Welcome to A-PECT!!
ある晴天の日。
私の前には大きなガラス張りのビルがあった。周りには数人の人。きっと私と同じ、見学者だろう。
ここは今最も注目されている企業『A-PECT』である。最新AI技術を使った研究会社だ。ミーハーではあるが、見学にそこまで金はかからない事と社会経験としてここに来てみた。
すると、先頭に立つツアーガイドのお姉さんが旗を振りながら声を上げた。
「皆さん、これから見学を始めます。順路から外れないようしっかり着いてきてくださいね!」
彼女はそういうと、先陣を切ってビルの中に入って行った。
中は近未来そのもの。ロボットが受付しているし、ロボットがお茶を出している。うわあ、掃除もロボット。ここの会長のような人が挨拶をしていたが、専門用語が多すぎて半分もよくわからなかった。
順路に沿って、私たちが歩いていると後ろから物音が聞こえた。銀色の他と変わらない扉が少し開いている。ツアーガイドのお姉さんはどんどん前に進んで行く。何となく目を離せない。
「 」
え?今誰か何か言った?ツアーの人たちはどんどん離れていく。私は惹かれるようにその扉に近づいた。中を除いてみると、階段だ。
まずいよな〜。見つかったら…怒られるかな…。そう思いながらも足は下に動いていた。
外と比べると階段は錆びており、ギシギシと歩くたびに不気味な音を立てていた。
「うわっっ」
足場がガコンッと嫌な音を立てた。何かに捕まる隙もなくそのまま私は下に落ちてしまった。
「……?」
目を覚ますとひどく目が眩んだ。ここはどこ?怪我は軽く打撲をしているぐらいだった。我ながら、フィジカルには自信があった。
少し落ち着いてから周りを見渡すと訳の分からない所に来ていた。さっきとはまるで違う、薄暗くて鉄の匂いや油の匂いがする。あ、そうだ。落ちたんだ。
ここから抜け出す方法を見つけなければ。とにかく、人を探すために私は光の方へ歩いて行った。
ここは何となく寒い気がした。そして、何かの視線もある。どこなんだろう。地下?それにしては落ちた気がする。でも、骨折はしていない…考えれば考えるほど、ここは不思議な空間だった。
ガタンガタン。機械が動く音が聞こえる。もしかして、誰かいるのかも…!
足を早めて光の方にたどり着く。そこに待ち構えていたのは……
「え……?」
5メートル近くある…ロボットだ。ガタイが良く、戦闘アニメに出てきそうなロボットだ。近くに人は見当たらない。
ギシギシッ…。ロボットの腕がぎこちなく動き、振り上げられる。もしかして、1人で動いてる…?これも研究…?
私は無意識に1歩、2歩と後ずさっていた。その時…
ガツンッッ!
さっきまで私が立っていた位置にロボットの腕が落ちていた。その瞬間、一気に血の気が引いた。完全に狙われていた。
「……シンニュウシャ。ハカセニツウチ。」
ロボットが言葉を発し、こちらを光る赤い目で見ている。
……殺される!!私は必死になって逃げようとした。ロボットは大きいから動きが鈍い、幸いロボットの横を抜けて別の道に逃げることができた。
しかし、それで許してくれるはずがない。どうにかしないとずっと追ってくる!どうにかして止めないといけない。
私は必死に隠れながら考えた。随分と奥まできたので、帰り道も分からない。あの時、あの扉に入らなければよかった……!失敗した…。
どんどんロボットの足音が近づいてくる……。どうすれば………。
「………?……あれは…」
人間1人が倒れそうな鉄橋が見つかる。急いで近づき、その橋に乗る。これなら使えるかもしれない。
ロボットはこちらに気がついたように橋に向かってくる。私は橋の先の地面に飛び移る。
ロボットが橋に足をかけた途端、橋が重さに耐えきれず崩壊した。そのままロボットも下に落ちていった。
「……た、…助かった……。」
私ははぁ…と一息、橋に飛び移った体制のまま気を抜いた。その時、
「い、今の…君がやったの…?」




