姿がそこにあった。
「さ、2枚目だな。せっかくだからお約束ってやつをやるか」
さん。
「お約束?」
にー。
「こうだ」
いち。
チュッ♡
「!!!???」
パシャリ
ボクの頬にキスをしているお姉ちゃんと、目を丸くして驚いた様子のボクが写った。
「お、出てきた出てきた。半分こな」
出てきたプリクラを取り出すお姉ちゃん。若干、頬が赤い。
「もう……不意打ちだなんて……」
なんかズルい。
~数日後~
「うわあぁぁぁぁ!! 補習だぁっ!! オレの放課後がぁぁぁぁ!!」
掲示板の前でカズくんがorzの格好をしていた。やっぱり引っかかったんだね。
「げぇっ!! あたしもかよ!!」
お姉ちゃんもか……
補足説明です。栗栖と正博が仲良くしてても優希がヤンデレモードにならないのは正博が栗栖に対して恋愛感情をもっていないことが分かっているからです。信頼しているのですね。