第1話
そんなわけで、早速モンスター倒しに外に出かけようとすると、門番に通せんぼされた。え、邪魔なんだけど。
フェイントかけて脇を抜けようとしても出来ず、門番の方が一枚上手だった。なんで金属類装備してあんなに動けるんだよ。
・・・・・・最初から詰まった。いや、予想はしてたけどまさか夜まできちんと門番してるとはな。某ゲームだったら絶対居眠りしてるからな。時々パパんが強行突破するときもあ、ヴヴン、これ以上はいけない。
てか、なんできちんと働いてるの、いや働いてるのは普通にありがたいけど、こういうときは居眠りしておこうよ。
うん? そういえば同じ門番の人が昨日の夜も今日の朝もしてるけど、睡眠時間取れてるのかな?
まあいいや。魔物を倒せないとなると次はあれをするしかないな。
そう鍛錬。これ本当なら魔王倒した後に出来るようになるやつだけど、多分リアル世界なら魔王倒してなくてもいけるはずだ。だって父さんレベル5なのに力52もあるし。そういえば主人公も初期パラは高かったよな。あれって多分鍛錬の結果って言うのを公式で見た気がする。
というわけで父さんの手伝いをしながら、子供たちとチャンバラしたりして一週間がたった。
パラメータはと言うと、
筋力8→9
堅力2→3
早力5→6
器力9→9
精力1→1
うん、全然上がらない、スキルはどれも上がってませんでした。しっかり一週間経った後にパラメータが上がるから本当にゲームのプログラムみたいな感じがする。
そういえば、話変わるけど、、なんか大人のみんながざわざわしてるんだけど、話の内容を聞くに、なんか近いうちに魔物大発生、文字通りモンスターがものすごい量産まれて、それがどこかの村に襲ってくるやつが起きるらしい。ゲームだと中盤に一回起こる、という記憶だけある。
最序盤でこんな場面とか運なさすぎだろ。確か、村は普通にあったはずだからこの戦いには勝ってるはずだ。
その魔物大発生を止めるには魔物の巣を見つけないといけないが、これが難しい。魔物が作る魔力の幻影のせいで巣を見つからないんだ。
ただ、魔力感知と幻耐性を持っていれば逆に巣をすぐ見つけることができるが、今回は幻の練度が相当らしい。耐性5の人が言っても幻にかかったって言うんだからやばいことがわかる。
スキルはゲーム内時間だと一上げるのに約1ヶ月それからは二倍ずつ期間が延びる。そんな感じで、耐性系は敵などからダメージを受けないと上がらないので全然育たない。なんでこんな存在あると最初は感じたが、物理耐性を最大まで上げたら武器攻撃のダメージ量が無くなったから結構重要。
まぁこれに関しては魔物と戦うしか方法ないから流れに任すしかない。
・・・・・・この状況見たことある,確かこれが魔王が生まれる原因となったやつだ。
ウバラの悲劇って題名で王国の図書館に書いてあった記憶がある。確か10年前とかなんかとか言ってたから時系列的にも一緒だし。
でも村あったよな。俺大丈夫よね?死なないよね?
それで、えっとこれは何があったんだっけ?
・・・・・・これも思い出せない。魔物大発生が起きたことしか分かってない。てか、これが魔王が生まれる原因ってのが分かるのになんで魔物の数とか種類とかいった一番重要な部分忘れてるの? まじ俺の頭なんなの。どこぞの主人公かよ。あ、農民でした、すみません。
まぁ起こることがわかるんだったら今は子供たちとチャンバラしてスキル上げや鍛錬するしかないな。近いって言ってもあ・・・・・・あぶない。フラグになるところだった。
今は毎日の鍛錬しかないよな。じゃあ今日も頑張りました。
そうしていつもの遊び場に向かったんだけど、いつも集まる時間を少しばかり過ぎてしまったようだ。
そこには心配そうにこちらを見つめる少女と顔がよく似ている双子の兄妹。順にメルナ、ラガ、ラビだ。全員同い年だ。
「どうしたの? いつもなら一番最初に来てるはずだけど、先週の儀式で何かあったの?」
「そうだよコル。いつもあんな元気なのにこのごろはすっごい元気なさそうだけど」
あ、ごめん。それ、俺が大人の精神になって心が落ち着いたからだわ。
なので、できる限り子供が出す笑顔で話しかけた。
「大丈夫だよ。少し昨日のことが気になったけど、魔物を倒すのは男の仕事だからこのくらい平気にならないと」
「そうよ、男だったらガツンとよ。やっとコルらしくなったわ」
はは、5歳児に心配される俺って何なんだろう。
まあ、前世の子供よりも心も体も早熟だし、別にいいけどね。
「じゃあ今日もチャンバラだっけか? それしようぜ」
「えー、私たちはおままごとがしたいわ。ねえ、メルナ」
「うん、私動くの嫌いだからその方がいい」
おおー、綺麗に男と女の意見に別れましたな。じゃあ女の子たちはままごとしてもらって俺たち男はとっくんだ!
「コルもおままごとしたいわよね!そうよね!」
何、その脅迫まがいの言葉は。俺は強くなりたいの。すぐ生物大発生あるからそれに備えたいの。
「え?僕はラガとチャンバラがした、・・・・・・僕もおままごとしたいなー」
何、あの鬼のような気配。反抗する気が失せたわ。ごめんなラガ。
「なんだよコル、面白くないな。いいから行くぞ!」
「ちょっとーラガ! コルはままごとしたいらしいわよ!」
「絶対俺たちはチャンバラごっこだ。行こうぜコル」
「うん、ラガがこう言うし、俺はチャンバラをするよ」
よし、ラガのおかげで助かった。ナイスラガ、この俺はしっかりチャンバラでつけてあげるから。
「えー、じゃあメルナ、二人でしましょ」
「いいよ」
そうして俺たちはいつもの通りに、男はチャンバラ、女はままごとになった。
そんな日常も過ぎて二週間した後、場面は魔物との戦いに移っていく。