世にも奇妙な戦場の最前線
とある戦場の最前線。
隊長「駄目だ…。敵に囲まれてしまっている。」
ブライアン「どうするんですか、隊長!?」
ジャック「俺達は誇り高きアーミーです!!最後まで戦って玉砕しましょう!!」
隊長「いや…、ここは俺が…」
ブライアン「ま…まさか隊長!?」
隊長「俺が逃げるから、お前達はここに残れ!!」
言うやいなや、部下二人を残して逃げ出す隊長。
ジャック「隊長!?でも…、そっちには敵が…。」
敵軍「敵だ!!撃ち殺せ!!」
ババババババババッ!!
隊長「うわっ、マジかよ!!」
ブライアン「隊長!?…でも、これで敵の注意が隊長に向いた。逃げられるかも…。」
ジャック「待て…!!裏切ったとしても俺達の隊長には変わりないんだ、それを見捨てるというのか!?」
ブライアンを止めるジャック。
しかし…
ズキュゥゥゥーン…ッ!!
バタッ…
ブライアン「…悪いな、ジャック。家族には勇敢に戦って死んだと伝えておこう。」
ブライアンは親友を撃ち殺してまで逃げた…。
が、しかし…
敵軍「あそこにも敵がいたぞ!!」
ブライアン「オゥ…、シット!!」
ババババババババッ!!
バタッ…
二人の部下は戦死した…。
しかし、隊長は捕虜となりちゃっかり生き残った。
―――――――――――
同じく戦場の最前線。
ブライアン「ジャック…、前回は悪かったな。」
ジャック「気にするな、ブライアン。あれが俺のキャラだ。」
ブライアン「そうか…、なら良かった。ところで隊長は?」
ジャック「いや…、今回は初めからいないよ。」
前回の事などなかったかの様に仲良く談笑する二人。
しかし、ここは戦場の最前線。
敵軍「いたぞ、敵だ!!」
敵に見つかり攻撃を受ける二人。
ジャック「ダメだ、このままでは二人とも死ぬぞ!!」
ブライアン「しかたねぇ。ジャック…、お前が隊長をやれ!!」
ジャック「…分かった。俺の命令を聞いてくれ、ブライアン。」
ブライアン「いや…、隊長の仕事っていうのは仲間を逃がすため、ここに残って死ぬことだろ?」
ブライアンは逃げ出した!!
ジャック「ブライアーンッ!!」
―――――――――――
再びどこかの最前線。
隊長「今回はジャックがいないのか…。」
ブライアン「隊長、そんな事より、今回も敵に囲まれてます。」
隊長「そうか…。だが心配ない。味方の戦闘機が間もなくやって来て、敵を蹴散らしてくれる。」
ブライアン「隊長!!あれが戦闘機じゃないですか!?」
ブライアンはたしかに自軍の戦闘機を見た。
隊長「いや…、待て。何か様子がおかしい。パイロット…、応答しろ。」
無線機で通信する隊長。
するとパイロットの声が聞こえた。
ジャック「ブライアーンッ!!」
ブライアン「ジャックかよ!?」
ジャック「死ね、ブライアン!!」
ブライアン「前々回と前回の恨みかよ!!回を跨ぐんじゃねぇ、ってミサイルがこっちに…、ギャァアアアア!!」
《完》