秋相
胸元に抱き寄せた温もりは
未だにここに残って
冷めることはない
小さな掌に僕の手をのせれば
それだけで彼女の全てを
覆い尽くしてしまいそうだ
白の上にわずかな桃色をのせる
ちょっと特別な君の表情
ワンシーンを切り取るならこの時
前奏は鳴り止んだ
窓のない中で秋の訪れを二人して待つ
紅葉と言うにはまだ早いけど
あるんだ、ちらちら舞う色鮮やかな紙吹雪のように
この季節の真っ只中
中途半端に行けるようで行けない場所
そこに椅子を並べて風の木枯らしを調べる僕ら
何を言うともなしに