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奴隷少女と大聖者  作者: 臥藤拙句
第1章
11/30

事後処理のような物(4)

今回は事後処理最終話になり、(3)に入りきらなかった部分なので短めです。

『さあ、着きましたよ。ここがトウヤさんの報酬になります。』

『ほう、中々良いでは無いか。』

笑顔のフランが後ろについてきたトウヤ達を振り返る。

ギルドを出てから昨日の戦いの爪痕がいたるところに有る街中を通り、この街の入り口近くの職人通りと呼ばれる通り、その通りの突き当たりにその建物はあった。

周りの建物よりも敷地の広い4階建ての建物で外には馬車を停めるスペースがあり、1階は工房、その上は居住スペースで、何と以前の家主が貴族の出だったらしく風呂が有るそうだ。

しかも、後で確認したら通りに面した部分からロの字になっていて中庭と井戸が付いていた。

トウヤ以外は各々が建物の中を確認する為に出払っている。

トウヤはフランから1階の工房で説明を受けている。


『中は掃除も済んでいますし、各設備の点検も完了しています。』

『ほう、昨日の今日でよく準備出来たな。』

『家自体に浄化の魔導刻印が彫られてるらしいので、其れ程手間じゃ無かったんですよ。』

『ほう、魔導刻印か』

『はい、魔導刻印自体が殆ど失われた技術で王都に居る2人の魔導師の方以外は彫れないので凄い貴重なんです!』

ん?この世界は魔導刻印が廃れているのか?

DDDだと、武具のカスタマイズで魔力を消費して色々な効果を持たせられたから便利なのに。


『昔は魔導刻印は割と普及していたのだが?』

『今は遺跡で発掘された物を使うのが殆どですよ、刻印を武具に彫刻するときに消費される魔力が多過ぎるのがネックなんですよ。』

『まあ、確かに刻印は魔力を結構持って行かれる作業だったが…?』

『もしかして!トウヤさん、もしかしてですけど、魔導刻印彫れるんですか⁈』

『ああ、我のいた時代は武具のカスタマイズに魔導刻印は必須だったからな、無いと不便でな。』

『ふえぇ、流石伝説の勇者様。』

『我は勇者なぞでは無いのだがな。』

『でも、この国の子供は魔王と勇者の物語を聴かされて勇者に憧れるんですよ。』

『尾鰭と背びれ以外に足まで付いてそうな物語だな…。』

少なくとも、俺は絶対に聞きたくない。

それから、フランは必要な説明をするとギルドに戻って言った。

その後トウヤは建物の中を一通り確認し、アクアとナインに指示を出してからエミリアと日用品や食材を買いに出かけた。

街中をエミリアと並んで歩いていると風の羽衣亭が見えた。


『エミリア、ニアとオルガに会っていこうと思うのだが良いか?』

『ええ、私もニアちゃん達の事が気になってるから良いわよ。』

『あっ!トウヤさん!エミリアさん!』

風の羽衣亭に入ろうとしたら後ろからニアに抱きつかれた。


『おお、ニア無事だったか!』

『ニアちゃん、怪我とかしてない?』

『トウヤさ〜ん、昨日はありがと〜!』

ニアはトウヤの鎧に抱きつくなり泣き出した。

昨夜、トウヤ達と別れる前にキチンと感謝を伝えられず、また、街の外にいた魔物の話を聞いたニアは街を救ってくれたトウヤ達の事を捜していたらしい。

風の羽衣亭に置いたままになっていたパラディオンを回収したのだが、像の位置が変わっていたので誰か触ったか確認するとニアが顔を真っ赤にすると言うハプニングもあった。

この街に暫く住むことや、住居の場所を話すとニアが『絶対遊びに行きます!』と宣言し、オルガが意味ありげな笑顔でいて、更にはニアが後日、遊びに来たときにアクアとナインに出会い、オルガに泣きつくのはまた別の話だ。


遂にマイホームをゲットですぞ!

いやぁ、本当は1話くらいで終わるはずだったのに酷い迷走ぶりだ…orz



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