9話 小宵根菜
花青が家に帰ると、ベッドで横になっているであろう風邪気味の妹の元へ行く。
妹の並沙小学4年生と、まだ子供だからか凄く熱を出しやすく体が怠いとよく言う。
「なんだこいつは……!!!!」
とんでもない物を見つけた。
それは妹にくっつく異型の物体、邪神かっ……!!
どうする……!?
「並沙大丈夫か!?」
並沙は体を重そうにして上半身だけを起こし花青継を見る。
「……凄く体が重いけど……ゴホッ…………大丈夫だよ」
ぎぃやぁア゙ア゙
邪神が小さく唸る。
チッと花青継は舌打ちした。
それはそうだ。こんなのが毎日体に引っ付いていたんなら体が重くて当然だし具合だって悪くなりそうなもんだ
俺は苦虫を噛み潰した。
「お兄ちゃんどうしたの?」
そんな表情の俺に妹の並沙は奇怪そうな顔をしていた。
「いや、少し目を瞑っててきくれないか?」
「いいよ」
目を瞑る並沙に花青は拳を握りしめ近づく――
そして思いっきり殴った。並沙に当たるギリギリの所で邪神に当てた。
ギギャァ゙ア゙ア゙ア゙ア゙!
ダンッ
異型の邪神は壁にぶつかり灰となって消えて行った。
「えっ!」
驚愕の表情を顕にする並沙。
「どうだ? 体まだ重いか?」
うんうんと言って妹の並沙は敷き布団から立ち上がる。
そこでぴょんぴょんと飛んでいた。
「すっごい体が楽になったよ! お兄ちゃんどんな魔法を使ったの!?」
「魔法じゃない……運だ」
「運?」
運師について家族には話していいと言っていたな。
「運で並沙についている邪神を祓った詳しくは想田先生って人に聞いてみたい」
「……分かった」
並沙は目をパチパチしながらも返事をしてくれた。
◇
「不運が混ざる体質だ練習していこう」
想田先生が花青の家に来訪していた。妹の並沙は正座している。並沙の状態を見てもらった。
「想田先生、不運が混ざるって言うのはどういうことですか?」
花青継が、質問した。
「私もやろうと思えばできるんだけどね」
と言って左手から黒色の運氣を放った。
「それが不運……」
花青継が言う。
「そう。本来なら勝手に出るものじゃないんだけど特殊な体質の人にはあることなんです。特に不運は邪神たちの餌にもなってる今までとても狙われやすい状態だったんでしょうね」
「そうだったんですか」
「ほえー」
花青継が返事をすると並沙がボケッとした返事をした。
「並沙、ついてきてるか?」
「何となく……ね」
想田先生が言う。
「ゆっくり理解していこう。これから偶にここに来るから不運を抑えられるように練習しよう。花青くんもできたら教えてあげてね」
「分かりました。俺にできることならやります」
「うん」
想田先生が頷く。
「と言うことで並沙頑張って不運の練習をしていこう」
「うん!それにしてもお兄ちゃんが転校なんて驚いたよ」
並沙は元気に返事しながら話を変えた。
「ああそうなんだ」
◇
翌日の朝。
「突然だけど仲間が増えます」
想田先生がニッコリ笑顔で話した。
「先ず式で会った花青くん」
今俺たちはメールで来た連絡に駅前で集合と書かれていたので花青と2人で神奈川の駅前で想田先生を待っていた。
今俺たちは家に送られてきた新しい制服を着ている。
「皆制服だね」
想田先生の隣に女性がいた。その人も同じ制服を着ている。
「ていうことでもう1人、この子が新しい仲間になる人です。自己紹介お願い」
隣にいた女性が話し出す。女性は三つ編みを2本肩に掛けた大人しめな雰囲気の人だ。
「今宵根菜です。宜しくお願いします」
「俺は重命紡弘」
「俺は花青継」
「時間ないけど何か好きな食べ物ぐらい聞いておきましょうか」
今宵がうーんと悩んで口を開く。
「私の好きな食べ物は冷蔵庫から出したレタスです」
「レタス!?」
俺が突っ込む。
「シャキッとしてて美味しいです」
「なるほど」
想田先生が話す。
「今宵さんは花青くんの妹とはまた違う特殊体質で。そのことは今度また話すよちょっと今は時間がなくて」
先生が手を叩く。
「ていうことで今日はここで解散でいいですよ」
想田先生が背を向けて歩き出そうとする。
「因みに制服は皆ちょっと違うデザインにしてあるから気に入らなかったら私に言ってくださいね」
と言って先生は駆け足で行ってしまった。
残された俺たち3人は顔を見合わせる。
「帰ろうか」
俺が言うと3人で歩き出した。
◇
人が行き交う繁華街を3人で歩いていた。
「あれ!?」
今宵が指差す。
その道路を挟んだ向かい側を歩いていた人の肩には邪神が乗っていた。
「邪神だ祓う」
花青が言った。
今宵がそれを聞いて口を開く。
「お二人は邪神を祓えるんですよねここは私がやってみたいです」
んと俺と花青は立ち止まる。
「いいよ」
俺は2つ返事で返す。
「全然構わないぞ」
花青も同様のようだ。
「お2人には見ていて欲しいです。私がちゃんと邪神を祓えるか」
分かったと俺と花青は返事した。




