3話 1000年前の封印
具來が構えた刀はしっかりと重命を捉えていた。
俺は足が竦みその場にへたり込む。
具來が刀を振り下ろそうとする――
「おい!!!!」
神社の鳥居の所で男がこっちに叫ぶ。
「ひっ」
俺はビビって体を捻じる。
ゴーーン!!!!
具來も男の方を向き刀の軌道が僅かにズレた。刀は俺の体すれすれの真横に刺さった。
又しても運良く避けれた。
声を発した男が近寄ってくるもすぐ立ち止まる。
「おいおいこれって――」
その男は灰色の作業着のような服装をしていた。
あの人今日の
今朝神社で会釈してた業者の人だ。
俺は隙を見てその人の方へ行く。
業者の人が話してくれた。
「大丈夫か?」
「はい。ギリギリ」
俺は答える。
「俺は須原矢井お前は」
「重命紡弘です」
俺がそう言うと須原さんは金色のオーラを出し、続けてポケットからナイフを出した。
「おおお」
俺は驚く。
具來を睨みながら俺に語りかけてきた。
「じゃあよう相棒ってことで頼むよ」
「え」
「いや敵がいるから」
「俺戦えないですけど」
「は?だってお前運氣が……」
須原さんが悩むと。
「もしかしてお前目覚めたばっかの野良か?」
すると具來が動き出した。
「もう話はいいか?」
その言葉に須原さんが目を見開く。
「今こいつ言葉を……」
「大したことではない生まれた時からこうして話している」
須原さんの手や足は小刻みに震え化け物でも見るかのような目で具來をフラフラ見つめていた。
「喋ってやがる、まじかよ!」
怯えた声で告げる。
「あいつごく――」
ゴーーン!!!!
空から降ってきた雷が又、具來に当たる。体からは電気が迸る。
「やべぇーぞ!俺は中級だ。それに初心者が一人、これは詰んだか……とにかく想田さんに連絡だ」
須原さんは震えた手で携帯を取り出した。携帯を触りながら俺に向かって話しかけてきた。
「時間稼ぎになるか分からんがここは俺が相手する。お前は逃げろ」
ガシッバチバチバチバチバチバチバチ!!!!
具來は瞬間的に移動し頭を掴んだ。
「久々の体で上手く動けないな」
俺は上に持ち上げられ中吊り状態にされバチバチ体中電気の痛みが走り体がガクガク痙攣する。
須原さんはそれに気づく。
「はっ!」
バンッと片手で殴られ須原さんは飛ばされ地面に転がった。
刀を首元に向けられる。
「これで封印も解かれた」
刀が振りがざされそうになる。
その時、突然世界がゆっくりになったような感覚に陥った。
すると母さんの言葉が頭を過る。
『怪我くらい男ならするよ、でも死ぬようなことがあったら母さん悲しいからね。』
母さんごめん、俺母さん悲しませるかも
死ぬのかなこれ。ああ神社来たらよく分からないものが出てきて……第一運氣とか縁ってなんだ。須原さんって人は体から金色のオーラ出てるし……あれよく見たら俺からも出てるな、なんだこれ。これが運氣かそうか――
キーンと頭が痛くなってくる。
運氣、縁…………運…………
段々と強く頭がズキズキしてくる。頭がキーンとする。
具來が刀を振って首に当たりそうになる――――
◇
記憶の中。
「わしの縁で邪神は集めたぞ」
そこには90歳に行くか行かないかの年齢の男がいた。
「ありがとうございます能朗様」
壮年のように見える見た目をした男が言った。
能朗と呼ばれたその者は目の前にある墓のような石に手を添えた。
「30万以上の邪神を封印するなんて貴方様にしかできませんそれに縁で縛った封印は縁を持つ貴方を殺せば解除される。貴方様はこれから邪神たちに狙われ続ける」
「ふむ……」
辺りに大量の禍々しいオーラを放った奇々怪々の魔物のような存在が集まっていた。
「やるぞ」
「はい」
ふんっと力を入れ膨大な量の金色の光が辺り一帯を覆いだし地面の中へと姿を消させた。
◇
現代。
「はっ!」
倒れていた須原が目を覚ます。
「気絶していた……今はどうなってる」
須原は丁度今、切られそうになっている重命の方を見た。
「おおい!!」
刀が重命の首近くにくる――その時
ドーンと重命の体から溢れんばかりの金色のオーラ恐らく運氣が出てきた。
刀が宙で止まる。バーーンと強い衝撃波を放ち具來を刀ごと本殿の方へ吹き飛ばす。
本殿がバラバラと崩れる。
重命は地面に立った。何処か様子を変えて。
「ほおー……記運転生が成功したか、縁もしっかり付いてきた悪くない」
そう言うと重命の姿をしている者が自分の体を見回した。
「頭から血が出ているな。体中ボロボロじゃ今握られていたからか。どれどれどんな性質かな」
じゅう〜と音を出し頭の傷を直していく。
「ほお!この者の運の性質は生か……まあまあじゃな」
その時、空から1人の男が舞い降りトントンとゆっくり歩き近づいていた。




