プロローグ
「暇じゃの~」
「なんぞ、面白いことでもおきんかの~」
長く伸びた白髪の爺が軒先でお茶を啜りながら、独り言うをつぶやいていた
「はぁ~、、それにしても、今日もいい天気じゃわい」
目の前に広がる雄大な大地
空は晴れ
春と夏の境目のような、ぽかぽか陽気
そんなある日の事
「神様!なんて事を言い出すんですか!」
「平和なのはいい事じゃないですか!」
爺の後ろから洗濯物を畳んでいた女から声がかかる
「そうは言うてもじゃ?大罪の連中も最近はおとなしゅうて」
「攻め込んでくることもないじゃろ?」
「まぁ、、今の大罪の方々は先代と違い、穏健派が多いですから、、、」
「『戦争より箱庭でもしてる方が楽で楽しい』」
「ってルシシェラさん。おっしゃってましたからねー」
爺が住む聖界と鏡のように存在する、獄界
その主をルシシェラといった
「そーじょろ、そーじゃろ」
「あちらとて、戦争なんぞやれば、出費も馬鹿にならんし」
「先代の大罪が起こした分もまだ復興中じゃろうてのう」
「こちらも、あれだけあった世界と、世界の卵やらいろいろ壊されましたからね」
「当面平和でいいんですよ」
「じゃがのーーー?平和なのと、暇なのは別じゃて」
「暇じゃのー」
………
「っしょっと!さ!洗濯物もおわりましたし、行きましょうか!」
家事を終えた女ガブリエーラが爺、、、もとい、神に外出をつげた
「今日は出かける用があったかのー?」
「先週 『暇じゃから、新しい世界でも作るうかのう』
って言われたじゃないですか?」
「昨日ミカネーラさんから準備が出来たって連絡が来てましたよ」
「おーーーそーじゃった!!こーーしちゃおれん!」
「ほれ!なにをしてる!早う行くぞ!!」
いまにも飛び出しそうな勢いで玄関へ向かう爺
「まったく、、、あれで全知全能の神様なんて、、、」
「なーーーーにをしておる!!!はよーーー!!はよーーーせんか!!」
玄関口か急かす声を張る爺
「はいはい!今行きますよー!」
こーして、爺、、もとい神様の暇つぶしとして
また、新たなる世界が生まれようとしていた