近未来視
「実はさ、今まで言ってなかったけど・・・、
オレ、超能力あるだよね。」
友人のケイスケが突然そんなことを言い始めた。
「は?」
僕は最初言ってる意味がまったくわからなかった。
「超能力・・・って・・・、スプーン曲げたりとか?」
「いや・・・、そういうんじゃないんだけどさ。」
「え? 触らずに物を動かしたり?」
「そういうのもできない。」
「じゃあ、何ができるのさ。」
自分はケイスケの言うことがまったく信じられなかったが、
あまりにケイスケが真剣な顔をして言うので、
思わずいろいろ質問してしまった。
「うん・・・。あのさ・・・。
オレ、未来が見えるんだ。」
「え? 未来が見えるって・・・。
予知とか予言ってこと?」
「そう。」
「ノストラダムスみたいな?」
「そんな大したものじゃないんだ。
ほんのちょっと先の未来が見えるだけ。
しかも、それは一年に一回だけなんだ。」
「へー。でも、すごいな。」
ケイスケの真剣なしゃべりに、
だんだん僕も本当なのかと思えてきた。
「で、ちょうど今日がその日なんだよ。」
「え? 今日、未来が見える日なの?」
「うん。」
「それは突然見えるものなの?」
「ううん。集中したときだけ、
目の前にいる人の未来が見えるんだ。」
「マジで??
え! じゃあ僕の未来見てよ!」
僕は気づくとケイスケの言葉を信じて、
すっかり興奮してしまっていた。
「うーん。いいけど、
ほんとに近い未来が見えるだけだよ?」
「近い未来でも、全然かまわないよ!
ほんとに見れるの?」
「わかった。じゃあ、
お前の未来を見てみるな。」
そういって、ケイスケは目をつぶって
何かに集中し始めた。
「うーん・・・。」
ケイスケはうなり始めた。
手はしっかりと握り締められ、
額には汗をかいていた。
気づくと、僕も手に汗をかいていた。
「うーん・・・、見える・・・。」
ケイスケの言葉に僕はどきどきしていた。
「お前は・・・あと・・・30秒後に・・・」
「30秒後!?」
「・・・『えー、なんだよー。それー。』・・・って言う・・・。」
「は?」
「・・・。」
ケイスケは目を開けていた。
「え? それだけ?」
「うん。」
「えー、なんだよー。それー。・・・はっ!」
本当にケイスケの予言は当たっていた。
でも、僕は全然嬉しくなかった。
予言を聞くことによって発生する未来。
そんなことを考えていると、こんな話ができました。




