Let Chop star
いつからだっただろうか、「ガイ」を憎むようになったのは。
どれだけ記憶を思い返しても、それが何故かがわからない。
誰の為だとか、世界の為だとか、そんなものだったのかもしれない。
だが、ただ一つ、言えることがある。
俺は、「ガイ」を本当に憎んでいるのだ。
??「そう・・・それが貴方の選択だというなら、私は止めない」
「けど、決して関わったりもしない」
「今の貴方にはちっぽけに見えるかもしれない使命を、私は持っているから」
「だから貴方とは・・・ここでお別れ」
「でも、ここには貴方を待っている者達が沢山いる」
「だから、もし貴方のやるべき事が終わったのなら・・・」
「その時は、帰ってきて欲しい」
????「・・・分かった、そうさせてもらう」
「元気でな、●●●●●」
俺は、やれるだけの事をやった。
そして、奴の"ピリオド"を消滅させた。
これで、完全な世界が動いていく・・・そう思っていた。
何処で間違えたのか、"自分自身"にかなりの負担がかかっている事に気づいた。
「運命」、それが今の俺を襲っているのだ。
俺は認めたくなかった、その運命を。
だが、同時にこうも思った。
(これが"人類"全てに与えられていた試練だと?)(これが本当なら、今の世界はただ普通に・・・)
一つの運命を変えても、変わってしまった者達は、その運命を変えることは出来ない。
「・・・これが、変わってしまった俺への運命・・・か」
「だが、それならなおさら元に戻ることなどできない」
「乗り越えてやるよ、いくら犠牲を払おうと、あの日を過ぎるまではな」
「もしその後で、俺が消えるとしても」
「絶対に、戻ってきてやるからな」
???「・・・・・・で、私に頼んできたと・・・」
「あのねぇ、私は便利屋じゃないんですよ」
「それに、話なら通信とかですればいいじゃないですか」
????「いや、万一の際にお前が動いてくれなければ困るからな」
???「はーマジですか、確かに話しやすい印象だとは言われますけれども」
「でも、これ完全に責任を押し付けてる感じですよね?」
「どうすんですか、失敗とかしたら」
????「その点に関しては信頼している」
「何より、今後の橋渡しとしてもお前は優秀だからな」
???「ちょいちょい、私があの人の側近だからって無茶言わないで下さいよー」
「これでも、私苦労人ですからね?」
????「そんなことは知らん」
???「いやひど!」
????「とにかく、頼んだぞ」
「ああ、それと____」
「絶対に、あの約束だけは守ってくれ」
???「はいはい、分かってますよー」
「ぜーったいに、それだけは守りますから」
{其の欲望、其の鼓動、真に掴みゆき、到りを満たせ}
????「・・・ではな」
???「・・・できれば、無事に戻ってきてくださいね」
????「保証はできん、そのためにお前がいるからな」
???「はいはい、分かってますよー」
もしかしたら、俺は______
ずっと、彷徨い続けているのかもしれない。




