5話 運の取説
想田さんと一緒に母さんに説明をした。母さんは戸惑いながらも取り敢えず学校に入ることを許してくれた。その時一緒に運の使い方も教えてもらった。
今日は何でも想田先生の運師仲間が結婚式を挙げるから運師の新人としてそれと、もしかしたら君が選ばれるかも知れないからとかよく分からないことを言われたが君も一緒に来てほしいと言われた。まだ新しい学校の制服がないので今までの制服で服装を整え行く。
行く道中に教わった運の練習してみる。
◇
昨日の晩のこと。
「お母さん風邪中お邪魔してしまい大変申し訳ございません」
「いえいえ丁度風邪も引いたので大丈夫ですよ」
想田さんが母さんと俺の前で教えてくれる。
「では話します。先ず通常、運というのは普通の人には見えないのでお母さんには見えませんご容赦ください」
風邪が引いた母さんが少し元気よく返事をする。
「分かりました。紡弘には見えてるんですよね」
「見えてますよ」
想田先生が返す。
「母さんめっちゃ見えてるよ」
俺も言う。
「ならいいんだけど母さん見えないから」
母さんは微笑を浮かべながらもどこか不安そうにしていた。
「どうしてもと言うなら荒業ですが私がお母さんに運を与えて一時的に見えるようにもできますが……」
「え、お願いします」
ではと言い想田先生が手をかざす。
母さんの体にもの凄い量の運が流れ込む。
「これで見えてるはずですよ」
「うわあ」
母さんが驚いている。
「あ、あと重命くんこれからは想田先生でよろしく」
想田さんはにやりとして言った。
先生呼びされたいのかな?
「はい」
想田さんは想田先生っと
「じゃあ始めるよ。今の重命くんの体からは幸運が常に出ていて実はこのままだといずれ幸運が空になって不運状態になりそうなんだ。なると危険なことが起こりやすくなって死にも繋がる危ない状況なんです。なので幸運が逃げないように、もとい幸運が出ないように止める練習をしなくてはなりません」
「なるほど」
俺が返事をした。
「体から出ている運氣を抑え込む感じで……どうしても感覚になっちゃうんだけどね」
やってみる。
体から出ている運氣を……抑え……込む……
金色の運氣がみるみる縮んでいく。
「できてるよまあここは簡単だからね大丈夫かな」
想田先生が教えてくれる。
「因みに運氣や幸運、不運は運って約して言う人もいるよ。運師は運使いとか言ったりもする」
運の練習をしている時傍らで想田先生が知識を教授してくれる。
「運を抑えられたところで次は運の顕示に行こう」
「運の顕示?」
「運には性質があるって話はしたよね。その性質を表に出すことを運の顕示っていうんだ。性質の数は大体1つなんだけどたまに2つ持ってたりする人がいるくらいかな」
「そうなんですか」
「運を……まあ色々やってみてできてたら言うよ」
「あ、私は光背を出してる時目が良くなるから分かるんだけど、いやネタバレは辞めようか自分で試してみてよ」
「分かりました」
やってみる。表に出したり引っ込めたり
「うーん難しいな」
「頑張るんだよ」
母さんが励ましてくれる。それに俺は苦笑する。
「うーん……」
運をいじってみた。すると体がブワブワする感覚があった。
「今のだね。傷がないから分からないけどちゃんとできてたよ」
想田先生が言う。
「じゃあ発表するけど重命くんの性質は生、再生の性質だね」
「再生……!」
「他はできそう?」
「他?」
俺が疑問になり問う。
「いや、多分ね君にはには1000年前の人の記憶があってその人が使ってたから君も使えると思うんだ」
「体を操られてた時のことはあやふやにしか覚えてないですけど確かに何か使ってたと思います」
「その感覚でいい!」
そう言われやってみる。
何かを引き寄せるような感覚が出た。棚の上にあるリモコンが机から落ちる。
「できたねこれで性質2つは確定だ」
「おおおお」
「まあ!」
俺だけでなく寧ろ俺以上に母さんが驚いていた。
「先生今のは?」
「今のは縁。今みたいに物を引っぱたり飛ばしたりできる」
「おお!」
俺は自分の力に驚く。
「重命くんはこれから朗能って人に変わる度に技を盗めていけるだろうね。君は強くなるよ」
想田先生が続ける。
「変わる条件は朗能の記憶を呼び起こすことだろうけどね。不意に変わらないよう変わりそうになったら耳を塞ぐとかして対処して」
「はい」
「後、神社は警察と連携してどうにかするから大丈夫だよ」
いつものことだからと想田先生は言った。
「さあ、今日はこれくらいでいいかな運を抑えることと不意に変わることは意識しておいて」
◇
現代。
俺は言われた結婚式会場に向かって道を歩きながら運を出す。
凄いボワボワ出てるけど周りの人には見えてないんだよな。
前から人が通りすぎるが特に何もなく歩いていった。
やっぱり見えてないのか。
練習を続ける。
ドゥーーーーン
路地の所でものすごい気配がした。そっちの方を振り向くも――
何も無いただの道だった。
気配も無く気のせいだったようだ。
記憶の中で見た『30万以上の邪神を封印するなんて貴方様にしかできませんそれに縁で縛った封印は縁を持つ貴方を殺せば解除される。貴方様はこれから邪神たちに狙われ続ける』
狙われ続ける……こないだの様なものを邪神って言うらしい。邪神も一般人からは見えず運のある人にしか見えない。そんな邪神に襲われるのか、そう考えると怖くなってきたな。




