表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/141

100話 あ゛?

 冒険者ギルド、コルダール支部。


 柄の悪い連中が集まっている。全員レンジャーらしい。


 …ってか、なんでここのレンジャーってモヒカンばっかなの?


 なんで揃いも揃って、顔にメイクして、舌出して、トゲトゲのジャケットなの?


 その肩のトゲパッドどんな意味があってつけてるの? 


 そして、武器がバットみたいなのに有刺鉄線巻いた即席っぽいのなのはどうして?


「「あ゛ーん?」」


 加えて、なんでガムクチャクチャさせて血走った眼でアタシらを睨んでるの?


「我輩こそが、コルダール冒険者ギルドの長! エスドエムであーーるッッ!」


 壇上に立ったエスドエムが言うけど、それは前に聞いたから。


「「あ゛ーん?」」


 って、モヒカンどもは、どうしてエスドエムじゃなくて、アタシらを見てんの? どう見ても、あっちの方が異様でしょうが。


「者共!! そう新入りをイジメてやるな!!」


「「あ゛ーん」」


 新入り?


 って、返事も「あ゛ーん」なんかい!


「なんとなく察しての通り、我輩らの愛する時計灯台の町は、ガニンガーどもに襲来されて、メチャンコヤバイことになっておーる!」


「「あ゛ーん」」


 メチャンコって普通使うか?


「しかし、なんでガニンガーに襲われ…」


「そんなこと知るか! 黙っていろ! いま我輩が喋ってるでしょうが!!」


「「あ゛ーん」」


 マイザーの問いは、エスドエムとモヒカンたちによって掻き消される。


「本来ならば貴様らの格を推し量り、セルヴァンへ行くかどうか判断する試験を行うはずであったが、それもこの状況じゃどうにもこうにもなんともならーんッッッ!!」


「「あ゛ーん」」


「ちょっと待てよ! 試験って…」


「いまからそれを説明するんだろうが! 黙っていろ! いま我輩が喋ってるでしょうが!!」


「「あ゛ーん」」


 アタシの問いも、エスドエムとモヒカンたちによって掻き消される。


「まあそこで、このガニンガー鎮圧…なんかこの町の隣のウルガ山を拠点にしてるみたいなんで、貴様らちょっくら行って敵のボスであるガニンガー大将軍とやらをブッ倒して来るってのを貴様らの試験とするッッッ!!! つまり、初めてのお使いだッッッ!!!」


「「ゲヒャヒャ! そりゃいいぜ! ルーキー!!」」


 そこは「あ゛ーん」じゃないのかい!


「ちなみにここにいて笑っているレンジャーたちは皆がレッドだ!!」


「な、なんだって!?」


 見た目はどこぞの世紀末的なザコキャラなのに……


「このリヴァンティズを舐めぬことだ! 田舎者ども! 道案内と監視役として1名を貴様らにつけてやる! 泣いて喜んで感謝しろ!」


 エスドエムが横にズレると、その巨体の後ろから女性が出てくる。


 恰好は僧侶っぽい。


「あ、あの! よ、よろしくお願…」


 でも胸が規格外に大き……


「挨拶なんて後だ! いま我輩が喋ってるでしょうが!!」


「「あ゛ーん」」


 おかしいだろが!!


「“ダブルパイパイ”様…申し訳…」


「謝罪なんて後だ! いま我輩が喋ってるでしょうが!!」


「「あ゛ーん」」


「おーい! いい加減にしろ! それに“ダブルパイパイ”はアタシらのチーム名だ!」


「なにぃ!? それは我輩の二つ名だ!!」


「なんでやねん! アンタ、パイは1つなんだから“シングルパイパイ”だろ!」


「そうにゃ! ウィルテと、レディーで“ダブルパイパイ”にゃ!」


「ウチらを入れると“クアトロパイパイ”だけどな」


「え!?」


「黙れ黙れッ! パイそもそも双丘なんだからダブルだろうが!! それに我輩のパイの質量は貴様ら4人を凌駕しとるわ!! 故に我輩こそが真の“ダブルパイパイ”であーーるッッッ!!!」


「「あ゛ー…」」


「「「「あ゛?」」」」

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ