人生最後のストーカー
「愛華、離婚してくれ」
突然離婚してくれと言われ困惑した。だって私達愛し合っていたじゃん。それが何?もう、子供もいるんだよ生活費そうするつもりなの?
「どうしてそんなこと言うの?」
「お前の事が嫌いなんだよ昔から」
「だったら何でセックスまでして子供作ったの?」
「人間の三大欲求に従っただけだ」
「じゃあ最初から私の身体目的で嫌々付き合ってたて事?」
「何だそんなことも分からなかったのか?先輩先輩鬱陶しかったんだよ!」
「ふざけんなこの野郎!」
「それはこっちのセリフだ!」
ついカッとなって怒鳴ってしまった。退院してすぐなのに大声出して奥の部屋で冬史郎が泣いてしまった。
「そんなに私と離れたい?」
「あぁ、当然だろ」
「だったら条件があるよ」
「何だ?」
「私にもう一人の子供を妊娠させて、それが条件」
そして私達は今夜ベッドの中で最後のセックスをした。事前に私は排卵剤を飲んだので恐らく妊娠は確実だろう。そして、翌日無事に離婚届けを出し終えてさっぱりした。
「住む場所とか決まってんの?」
「...ああ」
「いままでありがとうございました」
「...こちらこそありがとうございました」
「じゃあね」
「...養育費はちゃんと送ってやる」
「そんなことしなくていい」
「...そうか。ありがとうございました」
そして、約数週間後、東野純也さんに新しい女の人が出来た黒い髪のショートカットヘアの私と違って栗毛色のロングヘアの美人だったけど今更純也を奪い返そう何て考えは微塵もない。私より幸せになってくれないと復讐は完了しない。ある日彼女に家に招いてもらった。
「すいません、お忙しい中招かせてもらって」
「いいえ、どうぞお入りください」
「白石愛華と申します」
「私、東野(旧名大沢)星と申します」
「何か困ったことないですか?」
「いいえ、今のところは無いです。お腹大きいですね、お子さん二人もですか羨ましいですね」
「えぇ、育児大変ですけどね」
「ところで白石さんの旦那さんは何をされていらっしゃるんですか?」
「数週間前に蒸発しました」
「蒸発って、冗談でしょ?」
「本当ですよ」
「えぇ、それは辛かったですねぇ...」
「あ、そうだ買い物行かないと...」
「旦那さんが帰ってからの方が良いですよ」
「それもそうですね」
そして数十分後、玄関のドアノブのガチャリと言うが聞こえた。そして私は数週間ぶりに元夫の東野純也と再会した。私よりもこの男の方が気まずそうだった。
「おかえり、純也。じゃ私買い物に行ってきますね。そうだ、お食事ご一緒にどうですか?」
「お気持ちだけで十分です」
一戸建ての窓の内側から星さんがスーパーに買い物に行くのを確認してから純也に顔を向けた。
「何でお前がここに、俺を取り戻しに来たのか?」
「違います、東野に誘われただけです」
「お腹大きいな...」
「私と貴方の二人目の愛の結晶ですよ」
「そんなはずは...だってあの時普通に寝ただけじゃないか」
「えぇ、私排卵剤を飲みました。そのおかげで妊娠しました。ありがとうございます」
「そんな馬鹿な...」
「これからも宜しくお願いしますね。パパ♡」