17話 『奇跡』
花青が息を整える。手で形を作ろうとしたその時――――
「あれ? 敵の情報が違いますね」
天上に穴を開け空から想田先生が降りてきた。
開いた穴が修復されていく。多分先生の力の妄想で学校を作るみたいに直しているのだろう。
想田先生がこちらを見る。
「大丈夫だった?」
「はい今の所は」
花青が想田先生に答える。
「でも重命が一発叩かれてました」
今宵が心配そうに報告した。
「重命くん大丈夫でした?」
「はい運の顕示で治しました」
「ふわふわーふわふわー」
「それならよかった」
「わらわらわら」
「美味しいな美味しいな」
「けっけっけっ」
「ぺろぺろぺろりん」
5体の邪神が騒ぐ。
「これは多いいね君たちには荷が重い……折角だしアレやろう」
想田先生は俺たちの方を向いて説明する。
「今からアレやろうと思う」
「「アレ?」」
アレと言うのに俺たち3人が疑問に思う。
「アレをやるには運掛けをしなくてはならない。こんな風に」
腕をばってんにクロスさせ両手で握り一回転させた。
すると――想田先生の体からとてつもない量の運氣が舞い上がってきた。
「これが運が極まってる状態」
凄まじい運の量と圧に俺たち3人は気圧されながらも固唾を飲んで見る。
「ふわふわーふわふわー」
「美味しいな美味しいな」
邪神たちが体勢を変え攻撃してこようとしている。
「そして極まってる状態でできる運師がやれる最大の大技――」
そして想田先生が邪神たちに向かって放つ。
「奇跡」
想田先生の周りに大きく広がっていくキラキラ。
「人間の終焉美」
辺りが暗くなった。
5体の内1体が話してきた。
「われ……われ……は、人間では…………ない。美味しい」
それに想田先生は素直に答える。
「人間の奇跡を人間以外にも味わってもらうって意味」
ぎゃ!?
邪神たちの身体がどんどん灰色の灰となって欠けていく。その状態に邪神たちが戸惑う。
そんな中、想田先生は俺たちにレクチャーする。
「この奇跡を打つためには奇跡に合わせた運掛け、元は願掛けなんだけどねこれをしなくてはならないんです」
先生が丁寧に説明してくれる。その間も邪神の身体は灰化が進んで行く。
「運掛けをして運が極まってる状態では通常の運の顕示も簡単に最大火力で瞬時に出せたり殴りの攻撃も強いものとなります」
先生が話す中邪神がもう半分以上消え欠けていた。
「貰った他人の性質では運掛けができないので注意してください運掛けのポーズは各々あるので探ってみてくださいふと思い立つように見つかりますよこれは経験談」
スーーー
邪神5体が完全に灰となって消えた。
「これがアレ、奇跡でした奇跡は運を使う最大火力の技だから簡単には使えないよ」
「奇跡……」
俺が口ずさむ。
「あの……奇跡って不運でもできますか?」
今宵がうずうずして聞く。
「うんできるよ」
今宵の表情が明るくなる。
「奇跡……か」
自分の運氣を見て花青が呟いた。
ガラ
壁沿いの石ころが落ちた。そっちを見てみると――
あいつは、雷をビリビリとさせ刃を入れたような腕を持つ。
具來!
スッと消えた。
「2度も逃がしてしまったか」
想田先生が具來のいた所を見て言う。
段々と想田先生の凄さが分かってきた。あの奇跡を使う想田先生がいて距離はあったが逃げれる。やっぱりあいつもよほど凄い敵なのだろう。
「運のいい奴」
俺がつい口にした。それに想田先生が答える。
「運も実力の内さ。この業界じゃとくにね」
それから俺たちは学校に戻った。
◇
「今度の土曜日に運階級試験があります」
学校にて想田先生が各々のことをしている俺たちに告げた。
「会場は例年通りの場所で行う」
「運階級試験ですか何人ぐらいが参加するんですか」
ジュースを飲んでいた俺が聞く。
「何人だろうねー1人いればいい方だよ」
「え、そんな人数なんですか?」
「運師自体の数が多くないからね。階級試験の受験者となるともっと人は減るよと言うことで皆準備しておいてくださいね」
そう言って想田先生はにこやかな表情をした。
◇
土曜日。運階級試験当日。
俺は会場に着いた。今日は想田先生がいない。
花青と今宵は先についていた。
「2人とも早いね」
「そうか」
花青が眠そうにあーと欠伸して答える。
今日は朝の8時現地集合だった。実は途中トラブルもあったが無事間に合った。
「おやようございます」
「おはよう」
今宵が眠そうに挨拶してきたので返した。
会場の前を見る。人が1人ゲートの前にいた。
その人の衣装は明らかに何か幸運がありそうだった。
束になってるお守り、そして矢。
参加者だろうな
俺はそう半分確信する。




