600km大冒険。
初投稿です。
赤信号から青信号に変わる。それに気づいて僕は歩き出す。
大きな音がして、何!?って思って音がする方を向く。
大きな壁のようなものが、真冬の太陽の光とそれを反射した雪の光をもって僕を眩惑させ、近づいてくる。
逃げなきゃ、避けなきゃ、と思うのになぜか体は言うことを聞かない。
そのまま意識を失う。
......んっああ、おはよ、ってあれ?なんか体が違う。
なんかこう、暖かくもなく、寒くもなく。真っ暗。何も見えない。目は覚めてるのに。
状況がつかめない!
とりあえず落ち着いて、念じる。
しょうがないじゃん。なんにもできないから願うんだよ。
まずは、見る。
お、っとお?
見える。
......鏡に映るドローンが。
割と大きいサイズの空撮とかするやつ。
で、自分はこれなの?
いわゆる転生?
わざわざドローンに?
......え。ええええええ。ええええええええ!?
おいおいまじかよ。転生できちゃったじゃん。やったあな状況じゃないけどやったあ。
死ぬよりマシさ!多分。
と、しばらくはしゃいで、冷静になる
......で。どうやって動くんだよ。ためしに浮くことを念じる。
さっき念じたらできたからね。
浮いたわ。
続いて前進、後進、回転。
慣れればお手の物。バク転みたいなのもできた。
ついでに、付属のアームも動かせた。
となれば、周囲の状況の確認。
どうやら、子供がプレゼントでドローンをもらい、その中に転生したらしい。
それらしき箱、それらしきリボン。
いまは夜であることは窓から理解できた。
クリスマスツリーが今日の日時を教えてくれた。12月25日。
と、自分の中の設定を始める。
時間、国、言語。
え?言語?
まぁいいや。箱の横の説明を読んでみる。
はぁ。どうやら普通の空撮ドローンにアームや録音など色々な機能があるらしい。
と、考えているうちに思い出してきた。家に帰らなきゃ。
なんせ僕は一人暮らしの高校生。
親は僕が小さい頃しんだ。
その後じっちゃんに拾われ、そのじっちゃんも最近亡くなった。
その時には一人で生きていける年齢だったから。
遠縁の親戚にお金だけ出してもらって、生活費はバイト。
家には中学生の妹。
だからバイトを休めば、生活が成り立たなくなる。
......体が無事なら、だが。
さて。そんなことを考えていると、朝になる。
まずい!持ち主が......!
ガチャ。
あ.......。
終わった.......。
て考える前に、元の位置に戻る。
最初の状態に状況を戻す。
「あー、昨日のドローン!」
子供がリモコンを手に取る
操作される。思ってもいない方向に動く。
くっそ気持ちわりぃ。
壁にぶつかり、天井にぶつかり。
......そんなことがあっても壊れないのか。
そのまま5分くらい経っただろうか。
もう一回ドアの開くおとがして、
「朝早いんだからもっと寝なさい。」
という声が飛んできた。
そりゃそうだ。
冬とはいえ日が昇るのは七時くらい。
見たところ小学生のようだし、休日に起きるには早い。
「えー。」
若干間延びした返事。
そろそろこの家を出なきゃならんのだ。すまん。
そうして子供が部屋に戻っていった。
その間に考える。
本当に帰らなきゃいけないのか。
帰る方法は今考えられる方法はただひとつ。
.......このプロペラで帰ること。
これには、充電や障害物など、問題が山積みだ。
バイト先の店長に伝える方法なら、メールや電話がある。
一回試しているか。
にしても、机の上のスマホのパスワードなんてわからない。
でも一回近づく、アームと足と形容できるもので挟んで電源ボタンを押す。
そのままスマホを置いて、画面にアームをつかって操作する。
......開いてしまった。
セキュリティ、ガバガバじゃん。
幸運を神に感謝しつつ、メールを開く。
そこでもう一つ思い出した。
基本的にずっとメッセージアプリ、LIN◯しか使ってこなかったことの弊害。
メアドが......わからない!
つらい。
と、諦める。でもその間にいいことを思いついた。
翻訳サイトは文字を入力すれば読み上げる。
もしこの先、歩いていくなら、言葉が必要になるシーンがあるはず。
まずは、「はい。」
入力して、音を出す。
よーしできた。
良かった。
ほかにも、いいえ、そうです、高知県高知市のひろめ市場に行きたいです。
ひろめ市場付近に家があるんだ。きっと全国規模で知ってると思う。多分。
で、一通り録音して、家を見回す。親がいるようだからバレないように探検。
どうやら寝室は玄関に続く廊下のところにある。出るときは窓で出ることとしょう。
その時に気づいた。荷物があるんだ。ボストンバックに入った荷物が。
どうやら空撮しに行くらしい。
となると。出発は今日だ。
窓はしまっている。
すまんな持ち主。
と思いながらアームをうまく使って鍵を開ける。
さっさとリモコンの範囲外にかなきゃ、操作される。
最大速度は時速70km出るらしい。
速っ!
でも風は感じない。
機械だから。
と、きっと出たであろう場所で周りを見渡す。
東京かここは。
え。
とおくね......?
大体600kmぐらい?遠くね......
まいいや。決めたし。とりあえず、とりあえず......。
どうしよ。とりあえず地面にとまる。
20分しか動けない不便な体。いま太陽がそこ。
いまは真冬で太陽が南の方に傾いてるから、西はあっち。
とりま西に行くか。
大体でいいんだよ。
優雅安芸。
優雅はたいして考えずにつけたら熟語ですねこれ。
安芸は広島です。
でも広島とはあんま縁ないです。
あ、主人公の名前書いてないっすね、次回書きます。
妹......仲いいのかな。