41 情報屋からの手がかり
ギルド本部へ到着した俺達は中に入っていく。
中は相変わらずガヤガヤしており騒がしく、マリッサはその中心部へ一目散に駆け出した。
「わぁ! ここがギルド本部なのね! いろんな種族がいるじゃない!」
「だね。俺も最初見た時は驚いたよ」
駆けだしたマリッサに追いつくと、人が密集しているテーブルが複数個設置されている室内の一角に視線を向ける。
「ひとまずは情報収集しないと……あのテーブルに着いている人たちに聞き込みをしていこう」
「えぇ! 行ってみましょう!」
マリッサはそう言うと、テーブルの方へと向かって駆け出す。
「マリッサ様、あまり失礼の無いようにしてくださいね!」
マイトが駆け出すマリッサに言うが、マリッサは聞く耳を持っていなかった。
「あなた達! ちょっといいかしら?」
「……ん? なんだお前は………いや待て、どこかで見たような……」
テーブルに着いていた男達がマリッサを見ると、何かを思い出そうとしていた。
俺はすかさず話に割り込む。
「あの、すみません! 俺達はイングラシル大陸にいきたいと思っています! 行く方法を知っている方はご存じでしょうか?」
「……はっ!? イングラシル大陸だと!? ……やめておけ、あそこに入って戻ってきた者はいないからな」
イングラシル大陸と聞くと、何故か座っている男達は表情を変え始めた。
「……そんな危険な場所なんですか?」
「あぁ……だが、どうしても行きたい方法を知りたいなら情報屋が詳しい事を知っているはずだ」
「情報屋……ってどこにいるんですか?」
「この街の片隅にある。そこで聞くと良いだろう……だが、情報には資金が必要だ。ある程度のお金は持っていった方がいいぞ」
「わかりました。教えて頂きありがとうございます」
エレナは一歩前に出ると男に問いかける。
「……それで、その情報屋がある場所ってどこなのよ」
「あぁ、このギルド本部から出て――」
男はエレナに情報屋の詳細場所を伝える。
「――そこに情報屋はいるはずだ」
「なるほど……わかったわ。アモン、場所は私が案内するから行きましょう」
「わかった。でも、その前に資金も必要らしいから資金を引き落としておこう」
俺は部屋の隅に設置されているお金を引き出す台に移動する。
以前教えて貰った通り台にギルドカードを入れると、引き出す金貨・銀貨・銅貨の枚数を指定できる画面が表示される。
「とりあえず金貨100枚ぐらいあれば足りるでしょう」
「……金貨100枚!? アモン様、その資金はどこで手に入れられたんですか?」
マイトが異様に驚いていた。
「……前に邪竜討伐っていうクエストの報酬で貰ったんだよ。まだあと金貨4000枚以上は残っているかな」
「邪竜討伐……さぞや難しいクエストだったのでしょうね」
その相手がディアマトだったというのは控えておこう。
俺は資金を補充した後、エレナに案内してもらい情報屋の場所まで移動した。
「この店?」
俺は、紫色の照明が輝く怪しそうな店を見上げながら呟く。
「そうみたいね、入ってみましょう」
エレナはそう言うと中に入っていく。
俺達もエレナに続いて中へと入る。
「……誰だ?」
すると、奥に座っていたやせ細ったエルフ族の男性が声を掛けてくる。
「お邪魔してすみません。ギルド本部にいる方からここに来ればイングラシル大陸へ行く方法を知れると聞いて来ました」
「……何っ!? イングラシル大陸だと? ……そんなところに行きたいのか?」
マイトが一歩前に出て話始める。
「はい。イングラシル大陸内にある神殿に行かなくてはいけないのです。危険なのは承知なので、どうか教えて頂けないでしょうか?」
「物好きもいる者だな。……だが、知りたいのなら当然だが情報料を頂く。問題ないか?」
「……はい。そのために資金はある程度用意しています」
「わかった。知りたい情報はそれだけか?」
俺はディアマトの事も思い出していた。
「あの、仲間の1人が呪いにかかってしまい、魔法でも回復することができないんです。その呪いを解く方法も知っていたら教えて頂きたいのですが?」
「呪いを解く方法か。……知りたい情報はその2つなのか?」
俺は皆を見渡して知りたい情報がこれ以上ない事を確認する。
「はい。その2つです」
「わかった。料金は金貨30枚だ」
指定された値段は想定していたものより低く、俺は懐から金貨30枚を取り出してエルフ族の男に渡す。
「どうぞ、金貨30枚です」
受け取った男は金貨の枚数を数え始める。
「……確かに金貨30枚頂いた。それではまず1つ目のイングラシル大陸へ行く方法について教える」
「お願いします」
エルフ族の男は話始める。
「イングラシル大陸へ行くためには隣接する大陸であるフィランド大陸にある3種族の協力が必要だ。フィランド大陸にはエルフ族の国であるラビスタット、亜人族の国であるグラインボルト。そして最後にドワーフ族の国であるラインセルがある」
「3種族の協力……ですか?」
「そうだ。亜人族の国の協力によってフィランド大陸からイングラシル大陸へと繋がる道が開かれ、エルフ族の国の協力によって開かれた道の先にある結界を打ち消す事が出来る。そして最後にドワーフ族の国の協力によってイングラシル大陸へと繋がる門が開かれる」
「なんか、すごそうにゃ……」
俺達が突破できなかった結界はエルフ族によって打ち消す事が出来るのか……。
「わかりました。つまり、フィランド大陸のラビスタット・グラインボルト・ラインセルの3種族の国から協力を得ることが出来ればイングラシル大陸にいく事が出来る。……という事なんですね」
「その通りだ。……だがしかし、今その3国は種族同士で緊張が走っていて種族間の争いが多いと聞く。ゲートを開くどころの話ではないかもしれないぞ」
「え!? ……あ、そうだキャスティ……キャスティはその亜人国のグラインボルトに住んでいたの?」
「……元々はそうにゃ。私は確かに初めは両親と一緒にグラインボルトに住んでいたけど……他の種族に対して反感を持っている人が多いのが嫌で、両親や他の一部の同胞達と一緒にエクリエル王国領土のラフィーロ大陸に移住していたのにゃ」
「……そうだったのか」
「……その後、魔族に襲われて……いろいろあって今に至るって感じにゃ」
「あ……ごめん」
改めてきくと、どうしても申し訳なくなる。
「あぁ! アモンさんは気にしなくていいにゃ!」
キャスティは慌てながら話す。
そんな中、エアリアが話を整理する。
「アモンさん。つまり、今の3国の状況を確認する為にも、一度そのフィランド大陸にいく必要がありそうですね」
「そうだね。当面の目的地はそのフィランド大陸って事で決まりだね、……あと一つ、呪いを解く方法だよ。何か知っているの?」
俺がエルフ族の男に問いかけると男は話し出す。
「あぁ、それならこのメルトリアから少し離れた場所にある神聖都市オルテシアに行けば、呪いを解除できる教会があるはずだ。そこへ行けば呪いを解く事ができるだろう」
「……そうなんですね! ……でも、神聖都市オルテシアか……行った事ないな。エアリアは行った事ある?」
「あ、はい! アモンさんと出会う前に立ち寄った事があります。大きな壁に囲われた町で外部から隔離されているので、多くの貴族の方々が保身の為に住み着いているような街でしたね」
「大きな壁か……不思議な町だね」
「あはは、なので関所も厳重で入るのにお金も必要ですし、身辺調査に少し時間が掛かるかもしれません」
「なるほどね。……でも、ディアマトの治療の為だ! 向かうとしようか」
「もちろんです!」
話がまとまるとエルフ族の男は俺達に問いかけてくる。
「……では情報はこれまでだ。他に聞きたい事はあるかな?」
「いえ、もうありません。とても貴重な情報を頂きありがとうございます」
俺はお礼を伝えた後、俺達は旅立ちの前に宿屋へ戻って少しばかりの休息をとるのだった。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「アモン達は今後どうなるのっ……!」
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