6話 結婚式の前
俺、重命紡弘は運の練習をしながら道を歩いていた。
橋の途中で人が強い口調で話し合っていた。
揉めてる?
橋の手すりの所にもたれ掛かるようにしている女子中学生とその目の前にいる大きな紙袋を持った大人の女性だ。
俺の向かい側に同い年位かの男がいる。その者と目があった。
女子中学生が手すりの上に座った女子中学生が叫んだ。
「来ないで!!」
「分かったよでもそこからはダメだ」
大人の女性が手を出し制止しようとする。
「来ないでって言ってるでしょ!! 嘘つき!私はネットで自殺を手伝ってくれる人を募集したの!!止める人なんて呼んでない!!!!」
女子中学生がそう言うとひっくり返って頭から橋の下へと落ちて行った。
それを見た大人の女性が直ぐ様頭からダイブする形で女子中学生と一緒に橋の下へと飛び込んだ。
俺と向かい側にいた男が急いで橋の手すりの方へ行く。
大人の女性は宙で女子中学生を抱き抱え片手を地面に突き出した。
突き出した片手で川の地面に着地し飛び起きる。
「なっ」
俺の隣にいる男が驚愕した。
だが俺には見えていた。大人の女性から運氣が出ているのが。
「運師だ」
隣の男がこちらを見る。
「運師?」
「あ、いや」
女性たちの方に目を向ける。
2人とも無事怪我もしてないみたいだが中学生の方の姿勢がくずおれ泣いていた。それに大人の女性が抱き、背中をさすった。
◇
俺と隣にいた男の人と一緒に下まで周り2人を川から手を引き助ける。
大人の女性が言った。
「ありがとう男子友人2人組」
「あ、いえ初対面です」
男が告げた。
「そうなのかい」
大人の女性が笑いながら頭を擦っている。
「私は楊洋葉君は?」
俺の方を見て言ってきた。
「俺は重命紡弘です」
「そうなの……それにしても――」
と言ってもう1人の男の方に飛び掛かった。
「大っきくなったね継!」
そういいながら頭を撫でている。
「あれ、知り合いだったんですか」
「ああ俺は花青継この人は俺の従姉妹に当たる人だ」
楊さんが花青に問う。
「妹ちゃんは元気してる?」
「いや、今は風邪気味で」
「そっかー悲しいね元気になるといいな」
「にしても――」
花青が表情を変えて楊さんの方を向いた。
「これから結婚式なのに何やってるんですか!」
「いやーめんごめんご」
「古いですよそれ」
「嘘だー井上順さん?」
誤魔化そうとする楊さんに花青は続ける。
「取り敢えずあの女性はもう大丈夫なんですか?」
「怖い思いしてやっぱりやめるってさ」
「それなら良かったです。てか何してたんですかあの女の子嘘つき呼ばわりしてましたけど」
ああと堂々とした顔つきで説明を始めた。
「インターネットで自殺協力の募集をしてる人に手伝うって言って現地に行って助けるっていうことをしてたんだ」
「今日やることじゃないでしょ」
花青が呆れながら突っ込む。
「解決したなら会場に急ぎましょう準備の時間だってあるでしょ」
「は〜い」
楊さんが軽く返事をした。すると楊さんがこちらを向いて話しかけてきた。
「君も付き合わせちゃってごめんね用事とか大丈夫?」
「また人の心配。人の心配より自分の心配してください」
花青が口を挟む。
「ごめんね。それで大丈夫だった?」
再びこちらに聞いてくる。
「いや時間は大丈夫なんですがあのーこの結婚式ってもしかして」
俺は想田先生から貰った紙を2人に見せる。
「あ、私の結婚式じゃん」
「やっぱりそうですか」
見せた紙をしまう。
「なら丁度いいし一緒に行こう」
楊さんが提案する。
「ありがとうございます」
「うんうん!おいでおいで」
◇
楊さんの持ってた紙袋を持ち楊さんについて行って道を歩く。
楊さんが俺の方に耳打ちしてきた。
「重命くんって運師なんだね運氣コントロールあと2日もやればもっと良くなるよ」
「あ、そうなんですか」
花青が口を開く。
「それにしても楊さんってあんなに動けたんですか、なんか片手で着地してたようにも見えたし……」
「そう? 見間違いじゃない?」
不思議そうな顔をしながら花青は言った。
「そうですかね」
◇
結婚式の会場に着いた。
「じゃ2人ともありがとねー」
楊さんとは会場に入って別れた。
受付には楊さんの親がいた。
そこに出席者名簿が置かれていた。
首席者一覧
想田託士
産仔鳳珠
エナミル・ラフィフ
巻久根多那
…………
…………
エナミル・ラフィフ凄い名前の人がいるな外人?
受け付けをする。
結婚式か初めてだし緊張するな。邪魔にならないようにしないと。




