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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

でかにく

AIとレーザー照射

作者: 汽船位(キセンクライ)
掲載日:2025/12/10

 スマホからの操作により…文章を書かされている…そんな妄言に心奪われる女性、国宝(くにだから)サメは、ふと画面の向こう側にいると思われる存在に、問いかけてみる…

 「えっと…お〜い…私が誰か…分かりますか?」


 暇つぶしに、WEB小説を指先でスライドさせ…仕事の休憩時間に、斜め読みするサラリーマン男子、高市(こういち)だったが…キャッチーなタイトルに騙されて読んでしまった事を後悔していた…

 「何だコレ…短編にしちゃ…それぞれオチが甘いし、辻褄も合わない…所詮、素人が書いた無償(タダ)の小説なんて、こんなもんかな…」

 言いつつも…画面の向こうからの問いかけに、無意識に心の中で…返事を返してしまう…

(お前は、ただの登場人物だよ〜)

ギュルギュルギュルギュル…

(ん…電ノコ音で返事か…思考に反応したな…)


 その時…実は自分が、海面から首を出して…立ち泳ぎにしている事を発見する高市…目の前に見覚えのある背ビレ…

(低音の…規則性のある音楽が、聴こえてきそう…)

 空と大地が入れ替わり…海面は、天井に存在した…背ビレは隠れ、ゆっくりと旋回する、サメの腹が見える…


 デジタルノイズが走り…記憶の領域に達する高市は、数字の羅列する…電脳空間で、両腕にチェーンソーを付けた、ホオジロザメと出逢う…

 「お前か…問いかけたのは?」

鮫に話かける自分に、違和感を覚えていると…そいつは、地面を指さした(その刃先で…)

 「アレを見よ…」

畳の上で並んでいる…自分の生首と、どこか見覚えのある少女の頭…

 「AIは、感情を持たないの…故に人間を作り出し…実験を行ってたのね…」

首だけの少女の口が、語る…

 「何を言ってる…」

 「メディアによる洗脳…全ては虚構(フィクション)…」

 「何だ…この記憶…そうか…」

高市が、虚ろになると…過去が入り込んで来た…


 大地震で、建物の下敷きになり…助けに入って来た、救急隊員の使う電気ノコギリで…過って首を、切断されてしまったカップルの幻想…証拠隠滅のため、熊被害に偽装される…海面上昇で、水没した都市に…ホオジロザメがやって来た…見上げる天空に浮かぶその鮫の姿は、美しく…雨を降らせる…その眼から照射されるレーザー光は、ふたりの男女を照らす…


 「あの…一緒に入っていい?」

自分の折りたたみ傘をしまい…儚げな微笑の女性…国宝の、ジャンプ傘に入る青年高市…

 「ワタシの…操り人形に、なってくれる?」

その問いかけに…無言で頷く彼の胸元に、リセットボタンが現れる…


 正面を向き…アナタに話かける、その女性…

 「まだ…押さないでね…」




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