2.家族が増えました。
短いですが、2話目投稿です。
とりあえず、4話まで毎日投稿していこうと思います。
魔の森にサトウキビを取りにきた私。
何故魔の森にサトウキビが?と思うのですが、意外と色んな種類の植物が生息している森なのです。
私にとってこの森は魔の森というより、お菓子の森。
この間カカオも見つけました。
チョコレートが食べれるかもしれないとテンションが上がっております!
村で食べられる甘いものといえば、果物くらいなので、甘味に飢えています。
そんな私にとって、この森はパラダイスなのです!
サトウキビ捜しに夢中になっていると、木々の間に蠢くものがありました。
すわ魔物か?!とおそるおそる伺っていると・・・
そこにいたのは小さなドラゴンでした。
怪我をして、地面にペタンとしている羽の生えた蜥蜴。
大きな宝石のような瞳がウルウルと潤み、弱々しく鳴いている姿は、とても可愛くて保護欲をくすぐられます。
む、胸がキュンキュンする・・・
先日食べたドラゴンのお肉はとっても美味しかったです。
けれど、この子ドラゴンを食べようとはとても思いません。
「きゅー・・・きゅー・・・」
「大丈夫、大丈夫だよ」
「きゅーん・・・」
「痛い?怪我の手当をするから、家においで?」
「きゅー・・・」
・・・可愛いっっ!!
可愛いの暴力!!
上目使いで私を殺しにきています!!
私はソッとドラゴンの子を抱き上げました。
怪我をしている部分に触れないよう、優しく運びます。
ドラゴンの子は全く抵抗する様子がありません。
野生のドラゴンはこんなに大人しいものなのでしょうか?
でも、ドラゴンはとても頭の良い生き物だと聞いています。
私の言葉をわかって、大人しくしてくれているのかもしれませんね。
お家に連れて帰った子ドラゴンは、献身的は治療の甲斐もあり、みるみる回復していきました。
毎日薬を塗り、包帯をかえ、ご飯を食べさせ、寝かしつけます。
日々元気になっていく姿を見るのは、とても嬉しいものです。
2週間程で、子ドラゴンの怪我は綺麗に治りました。
子ドラゴンも怪我が治り、嬉しそうに羽をパタパタしています。
ああ、可愛いなあっ!
けれど・・・
とっても可愛い子ドラゴンですが・・・
もともとは野生のドラゴンです。
怪我も治ったので、森に返さなければいけないと思ってはいるのですが、既に離れがたく感じています。
だって、めちゃくちゃ懐いてくれているのです。
手放すのがツライ。
一生懸命ご飯を食べる姿は、可愛いの化身です。
ご飯を必死にもぎゅもぎゅ食べているのですよ!
食べ終わったら、美味しかった、ごちそうさまー!と言っているように笑顔で『きゅー!』と鳴くのです。
ああ、可愛いっっ!!
眠る姿も、これまた可愛くて、いつまででも眺めていられます・・・
私の胸にしがみ付いて眠る姿が母性本能を擽ってきますよ。
これが母性本能なのかどうかはわかりませんが。
あああ可愛いっっ!!!!
私はすっかり子ドラゴンに夢中です。
父や母も暖かく見守ってくれています。
初めて、自分より小さな生き物の命のお世話をしているのです。
良い経験になると思ってくれているみたいです。
ある日、私は子ドラゴンを抱っこして、その子を拾った森へ向かいました。
手放したくはない。
けれど、元々自然で暮らしていた子を縛ることはできない。
そう考えたのです。
「ここだ・・・」
「きゅう?」
「・・・ここで君と出会ったんだよね」
「きゅっ!」
子ドラゴンが腕の中で元気に返事をしてくれます。
「あのね、君の怪我はもうよくなったから、君が帰りたいんだったら、このまま森に帰ってもいいんだよ」
「きゅっ?!」
子ドラゴンが瞳を見開き、腕の中から見上げてきます。
この子は本当に表情豊かです。
その表情で、とても驚いているというのがわかります。
「でも、まだ私といてくれるんだったら・・・一緒にお家に帰ろ?」
「きゅきゅっ!」
何を言っているんだ、当たり前だ!と言われている気がしました。
子ドラゴンが、置いていかせないぞ!と私の服を小さな手でキュッと握り締めています。
はああー、可愛くて悶えるっっ!!
「えへへ、そっか!じゃあ、帰ろうか!」
「きゅっ!」
こうして怪我が治った子ドラゴンは、正式に我が家の一員となりました。
名前を『シエル』と名付け、いつも一緒にいます。
ご飯を食べるのも一緒、お風呂に入るのも一緒、眠るのも一緒。
外に出かける時も、ずっと一緒です。
「あなたたち、本当に仲良しね」
と、両親も私たちを微笑ましく見てくれています。
そんな両親に私は言うのです。
「シエルは大好きな、うちの家族の一員ですから!」
「きゅ!」
こうして、私とシエルは家族になりました。
ドラゴン、2話目で出せて良かったです(苦笑)




