14.アイドルですか、この方たちは!
新キャラ登場です。
名前適当気味で、スミマセン。
名前を考えるのが苦手です。
サンドイッチの勇者様は、なんとこの国の王子様でした。
先日、発覚した事実に、私は遠い目をしています。
図々しい勇者様の正体が王子様だったなんて・・・
とても・・・とても信じられません。
そんな王子様は今日も我が家で、ご飯を食べています。
気が付いたら自然と食卓についているので、もういちいち注意をしなくなりました。
疲れるだけですから。
人の話を聞かない王子様には、何も言っても無駄だと学習しつつあります・・・
結局先日の、魔王のおじちゃんと勇者な王子様の邂逅は、何事もなく平穏に終わりました。
私とシエルが猫さんたちと戯れている間も、お二人は穏やかにお話をされていたそうです。
王子様は勇者なのに、何故?とお聞きしたら、魔王に勇者を差し向けているのは他の国の王様であって、我が国は魔王と平和的な協定を結んでいるとの事です。
そうだったのですね、知りませんでした・・・
という訳で、魔王のおじちゃんと王子様は、二人してよく家に遊びにきます。
食事時を狙ってやってくる二人は、約束をしている訳でもないのに、頻繁に家の前で鉢合わせするそうです。
もう、何なんでしょうね、この方たちは。
そして今日も魔王のおじちゃんと王子様は、お昼ご飯を食べに我が家にやってきました。
王子様は、つい先程、朝ごはんを食べて帰っていったばかりですが・・・?
何故三食、うちで食べているんですか?
一応、村には宿屋があり、そこには食堂も完備されています。
こんな辺境の村に宿屋が?とは思いますが、頻繁に勇者一行が訪れるので、宿泊施設が作られているのです。
王子様は今、宿屋と我が家を行ったり来たりしています。
・・・やっぱり暇なんでしょう、王子様・・・
魔王のおじちゃんも、ちゃんとお仕事をしているのでしょうか・・・
そんな心配をしながら、本日のお昼メニュー、ロコモコをテーブルに運びます。
白飯の上には色鮮やかな赤いトマトソースで煮込まれたハンバーグが。
さらに食欲をそそる黄色い半熟な目玉焼きと、瑞々しい緑の野菜が皿に盛られ、見ているだけで食欲を掻き立てられます。
ううーん、美味しそう!
おっと、お口が緩んでしまっていますね、いけないいけない。
さあ皆で、お昼をいただきましょうか!
「「「「いただきまーす!」」」」
みんな、ハンバーグとご飯を一緒にパクリと頬張ると・・・
「メル、我はハンバーグが大好きだ!」
「うまっ!これ、めっちゃうま!」
「んん!メルさん、とても美味しいです!」
美形な3人が、頬を膨らませながら、ロコモコをモグモグ頬張っています。
私はおかしくなって、笑ってしまいました。
両親も、美味しそうに食べてくれています。
私もロコモコ大好きです!
とくに、ハンバーグをトロトロな黄身に絡めて食べるのが!
はー!美味しい!
今日も幸せです!
ご飯がすみ、食後のコーヒー(私とシエルと王子様は牛乳たっぷりです)を飲んでいると、家の外が騒がしいことに気が付きました。
また何か、あったのしょうか。
すると、コンコンと扉を叩く音がしました。
「はーい」
返事をして、扉を開けると、お隣のお姉ちゃんが立っていました。
相変わらず、綺麗ですね、お姉ちゃん。
「お姉ちゃん!どうかしたんですか?」
「メルちゃん、それがね、また外から来客があって・・・」
お姉ちゃんが口ごもりながら話します。
なんだか、お姉ちゃんの雰囲気がいつもと違いますね・・・
心なしか、頬を染めているような・・・?
いったい何があったのでしょう?
私たちは、来客者がいるという村の広場に向かうことにしました。
すると、遠くからでも村の女性たちのキャーキャーいう悲鳴が聞こえてきます。
私は驚いて、シエルと顔を見合わせ、急いで広場へ向かいました。
いったい広場に何があるのか・・・
ドキドキしながら近づくと、広場の回りを、グルリと女性たちが囲んでいます。
なにやら頬を染めて、みんな黄色い悲鳴をあげています。
あらら?何か想像していたのと違うような?
すると、広場を囲んでいた女性の一人が、こちらを見て叫び声をあげました。
「ああ、王子様がいらっしゃったわ!」
「まあ、いけない!道を開けてあげて!」
「王子様、ささ、こちらへ」
訳もわからず、?マークを浮かべていると、ザッと女性たちの波が分かれていきます。
すると、広場の中心が見えました。
そこには、5人の人影が・・・
ま、眩しい?
そこだけ、なんだか光り輝いています・・・
私は瞳を薄目にして、やっとその方たちを見ることができました。
そこにいたのは、キラキラしたハンサムな男性が5人。
なんだか、アイドルみたいですね。
な、なるほど・・・
村の女性たちは、彼らを見て、黄色い悲鳴をあげていたのですか・・・
けれど、この方たちはどなたなのでしょう?
「ミカエル!それにみんな!何故ここへ!」
レイン王子が私の横で、驚きの表情を浮かべています。
どうやら、王子様のお知り合いのようです。
「王子!無事で良かった!」
「我々は、王子をお迎えにあがったのですよ」
「王子、心配しておりました!」
「お怪我はありませんか?」
キラキラ男子たちが、王子様の周りにワッと集まってきます。
その中でもミカエルと呼ばれた、金髪で緑の瞳の美丈夫は、王子の目の前で地面に膝をつき、彼の手をとりました。
「王子・・・貴方とお会いできない日々は私にとって地獄のようでした。再びそのご尊顔を拝めたこと、恐悦至極に存じます」
お・・・おおお・・・
この方たち・・・
見事に王子様しか目に入っていません。
特に、ミカエルさん・・・
気持ち悪いぐらい、王子様を見つめています。
なんですか?
王子様のハーレムですか・・・?
「ミカエル・・・それにお前たち・・・僕は大丈夫だと手紙にも書いていただろう!」
レイン王子が、ソッとミカエルさんの手を外します。
が、ミカエルさんも懲りません。
再び、王子様の手を握り締めています。
「お手紙では!貴方様の麗しいご尊顔が、もし不快に歪んでいたとしても、私たちにはわからないではありませんか!」
カッと両目を見開き、そう訴えられるミカエルさん。
ちょっと気持ち悪いです。
ですが、村の女性たちは、その異常さを見ているのに変わらずキャーキャー言っています。
どうしてなのでしょう?
「あのー、お姉ちゃん・・・」
「きゃあああ、ミカエル様あああ!」
「・・・お姉ちゃん?」
「あ、あら。なあに?」
いつの間にか私の後ろで、同じくキャーキャー言っていたお姉ちゃんに質問を投げ掛けてみます。
「何故、村の皆さんは、あの方たちにこんなに熱狂的な声をあげているのでしょう?」
「え?!メルちゃん、あの方たちのこと知らないの?!」
お姉ちゃんに、物凄く驚かれてしまいました。
え・・・そんなに有名な方たちなんですか・・・?
全く知りませんが・・・
女子としておかしいくらいなのでしょうか・・・?
「あの方たちは、騎士の中の騎士。実力もさることながら、美形で、民にも優しく、みんなに憧れられる存在なのよ。そしてレイン王子様の近衛騎士でもあるの!!!」
「は、はあ・・・」
私はイマイチピンときていません。
「彼らの姿絵は、こんな田舎の村にも出回るくらい人気があるのよ!王都では、凄まじい人気だと聞くわ!」
勢いに押され、私が後ずさるくらい、お姉ちゃんは興奮しています。
カッコいい元勇者な旦那さんをもつ人妻なお姉ちゃんが、こんなに興奮するくらい人気のある方たちなんだということはわかりました。
す、すごい人気なのですね・・・?
でも、ごめんなさい。
私には、ちょっと気味の悪い、王子様の取り巻きにしかみえません・・・
私は、またひと波乱ありそうな予感に、溜息を吐くのでした。
だいたい食べ物が出てきたら、私が食べたいものです。
ロコモコ食べたい。




