第3刀 語リ
第3話です。
病室で目が覚めた、よくSNSでみる文言を言おうと思ったがその気力は残念ながらない。
首はとにかく痛い。
姉がすぐ側で寝ている、一晩中見ていたのだろう、心配性め。
時間は次の日の午前9時だった。
昨日は色々大変だったな、学校で仕事押し付けられるし帰り道で吸血鬼にタックルされるし知らない少女に首切られるし、マジで田中許さねぇ退院したらぶん殴る。
「謝りに来た」
声が聞こえその方向を首を動かさずに見るそこには俺の首を切った張本人が居た、赤髪の長髪の少女がそこに。
「お前は悪い異種族じゃなかった、怪我をさせてしまった、ごめんなさい」
言い方が悪いが反省している、少し落ち込んでるように見える。
「こんなんになっちまったが俺は怒っては無い、学校が休めるから最高だ、首はめっちゃ痛いが」
俺は少女に笑ってそう返す。
「お詫びとしてはあれだが…しばらく何か手伝わせてくれ…こう見えて昔人に仕えていたんだ、掃除ぐらいはできる」
真面目にそう言う少女に俺は今更疑問を感じた。
(この子は人間のようだが親はどうしているのか、なぜ人間なのに俺を異種族と見分けられたのか、昔とはいつの話だ)
「そうだな、部屋掃除でも頼もうかな、だがその前に聞きたいことがある、親はどうした?」
俺は問いた、この状態の相手はだいたい聞きいたことは話す。
「それが記憶が無くて、気がついたらこの街にいたんだ」
なるほど記憶消失か、ならうちで保護した方がいいな、警察に連れて行ってもいいが直感的にやめた方がいいと感じた。
「じゃあうちに来な、うちならゆっくりできるだろ」
少女は小さく頷いた
「そういえば名前聞いてなかった、俺はロイ・ハイトだ、名前は覚えてる?」
首が痛いが我慢してる。
「名前はリライ・ロータスだ、よろしく」
とりあえず姉が起きたら連れて行って貰おう。
「ほんとに君人間?」
医師から言われ「魔人です」と言いそうになったが人間ですと答えた。
昨日のあの傷が次の日には跡もなく治ってるからそりゃ疑うよな。
俺は午後2時に母のノアが迎えに来て無事(?)退院した。
姉のロアはリライ・ロータスに家のことを教えるために先に帰った。
母からは「私とあの人に似た息子さんね」と言われた、父に似たと言われたくない、あいつだけは嫌だ。
帰る途中、母が俺に言う。
「ロイはお父さんが嫌い?」
突然の言葉に驚く。
「嫌いだな、あいつは何考えてるのか分からないし家の事とか全部母さんに押し付けてどっか行くし」
俺の父親は姉が小学校に入る前にどこかに消えた、母に家の事や俺たちのことを押し付けてどこかに消えたクソ親父だ。
「たしかにあの人は私に全部押し付けてどこかに行ったけどそれも必要な事なのよ」
何を言っているのか分からなかった、ただ母さんが苦しむだけじゃないか。
「あの人がいなくなった理由はそのうち分かるわよ」
あいつがいなくなった意味?
何を言っているのか俺は理解出来なかった、いつか分かると言っているが分かる日は来るのだろうか、とりあえず俺は姉がリライ・ロータスに家事を教えているだろう自宅に帰る。
-第83世界層雷宝軍管理世界 グルガノータ地区雷宝軍本部-
「…それで『剣』の回収は」
私は軍の創設者である「神海王 天翔六花」に『剣』の回収計画の成果について話した、もちろん失敗という成果を。
「いやー失敗したね、まさか『剣が爆発』するなんて思わないだろ?」
ふざけた口調でいつも通り答える。
「まぁ…今回初めて『剣』の回収をしたから予測不可能なことは起きるだろう、だが」
ここから先も全て知っている。
「鳳天極夜、お前は唯一眼である『実眼』を持っているんだ、だから学者のお前に今回の計画を作らせたのだ」
実眼、それは過去現在未来そして分岐先の全ての真実を視ることが出来る力を持つ眼のこと、この眼は唯一眼と呼ばれ全100層あるこの世界では1人しか持つことが出来ない眼だ、めっちゃレアでしょ?すごいやろ。
「たしかに私は実眼で結果を視ることが出来ました、ですが実眼にもデメリットがあるんですよ、そうあるんです、実眼を高頻度で使えば世界から契約違反として排除されますからあまり使いたくないのですよ」
「ほう?『灰色の男』が契約違反ね」
「私も日々怯えながら実眼使ってるのでね」
この後は普通に怒られた、結構金が掛からなそうだったでしょ?でも第37世界層から第83世界層までヘリを輸送して点検してそこから第1世界層に送ってるのだからかなり掛かったよ、だいたい国5個消せる兵器作れるぐらい。
それほどの損失が出たのだから当然私は今月の給料無しになった、給料無しになったことで分岐点が変わったね、ここから先の未来が楽しみだ
まだまだ続きますしまだまだ書きます。
絵が書けないのでキャラデザ誰かに頼みたいですね